むかしむかし古代には、太陽の神と同じくらい、月の神は信仰された。
当時は夜空に浮かぶ月の形で暦を読んだので、月読尊と称え、これを崇めた。
月の暦はとても複雑である。新月から満月を経て、再び新月へと至る過程をひと月とすると、太陽暦の季節変化とズレが生ずる。
そのため1年 12 ヶ月にひと月、閏月を加えて調節するのだが、およそ19年に7回ほどの閏月を挿入することになる。
これを太陰太陽暦と呼び、我が国では古くから、この暦が使われて来た。
月の引力は、潮の満ち引きや女性の月事に関係するが、複雑な月読みを行える者は限られており、その者が導き出す暦は、漁や稲作、出産、それに時には戦にも影響を与えた。
故に月読みの巫女は、特別な才能とカリスマ性を求められた。
やがて歴史の中で、絶大なカリスマ性を備えた女王が現れた。
女王の名は豊玉姫といい、彼女の治める王国は豊王国と呼ばれた。
彼女こそ『三国志』「魏書」に記される、いわゆるヤマタイ国の女王ヒミコである。
豊玉姫には息子と娘がいた。息子を豊彦、娘を豊姫(台与)と言った。
宇佐家は、この豊彦(宇佐稚屋)に嫁いだのが、四国越智族の女、常世織姫であると口伝する。
常世とは、現世に対するあの世のことで、常夜、常闇とも言う。
月は古来、不老不死の霊水が満ちていると言われ、故に常世に通じていると信じられていた。
越智族の巫女は、特別な儀式によって月の霊水を受け取り、その水で神の穢れを禊いだ。
この月の霊水を変若水(わかがえりのみず)と書いて “ オチ水 ” と呼ぶ。
豊彦に嫁いだ越智の姫巫女、常世織姫は、豊玉姫に並ぶカリスマ性を持った陰のヒミコであった可能性がある。
変若水によって常世と現世を織り結ぶ稀代の巫女、それが彼女の名である。
古事記・日本書紀には、豊玉姫は龍宮の乙姫として描かれ、そし てその子・ウガヤフキアエズ(豊彦)に嫁いだ后は、同じく龍宮の乙姫、玉依姫として記されている。
出雲の旧家に伝わる、東出雲王家・富家の伝承は、失われつつある我が日本の真実の歴史を紐解く、唯一の鍵と言っても過言ではないと考えます。
この口伝伝承は、歪めてはならず、純度を保ったまま守らなければ、二度と後世に真実を伝え残すことは困難になるでしょう。
幸い、富家伝承の内容は、大元出版の書籍群の中から、僕らは学ぶことができます。
富家伝承は鍵です。
長い時の中で閉ざされてしまった、たくさんの歴史の扉を開く鍵ですが、歪めてしまったら、扉は間違った開き方をしてしまいます。
なので決して歪めてはいけないのですが、扉を開いて、僕らが考察を加えて伝えてしまうと、鍵を歪めてしまうおそれがあります。
ましては、安い都市伝説や根拠のないオカルト、偽書の類と並べて語ることは、本来避けるべきだと考えます。
有象無象の古史古伝とは一線を画す日本の宝、それが富家伝承である、と僕は確信しています。
『偲フ花』の「八雲ニ散ル花」は、富家伝承を記す大元出版の書籍をもとに、伝承を追跡した僕の記録です。
また、「八雲ニ散ル花」に付随する他のシリーズは、そこから一歩扉を開いた、僕の考察が含まれる旅の記録となります。
しかし旅を続けると、さらにもう一歩、僕の目の前に、次なる深淵の扉が現れました。
この深淵の扉を開くことは、やはり富家伝承の鍵がなければ叶わぬことなのですが、その深さゆえ、鍵を歪めてしまうのではないかと、僕は恐れを抱くようになりました。
そこで、「八雲ニ散ル花」とはシリーズを変え、「白姫」改め、新たに「常世ニ降ル花」として、旅していくことに決めました。
この先は、大元出版の五条桐彦ではなく、ただの五条桐彦の語る話と聞き留めいただければ、幸いです。
常世ニ降ル花 越智弦月篇
001 多伎神社
002 伊豫豆比古命神社
003 一之宮神社
004 日尾八幡神社
005 伊佐爾波神社
006 大濱八幡大神社”越智氏考”
007 越知山 越知神社
008 白山神社遺跡
009 白山神社(宇佐)
010 國分八幡神社
011 伊豫神社
012 伊曾乃神社
013 石鎚神社 口之宮 本社
014 羽黒神社
常世ニ降ル花 水沼十六夜篇
001 大善寺玉垂宮『鬼夜』上
002 大善寺玉垂宮『鬼夜』下
003 鬼夜 2023
常世ニ降ル花 菊理淡月篇
001 洲原神社
002 長滝白山神社
003 平泉寺白山神社
004 白山比咩神社
005 白山 前編
006 白山 後編
007 宗像の菊姫(山田事件)
常世ニ降ル花 朝近残月篇
001 大根地山:前編
002 大根地山:後編
003 愛嶽山
004 朝近稲荷 ~ 狐の嫁入り ~
004.5 恵光寺
005 油山夫婦岩
006 三保の松原
007 竹採公園”かぐや考”
008 隅田の桜
009 槻神社
常世ニ降ル花 石長雨月篇
001 別宮大山祇神社
002 横殿宮跡
003 阿奈波神社
常世ニ降ル花 豊受繊月篇
001 豊玉毘賣神社
002 豊積神社・豐由氣神社
003 御許山”常世考”
004 瓢箪山稲荷神社
005 山中諏訪神社
006 恩智神社
常世ニ降ル花 八坂無月篇
001 多祁御奈刀弥神社
002 秋葉山本宮秋葉神社
003 阿智神社
004 風三郎神社
005 大御食神社
常世ニ降ル花 阿波朔篇
001 上一宮大粟神社
002 久良弥神社 国引き考
003 宮島(浮島)八幡宮
004 天石門別八倉比売神社
005 物忌奈命神社
006 日向神社
007 返す浜
008 阿波命神社
009 清頭岡磐座
009.5 天磐戸神社
010 伊古奈比咩命神社
011 多賀神社
粟山(USAの山)の龍の磐座
常世ニ降ル花 阿加流孤月篇
001 比売許曽神社
002 姫社神社
003 石畳神社
004 媛社神社・姫古曽神社
005 香春神社
006 姫島 前編
007 姫島 後編
007.5 伊美別宮社
常世ニ降ル花 紅葉寒月篇
常世ニ降ル花 和奈佐薄月篇
001 和奈佐神社
002 和奈佐意富曽神社
003 船林神社
004 羽浦神社
005 比沼麻奈為神社
006 藤社神社
007 若狭姫神社
常世ニ降ル花 御津羽青月篇
001 阿波々神社
002 事任八幡宮
003 天川神社
004 天石門別安国玉主天神社
005 朝倉神社
006 土佐神社 末社
007 葛木男神社
008 朝椋神社
009 波宝神社
010 波比賣神社
011 国主の里
012 小國神社
013 富知六所浅間神社
014 見目神社
015 引手力男神社
016 長濱神社
017 大瀬神社
018 天津岩戸別神社
常世ニ降ル花 白王素月篇
001 伊勢稲荷
002 白川稲荷大明神(九州三大稲荷)
002.5 白川稲荷大明神 春季大祭
003 厳島神社(飯塚)
004 御田八幡神社
常世ニ降ル花 刺国朧月篇
001 沙田神社
002 小野神社・矢彦神社
003 洩矢神社
004 宮木諏訪神社
005 刺田比古神社
006 粟鹿神社 『粟鹿大明神元記』考
006.5 萱津神社
番外
常世ニ降ル花 土雲歌譚篇
case of 宇奈岐日女
000 宇奈岐日女神社
000.5 蹴裂権現社・大杵社
case of 神夏磯媛
001 国津姫神社
002 玉祖神社
002.5 船山神社・桜田八幡宮
case of 土折・猪折
003 帝踏石
003.5 青龍窟
003.6 國崎八幡神社
case of 夏羽・田油津姫
004 小鳥神社
005 古宮八幡宮
006 若八幡神社
case of ツチグモ論
006.5 薩都神社
case of 麻剥
007 鹿毛馬神籠石
008 岩屋神社
009 大富神社
case of 黒砂・真砂
009.5 早吸日女神社
009.6 速水瀬戸
009.7 椎根津彦神社
009.8 野坂神社
case of 速津媛
010 宮処野神社
case of 青・白
011 俵積神社
012 城原神社
case of 打猨・八田・国麻侶
013 緩木神社
014 禰疑野神社
case of 御刀媛
015 高屋神社
016 日向国惣社 三宅神社
017 名石神社
case of 津頰
018 玉名大神宮・疋野神社
case of 八頭大亀
019 大宮神社
020 千田聖母八幡宮
case of 宇津良姫
021 宇津良姫塚
case of 葛築目
022 女山
case of 久津媛
023 杷木神社
024 久津媛神社
case of 五馬媛
025 玉来神社
case of 大山田女・狭山田女
026 與止日女神社
027 巨石パーク
case of 八十女人
028 小城
029 おつぼ山神籠石
case of 海松橿媛
030 見借
031 淀姫神社
case of 豊玉姫
032 豊玉姫神社
032.5 鮭神社
case of 名草戸畔
033 名草戸畔三社/宇賀部神社・杉尾神社・千草神社
034 名草神社
035 中言神社
036 中言神社 本社
036.5 名草神社(養父市)
常世ニ降ル花 アララギ遺文篇
001 高千穂峡(五ヶ瀬川峡谷)
002 高千穂神社
002.5 天岩戸神社・天安河原
003 荒立神社と高千穂の興梠家
004 秋元神社・太子ヶ窟
005 黒口神社
006 中畑神社
007 宮崎神宮
008 阿蘇神社
009 阿蘇山中岳〝阿蘇氏と諏訪氏考〟
010 霜宮神社
011 幣立神社
012 上色見熊野座神社
013 草部吉見神社
013.5 牛神社・穴迫稲荷神社
013.6 穴森神社
014 国造神社
014.5 宇田姫神社
015 郡浦神社・乙姫神社
015.5 淀姫神社群・是善王宮
016 福間・諏訪神社・大森宮
016.5 火焚神事(乙女揚げ神事)
017 鬼八塚
018 乳ヶ窟
019 向山神社
020 槵觸神社
020.5 會津比賣神社
常世ニ降ル花 龍宮ノ末裔篇
000 鵜戸神宮
001 垂水神社
002 海神社
002.5 龍鎮神社
002.6 石清水八幡宮
003 宇都宮二荒山神社
004 倉賀野神社
005 近戸神社
006 大洞赤城神社
007 三夜沢赤城神社
008 郷見神社・総社二子山古墳・前二子古墳
009 貫前神社
010 咲前神社
011 越智神社
012 居多神社
012.5 和氣神社
013 橋津神社(貴船宮)
014 白山多賀神社
015 大御神社・鵜戸神社
一昨日からYouTubeのTOLAND VLOGさんが出雲口伝の特集始めましたね
ドキドキしながら見ています
先生の本、買い増ししようかしらww
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僕の本はとりあえず、30冊くらいお願いします!narisawaさんが買い占めてくれたら、プレミアがつきますので😄
偲フ花のアクセスが最近増えているのは、トゥラ中さんたちのおかげかなと思っています😊
厳格な斎木先生は、富家伝承が都市伝説や他の古史古伝と同列に語られるのを大変嫌うでしょうが、個人的には良い起爆剤であって欲しいと願っています。一時期賑わうでしょうが、一定のスピ系の人たちなどが離れていってからが本物かなと思います。
なので30冊、よろしくお願いします😌
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ご無沙汰しております。最近は仕事が忙しく日本の歴史から離れていましたが、ひと段落してきたのでブログを読ませていただきました。五条さんに教えていただいた「出雲王国とヤマト政権」もやっと読み終えたところです。普段このくらいのボリュームは一日で読了するのですが、目から鱗の情報が多く、ページを捲るたびに思いにふけ、考えを本に書き込んでいると中々進まず、遂には全ページに書き込みをしてしまった次第です。出雲の伝承は本当に興味深い。出雲伝承と出逢わせていただいた五条さんには心より感謝しております。
そして今後のブログの展開、とても楽しみです。新たな扉が開かれるのですね!
私も五条さんのように日本を回って歴史に触れたい、最近はこのような事ばかり考えてしまいます。中々自由な時間が作れない状況ですが、五条さんのおかげで限られた時間の中で歴史に触れることができており感謝です。
旅先での安全を祈ると共に、五条さんの今後益々のご活躍を心から願っております。
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峻靖さん、こんにちは♪
「出雲王国とヤマト政権」は正に歴史の教科書と言えますね。「出雲と蘇我王国」「上宮太子と法隆寺」はその後に続く内容になっており、「魏志和国の都」は、ヤマタイ国を知る上で欠かせない本になっています。これらの本もいずれ絶版となりうるので、ご興味ございましたら、早めの入手をおすすめします。
僕の旅は、いつも時間との勝負で慌ただしく、トラブルも少なくありません。しかし過ぎてみると、どれも良い旅の思い出となっております。
職業柄、休日も収入も、一般サラリーマンより少ないであろう僕ですが、育児が早く終わったことや、酒タバコギャンブルなどに興味がなかったため、こうして旅に出ることができています。今はネットでも手軽に情報は得られますが、やはり可能な限り自分の足でその場に立つ方が、歴史を肌で感じる事ができる気がしています。もうそろそろ、無茶な旅は終わりにしようと考えていますが、あと少しだけ、どうしても訪ねたい場所があります。
人生自体が旅のようなものです。お互い、良い旅をしましょう😊
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五条さん、こんばんは!
早速おすすめ頂いた本を購入しました!まだ読むのは先になりそうですが、絶版となったら入手するのも難しくなりそうですし…。
旅先でのトラブルもいい思い出になりますよね。私も一人旅をしていた時期に色々とトラブルがありましたが、思い返すと笑ってしまうような、どれも良い思い出になってます。
「人生自体が旅のようなもの」まさにその通りですね!私は今自分の運命と闘っています。私の人生でずっと苦しめられてきた事と決着をつける為に、人生最大の闘いの最中です。この闘いが終われば、私も細々とですが歴史探究の旅に出たいと思っています♪
その時を目標に、今迄の人生の旅の中でも最大の山を登っている最中です。
お互いそれぞれの人生の旅、辛い事や苦しい時も乗り越えて、まだ見ぬ景色を見る為に頑張りましょう!!
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伝承の純度
確かに
学ぶにつれ他の旧家の伝承にも隠し方などがあり、それぞれに真実を伝える解釈があるのだと思い始めましたが、それぞれにみんなが恋焦がれた出雲伝承にはいつも輝いていて欲しいものですね
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そうですね、これまでも、富家伝承から離れていく人を見送ったことは何度かありますが、寄り道をしても、道に迷っても、富家伝承は最後は帰って来れる場所であって欲しいと願います。
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ご苦労さまです。
最近私は古代史の究明、ルーツの解明から外れているので、こちらの情報が有り難いです。
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hirobanさん、こんばんは。
そうですか、また歴史の旅に出かけたいところですね。
私もガムシャラな旅は、来年いっぱいあたりを目処に、と考えています。
もうしばし、お付き合いよろしくお願いします😊
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