足摺岬

投稿日:

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はるばると、ここまでやって来たもんだ。
2021年10月18日、その日僕は、四国の最南端「足摺岬」(あしずりみさき)に立っていたのでした。

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大分・佐賀関から朝イチのフェリーに飛び乗り、愛媛の三崎港に着岸。その後、ぶい~んとキリコ号を四国の西岸に沿って走らせます。
4時間くらい、潮風を受けながらドライブすると「叶崎」(かなえざき)という、魅惑的な名前の展望台を発見しました。

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その展望台は「黒潮展望台」と呼ばれているようです。

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上って見てみれば、ほう、なかなかの絶景。
叶崎海岸は西の足摺岬とも呼ばれ、「叶崎海岸を見ずして土佐風景を見たとはいえない」と俳人碧悟桐も言ったとか。

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切り立った断崖の上には、明治44年建設の当時の名残を残す現役の灯台も見えています。

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それにしても、黒いと言われれば黒く見えるような気がしなくなくもなくない黒潮。
叶崎に来ると、その名の通り恋が叶うのだそうです。

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そして四国最南端の文字がきらめく足摺岬へやってきました。
入口に背を向け立っているお人は

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ジョンマン!

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ジョン万次郎(中浜万次郎)は足摺半島西岸にある中浜出身の漁師で、幕末の政局に大きな役割を果たした人物。

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入口から程なくして展望台が見えてきました。

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ちなみにこの岬の正式名称は「足摺崎」(あしずりざき)だったそうです。

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観光地化の進展に伴って改称の議論が起き、広く通称として呼ばれていた「足摺岬」が現在では正式呼称となっているのだそうで。

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吹き抜ける風の先には

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広がる太平洋。

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ご存知のように、足摺岬は高知県の土佐清水市にあります。

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この日、奇しくも母の誕生日のこの日は、僕の一つの記念日となりました。
土佐、そう高知県です。

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ついに僕は、全国47都道府県の全てに足を踏み入れたことになりました。

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展望台から左手に見えている「おっこと主様」みたいな岬は「天狗の鼻」と呼ばれているそうです。
そこにも展望所があるようなので行ってみます。

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実はこの足摺岬、一般には四国最南端として認識されていますが、正確には最南端ではないと言います。おいおい興醒めぜよ、そんなこと言っちゃあ。
実は四国本土の最南端は足摺岬の西方約1kmにある「長碆」の南端部付近で、離島を含めた四国地方全体の最南端は宿毛市に属する沖の島になるそうです。しかも長碆の先端部は陸地から安全に行きつくのは不可能なのだそうで、んならまあ、足摺岬が最南端でいいんじゃね、ってことでしょうか。

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足摺岬という奇妙な名の由来についてはいくつかの説があるようですが、メジャーなものは空海に因んだものだそうです。

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この足摺の地にある四国八十八ヶ所霊場の第38番札所「金剛福寺」は弘法大師空海の建立であるとされますが、空海が唐より帰朝する際、五鈷杵(金剛杵)を投げて飛来したのがこの地であると伝えられます。

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それを探しに来た空海が、難路のために足を引きずって辿り着いたというのがその由来だそうで。
また、金峯上人が金剛福寺の住職であった頃、修行の邪魔に来る天魔を呪法で封じたところ、天魔たちは大いに嘆き悲しみ、地団駄を踏んだ(足摺りをした)ことから足摺の名が起こったとも。

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ともあれ、空海ゆかりの足摺七不思議という石などが当地に残されていますが、そもそも四国八十八ヶ所は弘法大師・空海が開いた場所ではなく、そのお弟子さんたちによるもののようで、伝説は伝説に過ぎないのでしょう。
が、当地は南方にある浄土へ渡るという「補陀洛信仰」の舞台となっており、和歌山の那智と並んで「補陀落渡海」の船の有名な出発地であったそうです。

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補陀落渡海とは、船に30日分の食物や水とともに行者が入った塞がれた箱を乗せ、そのまま沖に流すというものです。
即身成仏に似た、壮絶な行です。
田宮虎彦の小説「足摺岬」はこうした歴史を背景とした作品で、この小説をきっかけに、自殺が急増した時期があり「ちょっと待て、もう少し考えよ」という自殺防止用の看板が立てられたそうです。

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宗教というのは、時に気が狂っているとしか思えないことがあります。現世を全うせずじてあの世もこの世もなかろうに。

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ともあれ、これで僕は、一つの目標を達成しました。このような狂った世の中で、これだけ楽しい人生を送らせてもらえたことに感謝しかありません。
僕の家はこの日本であり、僕の庭は日本の全てだ、と豪語するためのスタートラインにやっと立てました。
ますます狂い走り始めた人の世界で、旅のスタイルは変えざるを得ないですが、それでもこれだけは言うことができます。
「人生はなんと素晴らしい」

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7件のコメント 追加

  1. Asif Balouch より:

    This is some awesome thinking. I love this! Wonderful ideas!💓

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  2. 私はまだまだ全都道府県制覇には程遠いです。最近出川さんがバイクの旅で訪れていたように記憶しています。四国と九州(除く沖縄)は行ったことあるのですが、東北地方が弱いです。

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      全都道府県制覇は成したものの、まだ足跡を付けたくらいの場所も多く、スタートラインにたっただけのことです。行きたいところが多過ぎて困ります😄
      鳥よりも自由さんはそれこそ世界を駆け回っておられるようで羨ましいです。東北はおすすめですよ♪

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  3. CoccoCan より:

    あの魚はトビウオですよね。
    ちょうど、高知県産のトビウオを開いて初の天日干しにしたところでした!
    このきれいな海が故郷だと思うと、美味しさひとしおです☆

    ここで育った子たちがうちの食卓を豊かにしてくれる。
    人生って素晴らしい♪

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      僕は土佐でかつおのたたきを頂きました。
      地元居酒屋でも食べられるものですので、さほど期待はしていませんでしたが、あまりの旨さにびっくり。土佐ものは別格でした!
      本当に日本は、どこに行っても美味しいもので溢れていますね♪

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  4. asamoyosi より:

    CHIRICO様 おはようございます。
    全国47都道府県踏破おめでとうございます。
    CHIRICO様の並外れた行動力には本当に感心してしまいます。
    これからも、気をつけて日本ならではの魅力を発信してくださいますように。
                                   asamoyosi

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    1. CHIRICO より:

      asamoyosi様、ありがとうございます。
      いつまで、どこまでいけるのか分からぬ世となりましたが、あとはもう楽しんで参ります。

      いいね: 1人

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