
高千穂町の山中で道に迷っていると、偶然「高山彦九郎 宿泊地」という標識に出会いました。
高山彦九郎(たかやまひこくろう)氏は、江戸時代後期の武士で、尊皇思想家だった人です。
福岡に彼の墓があり、彼を祀った神社が群馬にあります。

そして何でしょうね。なんとも味わい深い道を車を走らせてたどり着いたのが「黒ヶ谷」?

この変態級の山の中に、三毛入野が鬼八を斬りつけて、躱されて代わりに切った石があるというのです。

ああ、あれか。
この鬼切石の由来から、この地一帯は鬼切畑(おぎりはた)と呼ばれているそうですが、畑じゃなくて、山、山。
由来では鬼八は二上山に帰ろうとしていたとありますから、漆間か橋本か、あるいは五瀬か、その辺と関係ある人物ということになるのでしょうか。

それにしてもこの鬼切石、鬼滅でブームになっていてもおかしくありませんが、全然耳にしませんでしたね。
まあ、この味わい深い山の中にあるわけですから、たどり着くこともままならなかったのでしょうが。



さて、鬼切石もそうではありましたが、本命は「八體龍宮神社」(はちたいりゅうぐうじんじゃ)でして、

来たには来たんですが、この鳥居の下を進めと。。嫌な予感しかしないんですけど。。。

うっ

おおおおおおっ!!!!!!!!!!
やっぱりね、やっぱりね、こうなるよね。
ゆっくり車を走らせても、一度底を削ったし、もう嫌だよね、こんな山道。
途中で行き止まったら、もうアウトだしね。

今回は軽で来てたから、まだ良かったけど、どうする、まだ進む?
それとも少し広めのところに止めて、歩く?

そんな逡巡を繰り返していたら、着いちゃいました。

思っていたよりも造りは新しく、簡素です。

とはいえ、秘境感もあって雰囲気はあります。

お賽銭を多めに入れて、お札を拝借。

ところで八體龍って何でしょうね。
八大龍王のことかな。

八大龍王(はちだいりゅうおう)とは、仏教の教えを守る天竜八部衆に所属する龍族の8体王(龍神)だといわれています。
八大龍王に関係する神社は、高千穂に「八大竜王水神社」と「八大之宮」がありますが、その3社目となるのでしょうか。

社にはカラフルな女性の石像が祀られていますので、八體龍は女神ということになるのかもしれません。

さて、当地は「尾橋渓谷」(おばしけいこく)と呼ばれ、真名井の滝のある高千穂峡から5kmほど上流にあります。

つまりこの川は五ヶ瀬川であり、

その景観から「奥高千穂峡」とも呼ばれています。

尾橋渓谷に架かる鉄橋は、もちろん頑丈なのですが、

す、吸い込まれる。。。

陽が傾き始めた時間帯でもあってか、魂ごと大蛇に呑み込まれそうな感じがして、あまり長居はできませんでした。
くわばら、くわばら。

あと、社の少し先に小さな池がありますが、危うくここを見落とすところでした。

なんてない池ですが、タイミングによっては神々しい雰囲気を放ちます。

この池は「塵取ヶ池」(ちりとりがいけ)と呼ばれ、この池に「大蛇八體龍」(だいじゃはちたいりゅう)が棲まうと言い伝えられていました。

この池の水を飲むと、喉に刺さった骨が取れたり、目を洗うと目に入ったゴミが取れるのだと云うことです。

