
静岡県浜松市の山中、堀谷という場所にアラハバキ神社が鎮座しています。

素朴な木の鳥居がある先に社がありますが、

道を挟んだ反対側にも素通りできないものがあります。

巨大な磐座。
よく見ると、手前にロープのしめ縄が張られていました。

龍の背鰭を思わせるような岩です。

対面の神社に向かいます。

おお~、こちらにもごっつい磐座がありました。

荒鎺山。
荒鎺と書いてアラハバキです。

この巨大な岩塊が山ということなのでしょう。

頂部は樹木を冠しています。
このような磐座は、熊野や脊振山中で見かけましたが、安定した巨岩にはおとずと植生するのでしょう。
その様は威風をさらに強調するかのようです。

しかし何故でしょうか、本来は神木に巻き付けられた藁蛇の荒神が、大彦によって東方に持ち込まれ、アラハバキ神となったと言います。
ところがこうして見てみると、巨岩や石を、アラハバキの神体として祀っているところが多いように感じます。

出雲では石に藁を巻き、荒神とする場所もありましたので、そちらが元となっているのか。
樹木は朽ちたりすることも多いですが、岩は長く残りますので、磐座型アラハバキが今に残り続けているということなのか。

とにかく大きな、アラハバキの神体岩を眺めていると、どこか有機的な、生き物のようにも見えてきます。

写真を撮りまくっていると、氏子さんらしき方が車でみえて、境内の清掃を始められました。
ご挨拶をして、少しお話をお伺いすると、ここはちょうど集落の境になるそうで、村を守ってもらう意味も含めて、祀られてきたのだそうです。

なるほど、確かに道の両端に鎮座する神の威容は、塞の神、岐の神を彷彿とさせるものです。

アラハバキの性質は、後から加えられたものでしょうが、古来より出雲文化を持つ人たちが、当地に定住していたことを、この二柱の神の存在は物語っています。

静岡、やっぱり良いところですね。また行きたくなってきました。
