
僕のデートプランのラストを飾るのは「呑龍様」(どんりゅうさま)でした。

呑龍様の正式名称は義重山新田寺「大光院」(だいこういん)。
群馬県太田市金山町にある浄土宗の寺院です。

慶長16年(1611年)3月、徳川家康は徳川一族の繁栄と天下泰平、さらに先祖の新田義重の追善供養のため菩提寺を建立する計画を立てました。
そして、観智国師の門弟で四哲(してつ)の一人と謳われた「呑龍上人」(どんりゅうしょうにん)が招聘され、創建されたといいます。

本堂には安阿弥の作と伝えられる本尊の阿弥陀三尊像が安置されており、両脇侍の観音菩薩像と勢至菩薩像は運慶の作と伝わります。
また、右側には東照大権現家康公(徳川家康)の位牌と左側には大光院殿義重公(新田義重)の位牌が安置されています。

本堂手前から左に折れると、立派な開山堂があります。

元和8年(1622年)、呑龍は民衆の熱望により自らの像を自身の手によって作り出し、同年に開眼を行ったと伝えられます。
この像が開山堂の本尊として、祀られています。

呑龍は当時、多くの子どもが間引かれて殺されていたことを悲しみ、これらの子どもを弟子として引き取り、7歳になるまで上人の弟子という名目で養育しました。
そのようなことから、上人は人々から”子育て呑龍”と今に慕われています。
「上毛かるた」でも、「お」の札に「太田金山 子育て呑龍」として採録されています。



呑龍様の境内裏手には、新田義重公や呑龍上人の墓がありました。

元和9年(1623年)8月3日、弟子や関係者を枕辺に集めた上人は、「来る9日正午に往生をとげる。その時には雷鳴が鳴り渡るであろう」と語ったのだといいます。
そして9日の正午、仏前に合掌しながら入寂しました。

佐織さんがずいぶん前に聞いた話では、子育て呑龍様で徳川が、子供たちを集めて忍者にしたという逸話があったとのことです。

呑龍様・義重山新田寺大光院は、鈴さんが式を挙げたところでもありました。
つまり、ここが佐織さんと双子の弟さんたちの、原点でもあります。

鈴さんたち二人は結婚が決まるとすぐに、大きな船で東京か千葉あたりから日向に行き、興梠家と橋本家に挨拶に行ったようです。

鈴さんのお墓は、ここからほど近い、強戸町の隣になります。
強戸と書いて「ごうど」。
鈴さんの人生に、自身の意思が関与できた時がどれほどあったのかは、分かりません。
それでも、彼女の生きた道のほんの欠片をなぞっただけでも、確かにそこには、鈴さんが遺した息遣いを感じ取れたのでした。



「呑龍様と言えば、呑龍まんじゅうぢゃろ」
そんな声が聞こえたような、聞こえなかったような気がしたので、車を止めてみました。

呑龍まんじゅうとは”焼きまんじゅう”だというので、1本頼んでみました。

出てきたモノを見てびっくり。
デカいし、これってまんじゅうなの?

香りはまるで”うなぎの蒲焼”で、ほろ苦く甘じょっぱいお味。
表面はカリカリで中はふんわりという、なんとも絶妙なお味と食感でした。

さて、いろいろとご要望にもお応えしましたので、鈴姫さまには丁重にお帰りいただきました。
グッバイ、また逢う日まで。

その後、僕はもう少しだけ群馬を巡ります。
佐織さんのお父様と弟さんのお一人が眠る場所で、手を合わせさせていただきました。

もう1箇所、佐織さんが気になるという場所も訪ねます。

「木花咲耶姫命」と彫られた石碑。

富士講が建てたものでしょうか。

そうして僕は、いよいよ羽田から飛行機に乗って、九州へと帰るわけですが、その際ちょっとだけ不思議なことがありました。
年中旅している僕は、それはもう旅慣れたもので、いつでもすぐに飛び立てるように、旅のセットはコンパクトにまとめています。

なので空港のゲートを抜けるのなんか朝メシ前で、検査場で荷物をチャチャっとカゴに入れて、スッとゲートを潜るわけです。
もちろん今回も羽田ゲートを華麗にスルーしようとしたのですが、ところがなんと、”ピーッ”とアラートが鳴るではありませんか。
「ちょっとこちらへお願いします」
と言われ、警備員さんにボディチェックを受けますが、もちろん金属など持ち合わせておりません。なんで?
・・・あれっ?、ひょっとして・・・ついてきちゃった⁈のかな😅
それではまた、鈴ちゃんの桑野内大冒険の物語は、この先のお話ということで。。

🐥呑龍さんと焼きまんじゅう。蒲焼きみたいな香ばしい饅頭とな…何となく、忍者と関連がありそうな人物ですな🐤
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香ばしいうなぎの忍者でしょうな🥷〜”卍
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🐥忍者とうなぎの関連について、何か思い当たることはありませんか?どうも香ばしいような気がしてならない🐣
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つかみどころがないということでしょうな~~°ω°
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🐣なるほど。言い得て妙ですな🐥
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