「そういえば、宇佐に気になる磐座情報があるので、気が向いたら探索してみてください。」
そろそろ登山にも良い季節になりました。磐座女子さんからいただいた情報をもとに、「気になる磐座」とやらに出かけてみることにしました。
しかしまあ、入口が分からない。
やっとこさ見つけた登山口には、車を5,6台はゆっくり停めるスペースはあるのですが、草地になっており、ここで良いのか不安になります。
また、そこからの入口らしき道が2箇所あって、これも迷いました。
二つの入口は奥の方が正解です。
このような石の溝を見つけたら、
その先に鳥居が見えてくるはずです。
扁額には「金毘羅宮」と彫られています。
入口を間違ったとしても遭難するような山ではありませんが、まずはこの石鳥居を見つけましょう。
鳥居から先は、ゴツゴツとした岩が無数に転がっており、聖域の雰囲気が増してきます。
鳥居の先も、最初は道らしきものはありませんので、赤テープを頼りに登っていきます。
時には、横たわる大木の下をくぐり抜けることも。
少し登ると、道は階段や、くっきりとした登山道になっていきます。
ここまでくると、あとはもう迷う心配はありません。たぶん。
なんと、トイレまで整備されてあるのですが、その横に
縦に並べられた、3つほどの磐座群が鎮座しています。
おそらくは、これが「龍の尾」の磐座です。
そう、磐座女子さんが教えてくれたのは、宇佐神宮にほど近い「龍の磐座」だったのです。
そばには、宇佐家に常世織姫の墓だと伝わる貴船神社もあります。
龍の磐座が鎮座しているのは「USA」の山。
U ☆ S ☆ A!ウサ!
隣には、形の良い「両戒山」(りょうかいやま/348.95m)が聳えています。
なんと、このUASの山には、稜線に沿って岩が積み上げられており、それが龍の様相を呈しているのだというのです。知らんかったー。
ちなみにピンクのピンは、車の進入ポイント。これが分かり難いねん。
尻尾の磐座の正面からのアングル。
この先に岩が積み上げられているそうです。
たしかに、蛇のように細長く岩が連なっていますね、マジか。
これはすごい。気分を高揚させながら、登山道を進みます。
展望台がありました。
その先には、宇佐平野の景色が広がっていました。
展望台のすぐ先には、
「膳所様」と呼ばれる社がありました。
文化6年(1809年)に、周辺の11の村が建てたものだという話です。
道はしっかりしていますが、所々草が茂っています。
蜘蛛の巣トラップや、ヘビトラップを掻い潜り進みます。
夏場の登山は厳しいかもかも。
岩を横目に見ながら、
また少し登って行くと、再びお社が見えてきました。
これは「金毘羅様」になります。
そこは巨岩は無く、少し開けた場所になっていて、ビニシート広げておにぎりを頬張るのに良さそうです。
金毘羅様はちょっと道を外れますので、また元のルートに戻って山頂を目指します。
金毘羅様あたりで一度消えた龍の磐座群ですが、再びその巨体を地面から浮かび上がらせてきます。
岩も凄いが、そこに根を張る巨木もすごい。
命の神々しいエネルギーが降り注ぐ。
こうしてみると、これらの岩は確かに、人工的に積み上げられた感じがします。
山の尾根側には、これだけの巨岩が積み上げられており、
反対側にはほどんと石が見受けられません。
そしてこの岩の連なりが、どこまでも長く伸びているのです。
これはいつ頃、作られた磐座なのか。
おそらく古代になされたものでしょうが、どんな祭祀が営まれていたのか、想像力が追いつきません。
これが龍の磐座だとしたら、宇佐、もしくは豊族にも、龍蛇信仰があったということになります。
また、社が見えてきました。
どうやら山頂、「龍の頭」の磐座に着いたみたいです。
社は「竜王様」と呼ばれています。
聖地然とした磐座には、鈴や石灯籠らしきものまであります。
手前の巨岩の
これが「龍の顔」だといわれています。
周りの岩を見てみれば、
杯状穴が結構見受けられます。
背中のコブに、細長い四角の穴がありますが、これは何なのか?
龍頭の側面を歩いてみます。
おおー
すご。
ダンゴムシのような、有機的な重なりをしている磐座群。
大地の圧を感じます。
この磐座を見ていると、徳島の山崎忌部神社の龍の磐座を思い出します。
そこの磐座も、山の斜面に、無数の岩を積み上げて作られていましたが、どれほどの情熱をもってなされたのか、計り知れません。
龍の磐座が見据える先には、両戒山が見えていました。
そして龍の看板。
この山は「栗山」と呼ばれるようです。
何!アワ山!っと思ったら、粟ではなく栗でした。
ちょうどここはUSA看板の裏手になり、山頂一帯は公園のようになっていました。
栗山は僕が登ってきた方角とは反対側に、「USA看板下」という別の登山口があります。そこは分かりやすく、整備された駐車場もあります。
一般レジャー客はこちらから登ってくるのかもしれません。
そちらには、ちょっと足を忍ばせたくない雰囲気の、荒れ果てた吉水神社がありました。
栗山は、両戒山~津波戸山~華山~西叡山と連なる修験の場の入口にあたるのだという話です。
栗山の麓にも、貴船神社がありました。
雰囲気はあるのですが、すごく廃れています。
貴船社は玉依姫=越智の常世織姫に由来する神社なのではないか、というのが僕の見解です。
さて、宇佐といえば、実は美味しい龍料理の店が連なる一角があります。
肝の刺身というのは初耳でしたので、注文してみました。生かと思いきや、湯通ししてありました。
龍の身には毒があるそうで、加熱すると毒は消えるのだと聞いたことがあります。
まあ、専門の資格を持ったご主人の店で、生の刺身をいただいたこともありますが。
そして、おお、キタキタ。
皮はパリパリ、身はふっくら。龍はやっぱり香ばしい蒲焼が絶品です。