大野亀と二ツ亀と佐渡の龍宮

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黄金の国ジパングの海に浮かぶ黄金の島”SADO”✨

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その特徴的な形は、カタカナの「エ」やアルファベットの「S」、雷マーク「⚡」またはタイファイター [-◉-] に例えられます。

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地形は3つに大別でき、北を大佐渡(おおさど)、南を小佐渡(こさど)と呼び、この2つの間の穀倉地帯を国中平野(くになかへいや)と呼んでいます。

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南の小佐渡山地に比べ、北の大佐渡山地の方が標高が高く標高1000m級の山々が連なる大佐渡山地があり、佐渡最高峰の金北山を擁します。
大佐渡山地の北側は山が海岸のすぐそばまで迫り、「外海府海岸」と呼ばれる一帯は外洋の影響で荒々しい海岸線が約50kmにわたって続きます。

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佐渡島はもともと本州と地続きでした。

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そこへ、地殻変動や火山活動による地形の変化が起き、

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約1,600万年前頃に本州から離れました。

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そして約200万年前頃に海底地盤の圧縮運動エネルギーにより地面が隆起し、二つの大きな島になります。

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やがて二つの島の間が堆積され、国中平野によって一つの島へとなりました。

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佐渡島は今も地震など地殻変動により、隆起し続けているといいます。

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佐渡汽船の船が到着する両津港から、佐渡の北端を目指す県道45号線の途中に、何気ない石碑が立っています。

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そこに彫られている文字には「八大龍宮」とあります。

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佐渡の海にも、かの都があるのでしょうか。

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またしばらく走っていると、龍宮のような古風な神社を見つけました。

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ここは「椿神社」というそうですが、伊勢の猿田彦神社の流れをくむ神社で、サルタ彦を祀っているそうです。

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しかし僕は、伊勢の猿田彦神社ではなく、鈴鹿の椿大神社の流れであろうと推察します。
中にはカヤの木に刻まれた御神体が安置されているそうで、古くからの社人・山本勘右エ門家には「津坡岐(つばき)大明神」の幟があり、同家では椿油を今でも使わないでいるのだそうです。

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当地、黒姫は風の強いところで、航海する船が帆を下ろしたところから、椿神社は「帆下げ神社」とも呼ばれるそうです。
黒姫の庄屋・山本勘右エ門家には、田植えが暴風雨に見舞われたとき、鬼が田植えをして助けてくれたという言い伝えがあり、以後、鬼に感謝して豆まきでは「鬼も内 福も内」と唱えるようになったそうです。

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椿(サルタ彦)を大切にする山本勘右エ門家とそれを助けた鬼の話。
鬼とはサンカのことなのかもしれません。

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佐渡島の北端にやって来ました。

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場所はこの辺です。

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駐車場からおっさんがてくてく歩いていくと、

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「二ツ亀」と呼ばれる景勝地が見えて来ました。

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オゥ、ワンダフル♪
二ツ亀は二匹の亀が浮かんでいるように見えることから名付けられましたが、満潮時には島、干潮時には陸繋島となる姿が美しく、『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で二つ星として掲載されました。

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海も曇っていてもなお美しく、驚くべき透明度です。

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島の手前には壮大な標識版がありますが、気になったのは粟島。
63kmとはそう離れておらず、新潟にも粟島があったのか、と改めて思いました。

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調べてみると、なるほど、佐渡島と本土の間、越の海にポツンと粟島が浮かんでいます。
粟島とは事代主の隠られた粟島であり、淡島、阿波島であろうと思います。つまり常世に通じている場所を指しているのではないか、というのが僕の見解です。
しかもその先の本土には、由良海岸があるのです。

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佐渡から亀の背に乗って海を渡れば、常世の国へと辿り着く経路が見えて来ます。

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二ツ亀から南西に2.4kmのところに、もうひとつの『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』二つ星スポットの「大野亀」があります。

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沿岸部を歩いていくと、途中に賽の河原などの観光スポットもありますが、僕は車で移動しました。

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駐車場に車を停めて歩いていくと、広大な景色が広がります。

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あのミラミッドのような岬が大野亀。

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散策路にはなぜか諏訪大明神の幟が立てかけられた鳥居がありました。

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ここでいう「亀」とは「神」のことで、アイヌ語でいう「カムイ」に通じる神聖な島をそう呼ぶのだと、案内板にありました。

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雨が降り出したので登りませんでしたが、山頂には善宝寺石塔があり、龍神として信仰されていたとのこと。
亀と龍神と諏訪明神、この不思議な取り合わせも、最近の考察では面白い繋がりを感じています。

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当地は初夏の5月下旬から6月上旬にかけて、黄橙色の「トビシマカンゾウ」の花が咲き乱れることで有名ですが、僕が訪れた6月下旬では、かろうじて花が残るばかりでした。
多くの花が散る中で、僕の訪れを待ってくれていたのかと思うと、愛しさが湧き立ちます。

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大野亀頂上までは行きませんでしたが、散策路の景色もなかなか良かったです。

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無心になれる、望洋とした景色。

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背後は二ツ亀に続く道が見えていましたが、なるほど、

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こうしてみると、二ツ亀は二つの亀なのだということが、ここに来て分かりました。

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大野亀は、ぐるりと回ってみると、またそのジオな姿に驚きます。

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亀というより、本土から突き出た亀の頭のようです。

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顔は象っぽい。サルタかな?

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大野亀は約 2,000 万年前に誕生した、海面から167mも隆起した巨大なドレライト(粗粒玄武岩)だとのことです。

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二ツ亀も同様ですが、地下に形成されたマグマのポケットが冷えて、地殻変動によって徐々に地表に押し上げられできたもので、その後、火成岩の浸食によって徐々に露出し、古代より信仰の対象となってきました。

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ガイアの脈動によって生まれた島・佐渡の島。
そこに眠る三匹の大亀は、いったいどんな夢を見ているのか。

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龍宮とはすなわち変若水に満たされた常世であると、僕は思うのです。

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6件のコメント 追加

  1. 不明 のアバター mstk より:

    たまたま今夜は実家泊につき聞いてみたところ由来はよく分からない様でした。

    海の安全を祈願するためのものではないかと言ってました。

    半農半漁の営みが続いてきた地域です。

    ネットで「八大龍宮神」で検索すると、他県でしたが漁業に関する記事が見つかりました。

    あとカンゾウは、平戸の志々伎山の山頂もお勧めスポットです。

    蝶が舞う絶景が待ってます。

    いいね: 2人

    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      なるほど、他県でも似たようなものがあるのですね。

      志々伎山は一度行ってみようと思っていました。
      嬉しい情報です😊

      いいね: 1人

      1. 不明 のアバター mstk より:

        本日7月10日。奇遇にもちょうど3年前の7月10日に登ったみたいです。山頂は立ちすくみします。風が強い日は控えられることをお勧めします。お気をつけて楽しんでください。

        いいね: 1人

    2. Tomi Kaneko のアバター Tomi Kaneko より:

      はじめまして。横から失礼いたします🙇‍♂️ 個人的に八大龍王とは縁深く、全国各地で参らせていただいております。山あいの湖では山の神と湖を司る融合点として、海岸沿いの地域では海とともに生活する方々の信仰の拠り所となっているのがよくわかります。 文献では山の神系と称されますが太平洋側中心に神奈川~沖縄にまで各地で、やはり漁業や海運と密接があります☺️ 4日前に伊豆半島でお参りしました✨️

      いいね: 1人

  2. 不明 のアバター mstk より:

    母の実家の隣りの家の写真を見つけて鳥肌が立ちました。

    八大龍王宮の石碑。今度聞いてみようと思います。

    いいね: 2人

    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      おおっ!ありがとうございます!
      青面金剛と八大龍王のコンビというのも珍しいと思いましたが、八大龍王ではなく八大龍宮と彫られているのがとても気になりました。
      何か謂れがあるようでしたら、ぜひ教えていただきたいです♪

      いいね: 1人

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