徐福の宮

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三重県熊野市波田須町に、徐福の墓があるというので、行ってみました。

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ナビが示したところには、徐福の墓ではなく、「徐福茶屋」というお店があり、道路を挟んだ山側に「波田須神社」(はだすじんじゃ)が鎮座していました。

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そこには、熊野古道伊勢路で最古の「波田須の道」もあります。

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当社の創立年代は『南牟婁郡誌』によると、康平7年(1064年)といわれ、明治40年4月22日に波田須字門サキから同字大平に移された徐福神社(徐福神)に、同年6月26日宮ノ谷の波田須神社(應神天皇)、及び寺の上の稲荷神社(倉稲魂命)2社を移転、合祀の上、波田須神社と単称した、とあります。

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つまり、平安時代にすでに当社はあったのですが、そこに徐福と応神大君、倉稲魂を合祀したとのことですが、では本来の神は誰だったのだろうか、と疑問が湧きます。

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しかし残念ながら、それに触れた資料は見当たりませんでした。

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では、この波田須神社が徐福の墓なのか、というと、昭和32年4月に徐福神社、稲荷神社をそれぞれ旧鎮座地に復し現在に至るとのことで、ああ、アレね、あのいかにもココですよと言わんばかりの巨木が立っているところね。

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そこまでは一応車で行けるようになってはいるようなのですが、これはダメでしょ、行ったら逝っちゃうパターンのやーつ~。

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で、てくてくと歩いて降りていくわけですが、

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もう絶望だよ。
まだ半分くらいしか降りてきてないのに、徐福茶屋があの高さになってるよ。

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もはやこれまで、と覚悟を決めて、降りていきます。

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途中、墓地があり、失礼してその間をショートカットさせていただきました。

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もうちょっとだー。

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感じの良い細道を行くと、

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ありましたな。

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今から約2200年前、秦の始皇帝の命を受けた徐福は、蓬莱山にあるといわれる不老不死の仙薬を求めて、500艘の船団を組み日本に向かって船出しました。
途中台風に遭い徐福の船だけが、この地矢賀の里に流れ着いたと、当地では言い伝えられます。

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以後、徐福は当地へ永住を決意し、土木、農耕、捕鯨、医薬などを里人に教えました。
このことからこの地は秦住と呼ばれ、後に波田須という地名になったとのことです。

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丸山と呼ばれる小高い丘の上には、「徐福の墓」と彫られた石碑がありますが、以前はこの前に稲荷社があったようです。

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この丘からは、徐福が伝えたという茶碗のかけらや、秦代の半両銭が発見されており、確かに秦族の何某かがいた形跡を物語ます。

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しかし徐福本人が紀伊國まで流れてきたというのは、富家伝承では否定され、実際歩いてみて、彼の終焉の地は佐賀だろうと僕も確信するところです。
後悔の途上で逸れた一派や、後世の子孫が、徐福と名乗ったか、そういうことにしたのではないかと思われます。

ただそれでも、この鳥の囀る丸山の聖域の清々しさは、彼の御魂が眠るに相応しい場所です。

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潮風の吹くロマンある徐福の宮、帰り道の絶望感を除けば、良い感じのところでした。

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4件のコメント 追加

  1. 不明 のアバター 匿名 より:

    narisawa110

    歴史書においてはタブーの徐福ですが、地元では普通に人気者であったりするところが面白いですね。

    いいね: 1人

    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      佐賀でもそうですが、人気者ですよね。

      いいね

  2. 不明 のアバター 匿名 より:

    素敵な投稿ありがとうございます。
    いつも思いますが、五条さんは優しいですよね^^
    富家の伝承を大切にしながら、決して他を否定するようなことを言わない(言葉選びが絶妙w)ですよね!
    そこがツボなのですが。。。徐福は佐賀だと私も思います。

    いいね: 2人

    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      こちらこそ、ありがとうございます😊
      僕は富家伝承を主軸にしていますので、歴史を語るうえで、それを逸脱することはできません。(たまにやっちゃいますが😅)
      しかし、人の祈りの場はまた別で、ここも徐福本人が居なかったとしても、聖地としては心安らぐ本物の場所だと思いました。
      稲荷社は無くなっていましたが、地域の人に大切に守られているんですね😌

      いいね: 1人

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