
松江市八雲町平原に鎮座の「宇留布神社」(うるふじんじゃ)を訪ねました。

『出雲国風土記』に記載の「宇流社」、式内社の「宇留布神社」に比定される社で、宇留布山(室山)の中腹にあった三島神社を、明治期に宇留布神社と改称し、国原神社の社地に遷し合祀したとのことです。

「どや、わいウルフっぽいやろ」

宇留布山は神の籠る山で、室山と呼ばれ、次のような話が伝えられます。

「その昔、この地に容姿端麗で笛の上手な媛がいた。
そこへ毎夜、男が通い、媛は妊娠してしまった。
父母は怪しんで、娘にその男の素性を尋ねるが分からないというので、男の着物に麻糸を通した針を刺しておくようにと言いつけた。
夜になって男が訪ねてくると、媛は父母に教えられた通りに着物に針を刺しておいた。
翌朝、その糸をたどってみると、糸は折原の地にまで続いており、そこではじめて、男が蛇男であることを知った。
以来、部落を流れる平原川では鰻を、神の使いであるから捕ってはならないと伝えている」

「そこのおぬし、神の御使いをたらふく食っておるな」

たらふくは食っておりませんが、少々たしなんでおります。
この話はいわゆる蛇婿入(へびむこいり)の苧環型(おだまきがた)、または「緒環伝説」(おだまきでんせつ)と呼ばれる伝承で、有名なものは奈良の三輪山に伝えられています。
また、祖母山の大分側の麓にある「穴森神社」にも「おそろしきものの末なりけり」の話として伝わります。

当社祭神は「大山祇之命」(おおやまつみのみこと)と「木花咲耶姫之命」(このはなさくやひめのみこと)で、
「素盞鳴命」「稲田姫」「天照大神」「伊邪那美命」「稲背脛命」「菅原道真」を配祀します。

宇留布神社は三島家の奉斎であったとのことですが、大山祇が蛇神であったと伝える伝承は珍しいと思います。
また室山の旧社地の前に「室の池」と呼ばれる小池があり、汲んだ水は美酒であったとか、木花咲耶姫がその水で酒を造ったと伝えられています。
これが三輪家であるというのなら、さもありなんというところですが、三島というのが面白い。

当鎮座地も、神魂神社と熊野大社の中間の位置にあり、三島家と富家の繋がりの深さが窺えます。
主祭神に大物主ではなく大山祇を持ってきている点でも、やはり三島なのでしょうが、この場合の大山祇は、クナト王ではない方の大山祇ではないかと想像します。
もう一柱の祭神も、木花咲耶姫ではなく姉の方ではなかったか。

蛇と酒は何も、大神神社 太田・三輪家の専売特許というわけではないのでしょう。

不老長寿に絡む白蛇と神酒、変若水の巫女・磐長媛の父親(先祖)は、越智の王ではなかっただろうか、と思い始めています。


偶然!
蛇婿入(へびむこいり)の苧環型(おだまきがた)のお話読んだばかりです。そのお話は、田んぼが渇ききって困っていたお百姓さんに蛇が娘を嫁にくれるなら水を入れてやると約束をし、田んぼに水が入ったので、三女だったかお父さんが助けてもらったんだからと、瓢箪をたくさん用意してもらって嫁に行き、瓢箪を使ってる蛇を殺したというお話でした。
蛇は、神様だったのですね💦💦💦
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殺しちゃう話は珍しいかも。
というか、怖み😳
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