
今日、ちょうど仕事の合間に一息入れていると、島根石見地方の江津市から、思いがけない電話が届きました。
電話の主は、木彫・石見根付の高名な彫刻師「田中 俊睎」(たなかとしき)さんです。

2021年春のこと、僕は富先生から『人麿古事記と安万侶書紀』を書くようにご指示いただき、その執筆のための取材旅行をしていました。
拙書の主人公「柿本人麿」(かきもとのひとまろ)は、この江津に左遷されていた時期があり、流罪が確定して刑地へ赴く旅の途上で、江津市の中心に聳える「高角山」(たかつのやま)で、現地妻との別れを惜んだということです。

その高角山に、柿本人麿の銅像があるというので僕は訪ねて来たのですが、その場所がなかなか分からなくて、たまたまそこにいた方に場所を尋ねたのでした。
そのお人がなんと、柿本人麿像の作者である田中俊睎さんだった、というわけです。

田中俊睎さんは人麿像とその妻「依羅姫」(よさみひめ)の制作エピソードをお話くださり、さらにご自宅にまで招待してたくさんの石見根付の作品まで見せてくださいました。
それはそれは素晴らしいもので、手に取らせていただいて、しっかり堪能させていただいたのです。



田中俊睎さんのお電話の内容は、先日1月27日に放映された「開運!なんでも鑑定団」に関するものでした。

その中で「石見根付」3点の鑑定依頼が出されるのですが、それが石見根付の創始者「清水巌」(しみずいわお)氏のものだというのです。

正確には清水巌氏とその娘・文章女氏の作だとのこと。

TVでの放映はすでに終わっておりましたが、「今ならまだネットで観れるから」と田中俊睎さんは伝えてくださいました。
で、検索してみると、多分このページ。
https://tver.jp/episodes/epchxkz3id
2月3日(火)21:54 終了予定とのことなので、今のうちに、ぜひ皆さんにも観てほしい。

ネタバレになっちゃうけど、本人評価額はなんと1000万円!

果たして、鑑定やいかに⁈

ジャカジャン!500万エ~ン!!!

素晴らしい!
本人評価額は、まああれですが、これぞ石見の、江津の宝!!

印籠(いんろう)やたばこ入れなどのひもの先につける小さな留め具だった根付を、石見の限られた材料で作り上げ、高い技能で芸術品にまで高めた清水巌。
しかし明治以降、和服を着る人が少なくなると根付を使用する機会は減り、石見根付もいったん途絶えてしまいました。
それを平成に入って復活させたのが、島根県江津市の彫刻家・田中俊睎さんです。
https://www.sanin-tanken.jp/backup/sp/tankenki/vol-135/index.html
https://japan-traditional-crafts.com/wear-have/japanese_ornament/

今回教えていただいた「開運!なんでも鑑定団」の動画は、ダウンロードできるのなら保存版にしたいくらいのものでしたが、何よりこれを教えるために、電話をかけてくださった田中俊睎さんに、僕は言葉に表せない感謝と感動を覚えました。

2021年春に偶然お会いして、翌年に出来上がった『人麿古事記と安万侶書紀』の本をお届けさせていただきました。
その2回お会いしただけでしたが、私のことを覚えていていただき、こうしてお電話をくださったことが、何よりも嬉しかったのです。
「また家に寄ってください」
電話の終わりにそう告げられたお声は、5年前にお会いした時とお変わりなく、今年で御歳84になられるという俊睎さんと奥様に、僕はまたお会いしたくなったのです。

■高角山:語家~katariga~ 19
■出会い
■邇幣姫神社と御礼旅:語家~katariga~ 番外
■第四の依羅姫:語家~katariga~ 番外
昨夜ゆっくり番組を拝見し、石見根付の丁寧で緻密かつ美しさのバランスに惹かれました☺️
素敵な人と人とのご縁、嬉しいですね✨️
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実際に手に取ると、中が空洞の猪の牙に、繊細な彫刻がされているのが凄いです。
富先生ご夫妻と、どこか印象が重なります😌
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