期間限定で姿をあらわす、なんともロマンティックな遺跡が鹿児島にあります。
霧島から西に進んだ先の、川内川流域にあるその遺跡は「曽木発電所遺構」(そぎはつでんしょいこう)といいます。
曽木といえば九州のナイアガラ「曽木の滝」が有名です。
合わせて観光していくといいと思います。
本物のナイアガラに及ぶべくもないですが、曽木の滝はなかなか迫力があります。
飯塚の炭坑王「伊藤伝右衛門」の妻だった「柳原白蓮」の歌碑もありますが、何かゆかりがあるのでしょうか。
さて「曽木発電所遺構」に向けて車を走らせます。
ナビが案内したのは墓地沿いの辺鄙なところ。
どうやら近くまで来たようですが、立ち入り禁止だったみたいです。
対岸に展望台があるのでそちらに向かいましょう。
公園内にある「展望所」から「遺構」を望みます。
そこには教会のような、中世ヨーロッパの建物のようなノスタルジアを感じさせる「遺構」がありました。
明治42年に建設された発電所で幅43m、奥行20m、高さ19mの煉瓦造り。
昭和61年まで操業し、竣工当時は国内でも最大級の発電力を有していたらしいです。
鶴田ダムの建設により昭和61年に水没しました。
普段は建物上部の一部が湖面に姿を出すにとどまります。
夏の水位が減少する約3ヶ月間の間だけ、遺構はその全容を現します。
長い間、水にさらされても形を残すその堅牢さ。
昔の建物はしっかり造られていたということでしょう。
廃墟、遺構というものには不思議な魅力があります。
全盛を誇った人工物が、時の流れで自然に侵食・風化されていく姿。
そこには不思議な自然との一体感があり、儚くも美しい、幻想的な世界があります。
「曽木発電所遺構」も建物維持のため補強工事などが施されているようですが、いずれは無くなっていくものかもしれません。
形あるものはいつか失われる、その刹那にこそ「美」は在るのだと、僕は思います。
美しいです。緑の湖面に映る建物の写真の雰囲気がいいですね。
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これがヨーロッパの教会じゃなくて、日本の発電所だっていうんだから面白いですよね。
期間限定で見れるのもロマンです。
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