伊香保温泉と伊香保神社

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一度は行ってみたいと思っていた「伊香保温泉」(いかほおんせん)。
群馬県渋川市にある石段の温泉郷は、草津温泉と並んで群馬を代表する日本の名湯です。

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僕が伊香保温泉に到着したのは夕刻でした。
すぐに日が暮れ、夜の温泉街を少しだけ散策します。

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派手な電飾の店がありました。
昔懐かしい射的屋です。

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有名な石段の中頃に出ました。
通常ならまだ賑わっている頃ではないかと思いますが、コロナ禍のすきま旅では観光地も閑散としています。

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伊香保神社までやって来ましたが

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真っ暗なので、とりあえず一礼だけで失礼しました。
また明日来ます。

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僕が宿を取ったのは「いかほ秀水園」さん。

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普段は貧乏旅の僕ですが、コイツのおかげで贅沢させてもらいました、ウッシッシ。

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御献立もこの通り。

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これぞ宿のめし!

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上州牛のすきやき、もう少し肉が欲しい所ですが、文句は言いますまい。

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その分、GoToクーポンでお魚いただきました♪

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キリコ旅の朝は早い。

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朝一番で向かったのは、伊香保温泉の奥部にある「河鹿橋」。

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細い道を進んだ渓谷にぽつんとある赤い橋は紅葉の名所だそうです。

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他に何か謂れはないのか調べてみますと、『千と千尋の神隠し』のモデルになったとのこと。
なるほど、確かに雰囲気はあります。

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石段の最下部に来ました。

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伊香保温泉はやはり、この階段を登ってこそ伊香保温泉なのです。

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ちなみに少し外れた場所には、昭和の香りのするこんな看板もありました。

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それはともかく、ロマンチックな階段の道を登ります。

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この急傾斜地に作られた石段は365段あるそうで、伊香保温泉街のシンボルとなっています。

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両端に所狭しと土産物店などが並ぶこの界隈は石段街と呼ばれ、この石段の下を「黄金の湯」と呼ばれる伊香保の源泉が流れています。

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温泉の発見は1900年前とも1300年前とも言われており、万葉集にもその名が記されています。
この温泉街が形成されたのは戦国時代、長篠の戦いで負傷した武田兵の療養場所として武田勝頼が当時上州を支配していた真田昌幸に命じ、整備されたのだとか。

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石段もこの時にできたそうですが、明治時代以降は竹久夢二、徳富蘆花、夏目漱石、萩原朔太郎、野口雨情、与謝野晶子ら多くの文人にその情緒が愛されたのだといいます。

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近年でも多くの著名人や作品にも愛されている温泉郷。

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しかし悲しいかな、人身売買による売春行為や温泉偽装問題など、暗い事件もたびたび起きています。

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石段最頂部に鎮座する伊香保神社が近づいて来た頃、焦げ臭い匂いが漂ってきました。

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2020年9月21日午後3時5分ごろ、渋川市伊香保町伊香保の休業中の温泉旅館「油屋旅館ホテル紅葉」から煙が出ていると、通り掛かった男性から119番通報がありました。

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この火災は、鉄筋コンクリート一部木造8階建てホテル約2360㎡を全焼したほか、西側に隣接する飲食店などが入った木造2階建ての建物に燃え移り、約420㎡を全焼しました。
幸いけが人はいなかったそうですが、当時石段街には白煙が立ち込め、近くの宿泊客が避難するなど一時騒然となったといいます。

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当地では18、19年にも火災が発生。
群馬では太田市の高山神社も放火で全焼しており、日本人のふりをしたろくでもない人たちがいるようで心がざわつきます。
僕が訪れたのは火災から2週間ほど後のことでしたが、今なお匂う焦げ臭さに、その凄まじさを感じました。

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気を取り直して、伊香保神社を参拝します。

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と手水に立ち寄って改めてびっくり。
本当に火の手はすぐそこまで来ていました。
案外放火犯は神社を狙っていたのかもしれません。

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伊香保神社(いかほじんじゃ)は伊香保温泉を守護する神社。
上野国三宮とされ、かつては北群馬郡吉岡町大久保に鎮座する三宮神社が元宮だったと考えられています。

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「伊香保」とは古く「厳つ峰」(いかつほ)・「雷の峰」(いかつちのほ)に由来し、榛名山、とくに水沢山を指す古名だったと云われています。

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本来は山岳信仰の場でしたが、後援豪族の衰退とともに社勢も衰微し、いつしか伊香保の源泉近くへ遷り、温泉の守護神となったようです。

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現在の祭神は、温泉・医療の神として「大己貴命」(おおなむちのみこと)と「少彦名命」(すくなひこなのみこと)が祀られています。
上毛国には豊城入彦とともに出雲神が祭祀される場所が多く気になっていますが、当社祭神との関連はなさそうです。

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当社社殿も明治11年(1878年)に火事で全焼しており、同時に消失した摂社の温泉神社を明治17年(1884年)に合祀して現社殿が建てられました。

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また当社には、「伊香保神社掲額事件」(いかほじんじゃけいがくじけん)という抗争事件も発生していました。

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北辰一刀流創始者の「千葉周作」は、文政3年(1820年)から廻国剣術修行の旅に出て、各地で他流試合を行ないました。
3年目の文政5年(1822年)、上州一の剣豪といわれる馬庭念流の「小泉弥兵衛」を破り、小泉をはじめ100名を超える人々が千葉に入門しました。

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入門者たちが伊香保神社へ北辰一刀流の額を奉納しようとすると、その情報が馬庭村に伝わり馬庭念流派の一同を憤激させました。
馬庭念流は戦国時代の剣客「樋口定次」以来、上州で連綿と続く流派であり、新興勢力の北辰一刀流の進出を許せなかったのです。

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この掲額を阻止するため、馬庭念流一門500余名のほか、同数のやくざ者や、鉄砲を持った猟師までもが集まりました。
事態を重くみた当代「樋口定輝」が伊香保へ向かいましたが、これを当主の出馬だと勘違いしていよいよ騒ぎは大きくなっていきます。

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村役人「木暮武太夫」や代官所の取成しもあって千葉は上州から撤退することにし、なんとか事なきを得たのだといいます。
しかしこの結果、上州において北辰一刀流は明治中期に至るまで、教える者がほとんどいなくなってしまいました。

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宿に戻って朝食をいただく前に、駐車場にあった稲荷が気になったので参拝することにしました。

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思ったよりも深い森の中に入り込みました。
連なる赤い鳥居が、緑とのコントラストもあって幻想的です。

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緩やかなアップダウンを進み、水の枯れた橋を渡ると

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見えて来ました。

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石鳥居にも小さな稲荷神。

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物聞琴平神社の幟が立っています。
社殿には境澤稲荷神社の暖簾。

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琴平社といえば大国主が祭神ですが、稲荷神と習合したのでしょうか。
となると今の伊香保神社の祭神、出雲神も、もともと当地で祭祀されていたのかもしれません。
謎の残る神社でした。

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8件のコメント 追加

  1. 8まん より:

    私の群馬お薦めB級グルメ、前橋の原嶋屋の焼きまんじゅう、総社近辺のソースカツ丼は食べて行って欲しいです。
    伊香保温泉付近の道の駅のカレーうどんも好きですね。
    ちょっと離れて邑楽郡ではブラジル料理も食べられます。群馬の太田市はスバルの工場があって、ブラジルの方を多く雇用していることから、あちらの食材を日本に輸入する感じでしょうか。太田のドンキでガラナを買い込んでます(笑)
    桐生では織物系ですかね。
    神社だとまだCHIRICOさんが行ってなさそうなトコだと、二の宮の赤城神社さんか足尾銅山に向かう途中の貴船神社さん辺りでしょうかね。
    歴史的なトコだと上毛三碑や古墳群なトコですかね。どれも抑えられてますか?(笑)
    群馬は首都圏でありながら田舎。都会の疲れを癒す大切な県。人気度ランキングは低いだけで私は埼玉より大好きです。
    私が福岡の博多ラーメン、はかたや百年橋店の味にはまってるように、CHIRICOさんにもありますか?群馬でリピートしてしまうようなトコは。(笑)

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    1. CHIRICO より:

      群馬でリピートしている個人的な店というのはありませんが、リピートしているというなら群馬そのものをリピートしています(笑)
      日本はどこへ行っても良いところばかりですが、中でも山形と群馬はどハマりしています。

      今回ターゲットしているのは二宮赤城神社と三夜沢赤城神社の上にあるという磐座遺跡の参拝です。
      他の場所も少し調べてみようとおもいます。

      食べ物に関しては、困るじゃないですか!
      これではまだ何度も群馬に出かけなくてはならない!!
      いつも貴重な情報、ありがとうございます😋

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  2. 8まん より:

    伊香保・・・温泉。秘宝館(笑)水沢に向かうと珍宝館があり、館長さんからセクハラをされます。(笑)
    ここいら辺りは命の神秘の館だとか・・・話が逸れ過ぎましたな(笑)
    温泉は堪能出来ましたか?私も心と体がボロボロになるとここに来てます。
    草津良いとこ、伊香保も良いとこ。そろそろ私も伊香保に行きたいな。

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    1. CHIRICO より:

      そんな猥雑さも含めて、温泉街の風情でもあります。
      また近いうちに群馬に行こうと思っていますが、草津も伊香保も行きましたので、別のおすすめがあれば教えてください♪

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  3. CoccoCan より:

    伊香保温泉のこの長い階段の中腹より上くらいでしたかうろ覚えですが、足湯があったような。その辺りで瓶の地ビールが買えて。温泉街は特徴があって面白いですよね。そして神社がある。

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    1. CHIRICO より:

      そう言えば足湯があったような…
      同じ群馬でも、草津と伊香保はまったく雰囲気も違って面白いです😊

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  4. CHIRICO様
    おはようございます。
    伊香保にも行かれたのですね。伊香保は岡山生まれの夢二と関わりのある地。一度は訪ねてみたいと思っているのですが、紀州からですと交通の便が悪いように思われてなかなか決断がつきません。「行くなら冬だよね」と伴侶は張り切って言っています。彼女の目的は温泉に入ること、私は温泉情緒を楽しむこと。実は私、温泉に入ることはあまり好きではないのです。それでも行ってみたいと思うのは、昔あった「ディスカバージャパン」のポスターなどの印象が強く残っているのかも知れません。冬だよね、なんて言っていますが、雪の階段って歩くことが出来るの?と喉まで出かかっているのですが、それはぐっとこらえて今のところは話を合わせています。いい年をして己を知らないというのはある種、悲劇だよねと思ったりして・・・。
    CHIRICO様のように確たる目的があるなら早くに行っていたかも知れませんが、なんとなくというのでは夢二(夢に)終わってしまうかも知れません。
                                                    asamoyosi

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    1. CHIRICO より:

      asamoyosi様、おはようございます☀
      返信が遅くなりました。
      草津も伊香保も、とても遠かった印象です。
      草津に比べて伊香保の温泉街はこじんまりとしていて、半日潰すには持て余しそうでした。
      それでも石段のある風景は他の温泉街には無い風情があって楽しめました。
      階段はかなり急なので、雪はあぶないかも。でも下を温泉が流れているので、すぐに溶けるのかもしれません。
      私が泊まった宿の湯は、白銀の湯という、実はパチモンの湯のようでして、本家黄金の湯に浸かるなら、石段脇の宿に泊まった方が良さそうです。
      まあ、私も湯の良し悪しは判らず、長湯は苦手なので、いつも雰囲気を楽しんでいます。

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