石鎚神社 口之宮 本社:常世ニ降ル花 越智弦月篇 12

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愛媛県西条市に鎮座する「石鎚神社」(いしづちじんじゃ)は、西日本最高峰である「石鎚山」を神体山とする神社で、山麓に鎮座する本社(口之宮)、山腹の成就社(中宮)と土小屋遙拝殿、山頂の頂上社の4社で構成されます。

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僕はいきなり、山頂に行っちゃったんで、山麓の口之宮はもういいかな、と思っていましたが、とりあえず足を伸ばすことにしました。

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平成18年(2006年)4月4日竣工した神門には、

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修験の聖地らしく、大天狗と小天狗の木像がいらっしゃいます。

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口之宮の境内は、思いのほか広い。

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参道をてくてく歩いて行くと、

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まあ、あるよね、階段。

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石鎚山は古くから日本七霊山の一つとして数えられています。
日本七霊山とは、一般的に、日本三霊山とされる、「富士山」「立山」「白山」に、「大峰山」「釈迦ヶ岳」「大山」「石鎚山」を加えたものだそうです。

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異説に、白山を除外して「御嶽山」を加えるという説や、釈迦ヶ岳を除外して「月山」を加えるという説もあるそうですが、「日本七霊山」という表現は主に石鎚山を指すときに使われる表現だということです。

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一旦、広々とした場所に出ました。
ここには、宿泊も可能な石鎚神社会館やご神水コーヒーが飲めるカフェなどがあります。

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さて、登ります。

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石鎚山の伝説では、紀元前63年のこと、崇神天皇第35年に石鎚の峯に神を勧請す(長寛勘文)とあるようです。
また、685年に役小角が開山、引き続き、寂仙法師が開山したと伝えられます。

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その他、空海始め、多くの高僧たちが修行をしたと伝えられ、以来、石鈇山蔵王権現と称され、神仏習合・修験の道場として繁栄してきました。

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「三倍神社」、祭神はシャア・アズナブルです。

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石鎚山の別当寺「前神寺」は、明治の神仏分離令でその機能を失い、江戸時代に参詣者に便宜を図った里前神寺が、石鎚神社の口之宮本社となりました。

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江戸時代には仏殿が並び、寛文10年(1670年)、西条藩の初代藩主となった松平頼純(まつだいらよりずみ)は、東照宮を創建したそうですが、これらも明治の神仏分離、廃仏毀釈、修験道の禁止で廃絶し、僧は神官に転じて、石鎚山を神体とする信仰へと変わっていきました。

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個人的には、神仏習合は、後から入ってきた仏教が、従来からある神道を利用しようとする意図が垣間見えて、あまり好ましく思えないところがあります。
日本古来のアニミズムに自然と習合してくのは良いと思いますが。

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仏教は仏教で素晴らしい世界観であると思いますので、本地垂迹(ほんじすいじゃく)などに頼らずとも良いのではないかというのが、僕の考えです。

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手水の手前に階段がありますが、ここは通り過ぎて奥まで歩きます。

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すると大きな石垣が見えてきます。

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ここは祓戸大神の坐す禊場。

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神前に穢れを持ち込まないように、参拝して身を清めましょう。

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口から液体を流す龍さんと、

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おじいちゃん。小角さんですな。

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さて、登るよー。

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ひ~っ。
この石段の真ん中の手すり、鎖になっていますが、どこか見覚えが。
そう、これはかつて、石鎚山の登山途上にある鎖場で使われていた鉄鎖です。六根清浄ー!

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そうして登ったところには、「祖霊殿」が鎮座していました。

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祖霊殿には、石鎚山開山の祖として役行者(えんのぎょうじゃ)他、前神寺時代を含む歴代の神社職員らの御霊が祀られています。

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元の前神寺のときは、ここは石鈇山社で石鈇山大権現を祀っていたということです。

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多くの神社に祖霊社はありますが、確かにここの祖霊殿は深い趣を感じます。

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これは石鎚山の旧登山口。
ここから登ろうなんていうのは、天狗くらいのものでしょう。

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祖霊殿の横には、御神水がありました。
石鎚山の水が沸いているのでしょうか。

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綜合摂社は、秋葉神社で「火之加具土神」、大山祇神社で「大山祇神」、伊雑社で「皇大神」、荒神社で「天照大御神荒魂」、河内八幡神社で「誉田別命」、開拓社で「三右ヱ門命」を祀ります。伊雑社に天照大神を祀っているのは、何気にセンセーショナルです。

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もうひと六根清浄すると、

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雅な本社にたどり着きます。

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本殿に祀られる神は「石鎚大神」。
祈願の作法は二拝→二拍手→心中祈願→二拍手→二拝と、ちょっと変わっています。

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石鎚大神とは古事記で「石土毘古」と記され、石と土の神とされます。
イザナギ・イザナミの第二子で、天照皇大神の兄に当たるとされます。

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古代において、神聖とされる石には翡翠やメノウなど、いくつかありますが、今僕の興味を駆り立てているのは黒曜石です。
天然ガラスとも呼ばれる黒曜石は、出雲族が鉄を生み出すより前に生活必需品として重宝された石だったのではないでしょうか。

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つまり石土の神の山で採取した黒曜石を加茂川で下流に運び、伊曾乃の中洲(石巣)を拠点に交易を行った古代氏族が当地にいたということなのではないでしょうか。

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古事記の国産み神話は、淡路島に始まり、四国、隠岐島、九州、壱岐、対馬、佐渡島、本州と続き、さらに児島半島、小豆島、周防大島、姫島、五島列島、男女群島と産むわけですが、これは古い古いとある一族が、黒曜石を求めて勢力を広げた痕跡を神話化したものではないかと、僕は少し考え始めているところです。

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ところで、この厳島社の池にいる鯉に恋のごはんをあげると、

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鯉の恋ダンスが見れられるかもしれないのだそうですが、

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うむ。

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そうはならんやろ。

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なら…

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んにゃ…

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おっ、

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おお~っ!

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そしてそこはかとなく、ハートにもなった

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ような気がしたのでした。

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17件のコメント 追加

  1. 不明 のアバター 8まん より:

    見せてもらおうか。新しいMSの性能とやらを。・・・シャア・アズナブルのようなアニメの世界から神が発生するとは。行かねばならぬ神社が、ここにもw

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    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      キャスバル兄さんのマスクがご神体として納められていると、セイラタソが言ってました。

      いいね

  2. mame58 のアバター mame58 より:

    すごい、すごい😍
    恋のダンス!
    写真の撮り方がお上手ですぅ💕
    しかし、長い道のりですねぇ、、、

    いいね: 1人

    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      すごいですよね、鯉さんたち♪
      写真、いつも褒めていただき、嬉しいです😊

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    2. 不明 のアバター 8まん より:

      では・・・シャア少佐シャア少佐シャア少佐。Let’s Try!

      いいね: 1人

  3. Nekonekoneko のアバター Nekonekoneko より:

    🐥そもそも神道国家である日本に仏教が入り込むのはとても困難だったのではないか。仏教が最初に日本に伝わった時期、物部氏が”伝染病が流行るのは蘇我氏が仏教なんかを日本に興隆したせいだ”という難癖をつけて寺院に攻め込んで焼き払って仏像を海に捨てて、さらに尼僧を奪おうとまでした。そもそも当時、仏教というものは、こういう前提の紹介で日本に伝えられたのだ。
    “この法は諸の法の中に最も殊勝たり。解り難く入り難し。周公・孔子も尚知りたまふこと能わず。この法はよく量もなく、辺もなき福徳果報を生じ、乃至ち無上れたる菩提を成弁す。” 仏教がただの余所者だった試しは無く、聖徳太子は仏教を元にして冠位十二階や十七条憲法を制定した。当時の徳治政治の原型を作ったのです。十七条憲法の第十条には、”我必ずしも聖にあらず。彼必ずしも愚にあらず。共にこれ凡夫なり。”と書かれている🐣

    いいね: 2人

    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      僕は仏教伝来の経緯や騒動は学んで知っていますし、仏教が我が国にもたらした功績も知っています。
      もちろん、仏教自体を否定しているわけでもなく、お寺もたくさん参拝しますし、宿坊にもありがたく泊まらせていただきます。瞑想も好きですし、禅も好きですし、侘び寂びも好きですし、イケ坊さんも好きです。

      しかし、
      「本地垂迹(ほんじすいじゃく)とは、仏教が興隆した時代に発生した神仏習合思想の一つで、神道の八百万の神々は、実は様々な仏(菩薩や天部なども含む)が化身として日本の地に現れた権現(ごんげん)であるとする考えである。」
      これが大嫌いです。というか、違和感を感じます。
      「仏教が興隆」したら、「八百万の神々は、実は様々な仏が化身したものだった」なんて発想を思いつくあたりは、いやらしさを感じます。
      後からやって来て、日本古来の神々を見下した神仏習合なんて、大嫌いなんですよ。
      人の前に現れるのに、仏は仏のまま現れたらいいじゃないですか。なんか神道の信者まで取り込んでやろうという仏教のいやらしい一面が垣間見えて、仏教そのものの純粋さや価値さえも下げてしまう、その発想が嫌いなんですよ。虫唾が走ると表現してもいい。
      中国やインドでは、神のふりしたりしないでしょ、仏は。本地垂迹は神ならず、仏も侮辱している。宗教化による人の欲が生み出した、愚劣な発想です。

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      1. Nekonekoneko のアバター Nekonekoneko より:

        🐥仏教の仏というものは、神道でいう神々というものを包含する一種の概念なのです。神道の神の何々に相当する概念としての仏とはこんな菩薩で、といった具合で🐣

        いいね

        1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

          仏と、日本古来の神は、派生の源が違います。包含する、なんてのは、宗教化しようとする人の傲慢ですよ。

          いいね

          1. Nekonekoneko のアバター Nekonekoneko より:

            🐥概念の意味、分かってますか?仏教というものは、本来、偶像崇拝では無いのです。

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          2. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

            そういう話ではないですよ。
            ただ、そういいながら、偶像のない寺なんて見た事ないけどね。

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          3. Nekonekoneko のアバター Nekonekoneko より:

            🐥違います。仏像とは仏教的な概念を体現したただの芸術品オブジェみたいなものなのです。仏教徒が拝んでいるのは仏像では無く、それに象徴されたものの神聖な概念に対して拝んでいるのです🐣仏教とは何かを崇拝する宗教では無く、経典を学び理解し体得する宗教なのです🐥

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          4. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

            それはまた、無茶苦茶な言い分ですね。矛盾してますよ。

            偶像(ぐうぞう)とは、

            木・石・土・金属(などの具体的なモノ)で作った像[1]。
            神や仏などの存在をかたどって造られた像で、かつ崇拝の対象となっているようなもののこと[1]

            と、Wikiさんも言ってますよ。

            偶像崇拝を否定して、概念を説きたいなら、仏像ではない別の方法を取るべき。偶像があった方が信者を増やしやすいから、それを作って詭弁しているようにしか受け取れません。

            ちなみに僕は、仏像も大好きですよ。彫り師の情熱を感じます。
            仏教自体は好きなんですよ。神は放っとけって話です。

            いいね

          5. Nekonekoneko のアバター Nekonekoneko より:

            🐥神や仏などの存在をかたどって造られた像を崇拝している訳では無いと言ったでしょうが。崇拝しているのは仏教の神聖な概念です。仏像はただのきっかけに過ぎません。なんであなたは目に見えるモノしか信じないのか🐤

            いいね: 1人

          6. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

            😀目に見えないものは、一応疑うことにしています。

            仏像をきっかけにしているわけでしょ。
            仏像は明らかに、仏を象っているでしょう。言い換えるなら、仏の概念を擬人化して象っているわけでしょう、人寄せのために。
            僕はお寺好きなんですよ。仏像も好きなわけ。あんまりイヂワルなこと、言わせないで欲しい😅

            いいね

          7. Nekonekoneko のアバター Nekonekoneko より:

            🐥イジワル?天然ボケの類似語ですか?結局、仏教芸術というものは象徴的意味合いの範疇から決してはみ出る事の無い優れた美術品です。仏像に劣情を寄せる珍妙なあなた🐣魅力的です…🌼

            いいね: 1人

          8. Nekonekoneko のアバター Nekonekoneko より:

            🐥ど天然ですかい。

            いいね

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