手力男神社:常世ニ降ル花 石長雨月篇 07

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銀鏡(しろみ)の里をうろついていると、「お伊勢の岩屋」という場所を見つけました。

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岩屋とあるように、岩の洞窟があるようですが、情報が非常に少ないです。
当地で行われる神事は山神の神事で、東米良の山々に伝わる「鹿倉祭」になるようです。

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唯一あったネットの記事によると、神主が祝詞を奏上し終えたあと、子供たちが洞穴に入り、手掴みでコウモリを捕まえるのだそうです。
洞穴に入れるのは無垢な子供のみで、大人は穢れがあるので入れません。
そうして捕まえてきたコウモリを注連縄にぶら下げ、焼酎を飲ませます。
昔はそのあと飛んでいくコウモリの方向で吉凶を占なっていたそうですが、今は焼酎を飲ませるところまでとなっているようです。

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辺りを少し探ってみましたが、岩屋のようなものは見当たらず、お呼びでない感じも受けたので深追いはしませんでした。
それはあながち間違ってなかったようで、岩屋は「風の宮」とも呼ばれ、不届があると村に突風を巻き起こすのだと伝えられていました。
洞穴は雪降山の反対側の「麻藪の岩屋」(穴様)と繋がっていると云われ、むかし洞窟に入った人が岩戸に封鎖され出られなくなり「娘を差し出します」と神頼みすると岩戸が開いて出られたものの、帰宅したら娘が死んでいた、という事件があったそうです。
事の真相はさておき、村に礼節を欠いては碌なことになりません。
ただここで言う「伊勢の神」とはアマテラスではなく、伊勢津彦なのかもしれません。

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銀鏡の里は、山々にたちこめるしっとりとした霧や、朝の冷え込みがもたらす川霞など、「山の神」の息づかいを感じるところです。
過酷な環境の中で、銀鏡の里を守っていこうとする村民が、大切に栽培しているものの一つが「ゆず」です。

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山神の慈愛に満ちた香り豊かな黄色い果実は、不老長寿の実である「非時香菓」(ときじくのかぐのこのみ)そのものであり、イワナガ姫の由来にもピタリと合います。

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ところで、「山の駅 銀鏡」の壁に、このような案内板がありまして、「手刀男(てがたなお)神社」??
いやいやいやいや、これ、刀じゃなくて「力」、タジカラオ神社じゃないの!?

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ってことで、まあ5.4kmなら15分くらいで行けるんじゃね、ってことで手刀男神社を目指したわけですが、

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とんでもなかったからね、ここ。
Googleマップで案内された場所は間違いで、何にもなかったし、そもそも到達不可能な場所ででヤバかったからね。
実際の場所は、下の青い点のとこ。

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地元の人に聞いても「知らんなぁ」って言われるし、途方に暮れて山中の酷道を30分うろついた挙句、ようやく小さな案内を見つけました。

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こんな道を延々走って、

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おお、入口かー!と喜んではみたものの、

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またしても、行けども神社らしきものはない。
こりゃヤバいな、と思って引き返してみると、

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えーっ!

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倒れてるし!気づかんて、こんなの。

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で、近辺を歩いて探すけど見つかんないの。
だって、

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人ん家の庭にあるなんて、思わないよね、普通。
勝手にお邪魔していいのか分かんなかったけど、ここまできて手ぶらでは帰れないので、とりあえず参拝させていただくことにしました。

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「お気軽東米良観光」ってあるけど、こっちは死ぬ思いだったからね。そしてちゃっかり「手”力”男神社」って書いてあるし。
宮崎の山村、恐るべし。

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でもまあ、無事参拝が叶って嬉しいです。
呼ばれなきゃ来ることができない神社ってのはさ、こんなとこのことを言うんだよ。

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僕はイワナガ姫の父親である大山祇神は、この場合はクナト神ではなく四国土佐の「天石門別神」(あまのいわとわけのかみ)だと考えているので、ここにタヂカラヲが祀られているのは意味深いんですよね。
余談だけれど、土佐って十三でトミにもなるね。

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手刀男神社には良い感じの木片が置いてあって、これははなんだろう、って思ったら、

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御朱印の引換札でした。
なるほど、これこそダンジョンマスターだけが得られる栄光の証ということですね。

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うむ、じゃあ、戻るか。
またあの道を通って。

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