A氏とT氏と五条な桐彦旅:常世ニ降ル花 天之高原篇 -01

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2025年3月3日、4日。
この日、A氏とT氏と僕のおっさ、大人な3人は、なぜか五ヶ瀬と椎原村を旅することになったのです。

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僕はスピリチュアルな話は苦手なのですが、今回の話は、ちょっと不思議な出会いから始まります。
それは偶然、と呼ぶには奇跡的すぎて、天の上の導き、雲の上のはかりごとがあったのではないか、とさえ思えます。

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今年(2025年)2月6日のこと、『偲フ花』に、ある男性・Aさんからコメントがありました。
「古代史に深く関心があり、云々…五ヶ瀬の情報を知りたくて偲フ花に辿り着きました」といった内容で、それはよくある普通のコメントでした。
2~3やり取りをした後のAさんのメールには、

「どうでも良いことですが、今回は石川県金沢市からシイタケ栽培の研修で椎葉村に来ています…今日で椎葉村3日目で3月中旬まで滞在予定です」

との言葉が添えられていました。

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…へえ、椎原村か。

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僕は平成26年(2014年)5月、つまり約11年前に椎原村を訪れていたのですが、そのときは五家荘が主たる目的で、椎葉村ではろくに写真も撮っておらず、改めてもう一度行きたいと思ってはいました。
しかし椎原村といえば、King of 秘境、延々と山道を越えていかなければなりません。
とりあえず僕は、こんな返事をしました。

「私の師匠である富先生が以前、平家の落武者伝説はその多くが出雲散家のことなんだ、と話してくださいました。
時代の流れで、富家のものだ!と言うよりも、平家のものだ!と言った方が箔がつくのだと。
そんなことで、一度訪ねたことのある椎葉村ですが、改めて出雲視線で訪ねてみたいと常々思っています。
鶴富姫なんて、いかにも出雲的ですよね😊」

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すると今度はAさんが、この話に腑に落ちるところがあったようで

「まさに目から鱗です。
富家伝承はこの国の来し方を照らす光。
今後も 『偲フ花』を指南書に、古代との共振を愉しんでいければと思っています。

…そして今、 鶴富姫の屋敷に長期滞在しています」

と長めのメールを返してくださいました。

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…なにっ!鶴富屋敷って泊まれるの?

椎葉村の伝説といえば、平家追討の命を受けた那須与一の弟・宗久と平清盛の末裔・鶴富姫の恋物語。
その平家伝説の舞台である鶴富屋敷は文化財なので、まさか泊まれるなんて思いもしませんでした。
そこで僕は、

「3月の3日・4日は休みなので、鶴富屋敷に、私も1泊しようかと考えております。
日中はお忙しいでしょうが、夜に食事でもご一緒いたしませんか?
日中もお時間が合うようでしたら、椎原村をご一緒に散策できれば幸いです。
五ヶ瀬の方に足を伸ばしても構いません」

と2月12日に、Aさんへラブコールを送ったのです。

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Aさんからの返事はすぐにありましたが、

「即答すべき流れですが、少しだけお時間を頂くことは可能でしょうか?
空の上からの指示に、せっかくなら満点回答で微笑みたい」

ということで、待つこと数日。
おそらく必死で調整をされたのでしょう。
2月16日に

「3月3、4日、休暇をいただきました。両日とも頭からしっぽまで同行させていただければと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします」

との返事をいただき、僕とAさんの、2日間の道中が決まったのでした。

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で、2月24日、今度は我らが媛さんからこんなメッセージが届きます。

「こんばんは!武富先生からです。
2月28日に博多に一泊し、次の日に、熊本、五ケ瀬、高千穂、佐賀と1週間取材に行くそうです。
28日に、博多に一泊しますので、夜、五条さんが予定があいていたら、お会いできればと言っていました」

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武富先生とは、現在『古代戦士ハニワット』を連載中の「武富健治」先生のことです。
突如出現した土偶に類似した破壊者「ドグーン」とそれに戦いを挑む戦士「ハニワット」を描く物語で、媛さんも大のお気に入り。
いったいどこから、そんな設定が思い浮かぶのやらと、僕も大変興味を抱いていたところでしたが、まさか先生ご本人からお誘いがいただけるとは。
とりあえず武富先生と媛さん、僕の3人で夜の会食をすることが決まりましたが、

「あと、武富先生が、今回の旅の仮の予定を立ててみたそうですが、まわる順番の効率化を五条さんに、アドバイスしてほしいそうです」

と媛さんから、追加のオーダーが流れてきました。
この時、予感はありました。

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武富先生の行程は、28日博多泊。3月1日2日に高千穂・五ヶ瀬を周り、3日4日を熊本方面へ行かれるとのこと。
これに対する僕の返答は

「ルートは概ね良いかと思いますが、来週は1日が晴れで2日が微妙、3.4日は雨なので、天候も考えられると良いと思います。
3.4は僕も五ヶ瀬、椎葉村に行くのですが、あいにくの雨模様ですね🥺」

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するとすかさず、予定をずらすので、3,4日の僕らの旅に同行させてもらえないだろうか、と武富先生からの打診を受けました。

…よしっ!👍

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そんな奇異な流れで、それぞれほぼ初対面のAさんと武富先生、僕のおっさ、大人3人組の奇妙で珍妙な旅が始まることになったのですが、話はこれだけではありません。
3日は僕のエスコートで、五ヶ瀬桑野内~草部吉見神社のフルコース、4日はAさんのエスコートで椎葉村ミステリーツアーとなりました。
宿はAさんたってのおすすめで、農家民宿「綾野ファーム」に泊まることに。
なんだ、鶴富屋敷じゃないんだ、とちょっとガッカリ感がなかったと言えば嘘になりますが、Aさんは「椎葉村を知るには、最高の宿です」とゴリ押し。
「綾野ファーム」さんの話はまた別の機会となりますが、まあなんというか、お世辞抜きに言って最高の宿でした。
そしてこの時はまだ、僕はAさんの恐るべく才能を知らないでいたのでした。

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3日の日、3人の待ち合わせ場所を朝10時30分に、五ヶ瀬の三ヶ所神社駐車場にしましょう、と僕はお二人に伝えました。
正確には三ヶ所神社の隣の浄専寺駐車場でしたが、そこならAさんの車を置いて、僕の車1台で五ヶ瀬・草部吉見神社を周ることができると考えたからでした。
で、待ち合わせの時間、Aさんは早めに駐車場にきていましたが、トイレを探していたそうです。
武富先生はタクシーで前泊の高千穂から移動でしたが、浄専寺駐車場で降ろされ、ここは三ヶ所神社の駐車場じゃないと思い、神社の方へ移動されていました。
僕は10時30分に間に合わず、5分ほど遅れて到着です。その、僕が遅刻している間に、ミラクルが起きていました。

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この時、高鍋のカレー屋さんご夫妻が、たまたまご縁があって五ヶ瀬に来ており、たまたま時間が空いたので三ヶ所神社にふらりと立ち寄ったのだそうです。
そして、たまたまそこにいた、Aさんと武富先生と、それぞれ個別にお会いして、それぞれ話しかけられたそうです。
それで僕の話になった、ということです。

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僕は今回の椎葉村旅の件を、少しだけKanekoさんにお話ししていました。キハチの映画制作に携わってあるKanekoさんに、何か椎葉村でも情報を見つけられたら良いなと思ってのことでした。
この高鍋の「カレー&アトリエ 靜」のご夫妻は、Kanekoさんと深いお付き合いのある方で、ご主人はそのキハチ映画の起案者です。
Kanekoさんを通じて、媛さんともずいぶんやりとりをされているそうですが、僕も春には「カレー&アトリエ 靜」にカレーを食べに訪ねてみようと思っていた矢先のことでした。
高鍋は宮崎県の海側にある町で、五ヶ瀬までは山道を2時間~2時間半ほど走らなければ着かない場所です。
「靜」さんご夫妻が五ヶ瀬に来るのは稀なことで、まして三ヶ所神社にピンポイントで訪れたのも、奇跡的な偶然でした。
あと5分、何かがずれていたら、この奇跡の出会いはなかったのです。

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そう、実際、僕は5分遅刻したので、ご夫妻に会うことは叶いませんでした。
どうしても次の予定があるからと、ご夫妻がその場を立ち去られた直後に、入れ違いで僕は浄専寺駐車場に到着したのです。
Kanekoさんは僕のこともご夫妻に話してくれているらしく、5分が悔やまれるところですが、まあ僕のサプライズはまた今度ということで。

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こうして『偲フ花』に届いた何気ないコメントから、武富先生、媛さん、Kanekoさん、高鍋のカレー屋さんご夫妻と奇妙なご縁が絡まって、不思議な不思議な1泊2日の旅が始まりました。
しかし誰が一番驚いたかっていえば、それはシイタケ栽培研修で椎原村にやってきていたAさんだったことでしょう。
僕と会うだけでなく、武富健治先生というビックネームまで付いてきたのですから。

だけどね、「今日で椎葉村3日目です」というメールから、3月3日までの25日間の間に、この人はほんとにシイタケ栽培の勉強しに来てるんだろうかと疑うほどに、椎葉村・五ヶ瀬・高千穂方面深部の聖地をくまなく周り、椎葉村の人ですか?と「靜」さんご夫妻に間違われるほどに村の人々と馴染んでしまっているAさんこそ、僕にとっては最大の驚きでした。

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「綾野ファーム」の宿は最高でしたが、それは「Aさんって綾野ファームの人なの?」ってくらい、彼がそこに馴染んでいたからという部分も大きく、また表面だけでない、椎葉村の奥深いところまで溶け込んで、僕らを案内してくれたので、今回の旅が最上のものになったのです。
どうせ行きたいと思っていた場所だからと、ファンサービスくらいの気持ちでAさんに声掛けした僕でしたが、またとんでもスキルの持ち主と、素敵なご縁ができてしまいました。

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かくしてAさんと武富先生と僕の、おっさ、大人3人の奇妙で珍妙な旅は、『偲フ花』を更なる深淵へと導くことになるのでした。

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3月3日のコース
三ヶ所神社
うのこの滝
二神神社
古戸野神社
桑野内神社
草部吉見神社
牛神社
草部三郎神社

■武富健治先生 XWikipedia京都精華大学古代戦士 ハニワット
綾野ファーム
カレーカフェ靜 Instagram
■Kanekoさんブログ 空と大地と海を駆ける
■媛さんブログ ヒルコ

3件のコメント 追加

  1. Tomi Kaneko のアバター Tomi Kaneko より:

    起こるべきときに起こること、やはり導きは面白いものです☺️
    五ヶ瀬の地だけでなく、椎葉村では鶴姫の宿には泊まったことがありますが、
    綾野ファームは絶対行きたいです。A様とも不思議過ぎるご縁ですし
    高鍋の靜さんもキーパーソンとなりうる方なので今後とも、と思っています🙇‍♂️

    いいね: 2人

    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      靜さんには、必ず行ってみようと思います。
      でも今回は、まだお会いするタイミングではなかったのでしょうね🥺

      椎葉村、一緒に行きませんか?

      いいね: 1人

      1. Tomi Kaneko のアバター Tomi Kaneko より:

        椎葉村、ぜひ綾野ファーム泊で行きたいです☺️
        高鍋は、今後何度もきっと御縁があるかと思います♪

        いいね: 1人

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