“静之窟の藻塩”と”高江洲製塩所”

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このキラキラの結晶は、モモちゃんからもらった藻塩。
それはまるで宝石のように、海の命が結晶化したものでした。

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先の”きなこ餅”の記事でモモちゃんちの藻塩を紹介したところ、いくつかのレスポンスがありましたので、二つの過去記事から改めてリブログさせていただきました。

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僕が塩爺さんとお会いしたのは、『人麿古事記と安万侶書紀』御礼旅の時でした。

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モモちゃんのご師匠「塩爺」さんとは、島根県大田市、大国主・事代主ゆかりの静之窟の海岸で、昔ながらの塩作りをされている「かたらお」さんです。

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この塩作りはいわゆる藻塩作りを可能な限り再現したもので、とても利益の出るものではないそうです。
しかし、塩作りを通じて物作りや日本文化の大切さ、生きていくための指針のようなものを今の若者に伝えたい、そんな思いで、塩爺師匠と愛弟子モモちゃんは藻塩作りを続けてあります。

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海水には3%の塩分が含まれますが、古代人は浜に打ち上がった乾いた藻に白い塩の結晶がついているのを見て、これを得る方法を考えました。
甕に海水を満たし、それに海から採ってきた藻を浸けます。藻を取り出し天日で乾かすと再びそれを甕に戻す。
これを繰り返すと甕には水分が飛び、濃縮された海水が残ることになります。
最後に藻ごと甕の海水を煮炊くと塩が得られます。これが「藻塩」。

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かたらおさんの藻塩作りは前半の行程を二つの釜を用いて行います。
二つ目の甕にはうっすら塩の結晶が水面にできており、それをぺろり舐めさせていただきましたが、初恋のような、まろやかなしょっぱい味がしました。

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こうして作られた塩は、その塩分自体は36%になるそうです。つまり残りの64%は大自然の海の恵みの成分、ミネラルなどが含まれるということ。
これに対し、スーパーなどで売っている精製塩の塩分は97%になります。
減塩などと謳っても塩分濃度は60~70%ほどはあるでしょうから、そうした塩を取れば健康を損ないかねません。
ところが塩爺が作るような天然塩の場合は、摂れば摂るほど健康になるということになります。
命の育みに塩は欠かせないもの。世に謳われる減塩信仰は精製塩を基準としたものであり、古来の方法で正しく作られた塩は、むしろ摂った方が良いのです。

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もう一軒、塩作りを見させていただいたのが、沖縄県うるま市浜比嘉島(はまひがしま)の「高江洲製塩所」さんです。
沖縄の女神アマミキヨの墓だというアマミチュー・シルミチューを訪ねた時に、地元の方から教えていただいた製塩所です。

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こちらでは「流下式塩田」という、伝統的な方法で製塩を行っています。

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汲み上げた海水を循環させて、竹枝を伝う海水を空気に晒すことで水分を飛ばし、濃度を濃くしていきます。
最終的にそれを炊き上げて、製塩するという工程。
これは藻塩の製塩にそっくりです。
良い塩とは、月の引力を受けたきれいな海水と恵みの太陽、そして乾いた風によって作られるのです。

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この高江洲製塩所ではさらに、訪れたひとだけが堪能することができる、美ら海のプライベートビーチがあります。

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さいっっこうに美しい海。
この先にニライカナイがあるというのもうなづけます。

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常世の巫女でなくとも、身を浸したくなりますね。

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神饌として日本人は、米と塩と水(酒)を神に捧げてきました。
それらは僕らが生きていく上で必要不可欠な要素であり、故に古来よりこれをもって神に感謝申し上げてきたのです。

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令和の米問題は、明らかに人の作為による愚行ですが、米の大切さ、尊さを再認識する良い機会でした。
塩と水もまた僕らにとって大切なものであり、守ってゆかねばならない神からの贈り物なのです。

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海水から伝統的な方法で作られる塩は各地に各種ありますので、お気に入りの塩を見つけると良いと思います。
高江洲製塩所の「沖縄・浜比嘉塩」は、検索すると各種ショップから購入できます。
僕が高江洲製塩所を訪ねた時に買った満月・新月の海水で製塩した塩は「月塩~okinawa~」さんのサイトから購入できます。
塩爺の「静之窟の藻塩」は、基本的に一般販売はされていないようですが、モモちゃんのブログをフォローしてみてください。
暑くなってきましたので、良い塩を摂りましょう。

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6件のコメント 追加

  1. Hazel のアバター Hazel より:

    What a beautiful beach!

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    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      Yes,thank you ♪

      いいね

  2. Tomi Kaneko のアバター Tomi Kaneko より:

    ももさん、塩爺の藻塩。
    全てのこの地と海の想いまで内包していると感じています。
    我が先祖の住んだ地から静之窟までたった数キロ、思い出すと10年以上前、当時藻塩炊き体験会が毎年行われていて、第6回だったか7回だったか友人が行っています。とある方のインスタを先ほど見つけてみたら、塩爺が「最後の藻塩炊き体験会」を開催されたそうです。このタイミングで知るとは…
    高江洲製塩所には2019年に参りました。
    あぁ、潮塩・酒・米 恵みを三位一体に受けることの大切さ✨️

    いいね: 1人

    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      なんと、塩爺さんは塩爺を引退されてしまったのですか😲
      ご年齢や薪の調達など、課題が多いとはお聞きしておりましたが。
      有志の方々に続けていってほしいと思いますが、もともと採算が取れるわけでもなく、塩爺あっての塩釜でもあるでしょうから、無理は言えませんね😌

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      1. Tomi Kaneko のアバター Tomi Kaneko より:

        2015年から行っていなかった体験会を10年ぶりに開き「最後に」と仰られたそうで、何名か集めての会はやらなくても有志とは続けられるような書き方かなと…

        いいね: 1人

        1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

          なるほど、体験会は、ということですね。
          まだまだお元気そうで良かった😊

          いいね: 1人

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