太宰府天満宮に来たなら、食べずに帰れないのが「梅ヶ枝餅」。
参道に立ちならぶ梅ヶ枝餅の店々では、どこも買い求める人で溢れかえっています。
気分でいろんな店を食べ歩くもよし、お気に入りの店を見つけて食べるもよし。
僕は「きくち」という店がお気に入りで、幼少の頃よりここの梅ヶ枝餅を食べてきました。
今は一個120円の梅ヶ枝餅も、当時は50円くらいだったと記憶してます。
昔は名前を告げると一個おまけしてくれたくらい、亡き祖母との付き合いも深かった店です。
そんな梅ヶ枝餅ですが、梅味の餅というわけではなく、程よい甘さの粒あんが入った焼き餅になります。
平安時代、太宰府に左遷された菅原道真は、 毎日の食事にも事欠くという暮らしぶり。
これを見かねた近くの老婆(浄明尼)が、梅の枝に粟餅を巻き付けて菅公に差し入れたのが由来と云われています。
最近では道真公の誕生日と命日に由来した毎月25日のみ、よもぎ味の梅ヶ枝餅も各店で販売されています。
食べてみると、ほんのり香るよもぎと餡の甘さがよく合います。
また、毎月17日には古代米を使った薄紫の梅ヶ枝餅も販売されるようになりました。
こちらはうっすら赤みを帯びた皮で、味の違いは通常の梅ヶ枝餅とそんなに変わりませんが、香りがやや違っているように感じました。
さて、年中人でにぎわう太宰府には、人気のお店もたくさんあります。
最近人気な「あまおう大福」です。
一個400円となかなか手が出にくい価格ですが、買い求める客で行列ができているのを見かけます。
具沢山の「博多ぞうに」は、梅ヶ枝餅でも有名な「やす武」さんでいただけます。
正月参拝には、ぜひ食べておきたい一品です。
ご当地バーガーの「太宰府バーガー」は、
唐揚げと梅ソースの相性が良く、クセになる味です。
「揚子江肉まん」はボリュームある大きな肉まんですが、要注意。
一口噛めば、熱々の肉汁がほとばしって、火傷必至です。
口の中をベロベロにしながら、ぜひご賞味ください!
さて、梅ヶ枝餅には「重ね」という究極裏メニューがあることをご存知でしょうか。
以前「きくち」さんで「重ね」はありますか?と尋ねたら「残念ながらやっておりません」と返事をいただきました。
「重ね」は太宰府の地元の人に伝わる食べ方で、天満宮のご接待などで出されるものだと聞いていました。
しかしこれもテレビで紹介されたのでしょうか、今ではきくちさんでも「夫婦餅」(めおともち)という名で、この重ねがメニュー化されています。
重ねとは、その名の通り、2個の梅ヶ枝餅を重ねて食べる食べ方なのですが、一皿黒い物体が乗ったものが見えますね。
そう、重ねは単に梅ヶ枝餅を重ねるのではなく、
その間に更に餡を挟むのです。
これが「重ね」の完成形☆
なんというびっくりバーガー!
梅ヶ枝餅と餅の間に、更に餡を挟むという暴挙。
つまり断面は、
もち
あん
もち
あん
もち
あん
もち
と、もちとあんのミルフィーユ状態になっているのです!!!
梅ヶ枝餅モンスターです、マジこれ。
ただぶっちゃけ、梅ヶ枝餅は普通に食べた方が美味しかったです。
普通に2個の梅ヶ枝餅はペロリといただけますが、重ねの破壊力は甘~くて、重~、、おなかぱんぱんになります。
餅と餡の絶妙なバランスで作られた梅ヶ枝餅は、そのまま食べるのが正解だったという、お話です。