日本三大妖怪と呼ぶ人もいる「河童」(かっぱ)。
妖怪の里「遠野」にも、河童に逢える場所があるというので行ってみました。
それは「常堅寺」(じょうけんじ)というお寺の境内にあります。
ちなみに、遠野の河童は「顔が赤い」そうです。
「常堅寺」の境内を流れる川は「かっぱ渕」と呼ばれていますが、そこは河童の楽園なのだといいます。
「常堅寺」には一対の「かっぱの狛犬」が鎮座しています。
かっぱ渕にいたずら好きの河童がいましたが、ある時、馬を川に引きずり込もうとして失敗します。
河童は、お詫びして許され、「かっぱの狛犬」として母と子の守り神となったそうです。
この河童は常堅寺の火災の折には、皿から水を吹き出し、火を消し止めたと伝わっています。
「常堅寺」の裏手の橋を渡ると、澄み切った川が流れています。
ここが「かっぱ渕」です。
当然、遠野物語にも、かっぱ渕の伝承が伝わっています。
川の中央に何かあります。
名人とは何か?
それは、「かっぱ釣り」名人のことでした。
現在の名人は2代目で、初代名人の元に弟子入りし、2年の歳月をかけて「カッパ捕獲許可証」の第1号を受けた人だそうです。
釣り糸の先にはみずみずしいキュウリがぶら下がっています。
これで河童が釣れるのだろうか!?
いや、名人のすることに間違いはないはずです。
これはワクワクが止まりません。
他にも釣竿があるので、僕もカッパ釣りに興じてみようと思いますが、ちょっと待って!
立て札に「カッパ捕獲許可証」がなければカッパ釣りはできませんとあります。
買っててよかった「カッパ捕獲許可証」(ホッ)。
厳しいルールも守らなくてはなりません。
河童にだって妖権(人権)があるのです。
かっぱ渕に小さな祠があり、その中をのぞいて見ると、なぜか祠の中に名人とおぼしき写真が。
初代名人は河童の神様になったということでしょうか。
夕暮れ差し迫り、尻子玉をとられる前に、僕はそっと「カッパ淵」を後にしました。