うなぎの名店が”うきは”にあるというので、行ってみましたYO☆

うきは市は、福岡県の南東部・筑後地域に属し、のどかな田園が広がっていて、まあ言ってしまえば、「麗しき超ど田舎」です。
古くは「的邑」（いくはのむら）と呼ばれた、王国の気配を残す土地。
うきは市は観光に力を入れてあるみたいだけど、寂れない程度には賑わってほしいし、バカみたいにインバウンドで溢れてはほしくない、とても良き場所なんです。

筑後ってのは豊家や土雲族の気配があって、とても好きなんだよね、僕は。
媛巫女さんや、媛巫女さんを慕う人たちで溢れていた、豊かな情景が目に浮かびます。

そんなローカルうきはで、2021年12月に店を開業されたのが「鰻のぼり よしゐ」（よしい）さん。

おお、のれんのマークは三日月ですか、分かっていらっしゃる！と思いましたが、これは石窯でしょうね。

と言うのも、ここの一押しメニューが、熱々の石窯でいただく鰻の「石窯まぶし」（いしがままぶし）となるのです。

もちろん僕のオーダーも「石窯まぶし」一択でしたが、並と大で迷います。
でもね、並で正解でした。
「石窯まぶし」はボリュームがすごい。

骨せんをポリポリかじりながら出来上がるのを待ちます。
僕はお酒は飲めませんが、「鰻のぼり よしゐ」さんではうなぎに合うお酒も取り揃えてあるとのことです。

ネコさんも大好きな「肝吸い」や、小鉢、そして出汁と薬味が運ばれてきます。
出汁と薬味、そう「石窯まぶし」とは、いわゆる「ひつまぶし」のことです。

ドン、と運ばれてきたのが、「鰻のぼり よしゐ」さんの「石窯まぶし」並！
ひつまぶしは、木製の「お櫃」（おひつ）に盛り付けられたうなぎとご飯を、食べる際にまぶして（まぜて）食べるので「ひつまぶし」と呼ばれます。
しかし「鰻のぼり よしゐ」さんでは、熱々の石窯にうなぎとご飯が盛り付けられているので「石窯まぶし」なのです。

ひつまぶしは、陶器の器では割れやすいため、丈夫な木製のお櫃になったと言われていますが、「鰻のぼり よしゐ」さんでは、冷めても食味が落ちないようにと、食べ終わるまで熱々の「石窯」を採用されたのだとか。素晴らしい。

食べ方は「まま」「on薬味」「with 出汁」のひつまぶしスタイル。

まずはプレーンでいただきましたが、控えめかつしっかりとしたタレの味がうなぎをしっかりと引き立てて、旨い！

追いダレは深みが増して、旨い！

薬味は定番のネギ・わさびに加えて柚子胡椒が付いていました。
ご店主が修行したと言う日田の「日田まぶし」では、柚子胡椒が添えられるのが特徴です。
柚子の風味とピリッと来る辛さが甘いタレと相まって、旨い！

そして香り高いカツオ出汁をたっぷりかけたお茶漬けが、旨い！

さらに恐ろしいことに、これだけ味わっても、石窯にはご飯と鰻がまだ半分残っているという。

2クールめ。
石窯ならではの、底に出来た香ばしいおこげが、これまた旨い！

3通りの、どの食べ方でも旨いのですが、石窯が最後まで熱々のご飯を保ってくれているので、僕はプレーンな「まま」での食べ方が一等気に入りました。

この内容、ボリュームで3800円はリーズナブルだと思いますが、最後にデザートまで付いてます。
少々足を伸ばしてでも、来た甲斐がありましたYO☆

「鰻のぼり よしゐ」さんはうなぎも国産にこだわり、タレは老舗の醤油を二度仕込みしたものだということです。
シンプルかつ深い味わいのうなぎ、それが”よしゐ”流。
福岡は柳川はじめ、老舗のうなぎ屋も多くありますが、新鋭のうなぎ屋も増えてきて、とても嬉しい限りです。