清姫の父 真砂の荘司藤原左衛之尉清重は 妻に先立たれて その子清次と暮らしていた ある朝散歩の途中 黒蛇に呑まれている白蛇を見て憐れに思い助けた 数日後 白装束の女遍路(白蛇の化身)が宿を乞い そのまま清重と夫婦の契りを…
カテゴリー: 和歌山
熊野本宮大社:八雲ニ散ル花 木ノ国篇 11
高倉下の紀伊王国建国から始まった今回の和歌山旅、その締めくくりに訪れたのは、和歌山県田辺市本宮町本宮にある「熊野本宮大社」(くまのほんぐうたいしゃ)です。 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれ、熊野三山の一つに名を…
大斎原:八雲ニ散ル花 木ノ国篇 10
「状況はどうだ」 「はい、随分矢を打ち込まれましたが、川が結界となってなんとか防ぎきっております。しかし…」 そう、分かっている。 時間の問題なのだ。 奴らはこの深い森の戦い方を熟知している。 夜討ち朝攻めの攻撃を受け、…
熊野那智大社・飛瀧神社:八雲ニ散ル花 木ノ国篇 09
指導者「五瀬」の死に打ち拉がれ、海上に漂っていた物部の一行に、紀伊の海は容赦なく洗礼を施した。 激しい風と波は、大きく船を揺さぶり、海の泡と消えた者も少なくない。 眠れぬ夜に焦燥したウマシマジに、強烈なまばゆい光が差し込…
神倉神社:八雲ニ散ル花 木ノ国篇 08
この社では、2月6日の夜に御燈祭りがおこなわれる。 参加する男たちは「上り子」と呼ばれ、 1週間前から精進潔斎する。 潔斎の期間中は、口にするものは白飯や豆腐など白い物に限られる。 白は古代から男の種水の色であった。 そ…
熊野速玉大社:八雲ニ散ル花 木ノ国篇 07
和歌山県新宮市にある熊野三山の一つ、「熊野速玉大社」(くまのはやたまたいしゃ)へやってきました。 紀ノ川河口の上陸作戦が失敗に終わった物部軍は、再び船に乗り紀伊半島を周回して熊野灘に至ります。 そして再上陸を果たしたのが…
加太春日神社・木本八幡神社:八雲ニ散ル花 木ノ国篇06.5
Wikipediaの「濱宮」の項に『紀伊続風土記』の引く『(紀伊)国造家旧記』によれば、神武天皇の東征に際して、日前・國懸神宮の神体「日像鏡」と「日矛鏡」を奉じた天道根命は、最初に紀伊国「加太浦」に来着したと記されていま…
日前神宮・國懸神宮:八雲ニ散ル花 木ノ国篇06
和歌山市秋月、紀ノ川河口付近に、あまり聞きなれない神を祀る、ちょっと変わった神社があります。 「日前神宮・國懸神宮」(ひのくまじんぐう・くにかかすじんぐう)です。 当社では、一つの境内に二つの神社が同列に祀られています。…
竈山神社:八雲ニ散ル花 木ノ国篇 05
九州、物部族の王「彦渚武」の御子に「五瀬」がいた。 五瀬は紀元1世紀頃に、物部族の指導者にまで成長した。 「兄じゃ、ついに好機がきました。今こそ大和に向かうべきです。」 弟「三毛野」と「稲飯」は、兄「五瀬」の元に駆け寄り…
伊太祁曽神社:八雲ニ散ル花 木ノ国篇 02
一書に曰く、 素戔嗚尊(すさのおのみこと)曰く、 「韓郷の嶋には、是金銀有り。吾児の治める国に浮宝(船)有らざるは、よからず」 乃ち鬚(ひげ)髯(ほおひげ)を抜きて散つと、これ杉に成る。 又、胸の毛を抜き散と、これ檜に成…