
ジャパンスネークセンターに隣接する「三日月村」にやって来ました。

グンマーでも深部にあたる三日月村では、僕らの使う貨幣が使用できません。

ゲートで入念なチェックを受けた後、特殊な通貨に換金して、村内に入ることになります。

三日月村に行くには、まず車で訪れることになりますが、駐車場で自動的に600円ほどが徴収されます。
村内に入るためには、さらに600円ほどが必要です。
さらにさらに、村内には3つの特殊施設があり、それぞれの施設利用に500円ほどが必要となります。

まあまあな、ものです。
村内ではかき氷や団子などを購入できますが、その際にも”円”は使えず、特殊通貨の”文”を使用する必要があります。

「三日月村」(みかづきむら)はグンマー帝国オオタシティにある、江戸時代をテーマにしたテーマパークを装ってはいますが、佐織さんに云わせれば、ここは忍者養成施設なのだとか。
ヘビ人間改造施設と忍者養成施設が併設されているとは、さすがグンマー、ショッカーを超えています。

「あっしにはかかわりなぇことでござんす」…
三日月村は元々、昭和46年(1971年)に放送された時代劇『木枯し紋次郎』(こがらしもんじろう)のヒットを受けて旧藪塚本町が誘致した「木枯し紋次郎テーマパーク」でした。

木枯し紋次郎は、笹沢左保原作の股旅物時代小説シリーズであり、のちにテレビドラマ化、映画化された作品です。
監督・市川崑、主演・中村敦夫によりフジテレビ系列でテレビドラマ化された本作は、視聴率30%を超える人気作品となりました。
主人公「紋次郎」の決め台詞「あっしにはかかわりなぇことでござんす」は流行語となり、様々な紋次郎グッズが売り出されるほどの一大ブームとなったとのことです。

作中で、紋次郎の生誕地として描かれる「上州新田郡三日月村」のモデルとなったのが、この藪塚町で、「テーマパーク三日月村」が誕生したということです。

村内の目玉、三日月村といえばこれしかない!これだけしかない!と言える3つのアトラクションは、
・建物内に様々な仕掛けを凝らした「絡繰屋敷」
・建物内が歪めて作られており、平衡感覚が狂う「不可思議土蔵」
・特殊な地底探検の場「怪異現洞」
となっています。

この3つの特殊施設をして、佐織さんと鈴ちゃんに「絶対にあそこは忍者養成施設だ!」と云わしめるのであろうと、僕は推察します。
しかし僕は、忍者になって大好きなあの娘の部屋の屋根に忍び込みたいわけではないので、時間的にあまり余裕がなかったので、この3つの施設はスルーいたしました。
決して、一施設5文のお金が惜しかったからではありません。決して。

実際に三日月村を訪れた人のブログなどをみると、楽しいアトラクションのようです。
グンマー帝国の最深部にまで辿り着けたあなたには、せっかくなので体験していってほしいものです。

「どうぞどうぞ、寄っていって~」
とおっしゃる係の奥様に
「サーセン、今日は村内の見学のみで~」
と答える僕。
しかし奥様は、嫌な顔一つ見せず
「どうぞゆっくり見ていってね~。この先に江戸時代の町があるから~」
とおっしゃいます。
とても感じの良い奥様。お金をケチったことに、少々罪悪を感じます。

しかし、江戸時代の町とはいったい。

すると、何とも侘びれた家が見えて来ました。
中を覗き込むと、

ギョッ!
も、紋次郎っ!
ここは木枯し紋次郎の生家らしく、「ゆっくりしていきねぇ」と声をかけられそうでしたので、「あっしにはかかわりなぇことでござんす」と、そそくさと退散しました。

そしてさらに小道を歩くと、江戸の町というよりは、離島の民家という風合いの集落にたどり着きます。

ここは御旅籠(宿)のようですが、

なんか巨大な馬らしき生き物や、

大人の遊びを楽しむ方々がいらっしゃいます。

で、2階の方を見上げると、、、怖っ!!

妖艶なお姉さんがお誘いくださっていました。指!

三日月村は、原作者・笹沢左保氏の「江戸時代そのままに街並みを再現したい」という構想がきっかけで生まれたテーマパークではありますが、長い年月の果てに、その様相はだいぶ変わってしまったようです。

2000年初めの頃のブログを見ると、なかなか賑わっていたようで、かつてのそんな頃に、鈴さんや佐織さんたちはよく遊びに来ていたのでしょう。

しかし時の流れは残酷で、コロナ禍もあったことがトドメだったのでしょうか。
「江戸情緒ゆたかな山村風景」というよりは、「廃墟の犬鳴村か」という雰囲気で、一人だったらちょっと怖い仕上がりです。だいぶ怖いです。
ただ意外なことに、平日のこの日もちらほらといらっしゃるお客さんに、救われました。

藪塚の裏の方には、栃木県の日光東照宮に行く道があり、途中には足尾銅山があり、桐生の絹織りあるのだとおっしゃる佐織媛。
昔は、ヤクザばかりいたとこなので治安が悪く、桐生競艇なのがあるので博打打ちが盛んだったみたいです。

そんな場所で無邪気にあそび戯れて、鈴媛、佐織媛は出来上がっているということでしょう。
これもまた、グンマーの神秘。

リアル感を出すために作られたのであろう三日月神社は、はい、もう怖い。

「江戸時代へタイムスリップ気分」というよりも、「ホラートリップ気分」と言った方が良さそうな三日月村。
いっそ、このホラー感を打ち出した方が、来場者数も増えそうですけどね。

それはともかく、楽しかったね、鈴ちゃん♪
