山口の片隅、「長門」の海岸沿いに、最近注目を浴びている神社があります。
アメリカのテレビ局「CNN」の調査で、「厳島神社」や「白川郷」などと並び、「日本で最も美しい場所31」のひとつに選出された「元乃隅稲成神社」(もとのすみのいなりじんじゃ)です。
朱く連なる鳥居と、コバルトブルーの日本海のコントラストが美しいと評判です。
僕は12月のやや曇りがちな朝イチに訪れましたので、幽玄な表情を見せていました。
元乃隅稲成神社の名物のひとつが、鳥居の上にある賽銭箱。
宮司さんの遊び心で設けられた賽銭箱ですが、当然、簡単にはお賽銭は箱の中に入ってくれません。
前情報でアンダースローで投げ入れると入りやすいと聞いていましたので、そのようにしてみました。
一発です。
運動オンチで定評のある僕でも一発で入りましたので、どんどん皆さん、自信を持って投げ入れましょう。
気持ちよくスローインを決めましたので、その奥にある社に参拝します。
とても小さい社ですが、多分これが本殿。
元乃隅稲成神社は、昭和30年に、地域の綱元であった「岡村斉」(おかむらひとし)氏の枕元に白狐が現れ、
「これまで漁をしてこられたのは誰のおかげか」と過去からの関わりを詳細に述べ、
「吾をこの地に鎮祭せよ。」とのお告げがあったことから、島根県津和野町の「太鼓谷稲成神社か」ら分霊されてできた神社だそうです。
「稲荷」神社は全国で四万社ほどありますが、「稲成」の字を持つ神社はこの二社のみと言います。
「成」は「成就」につながるそうで、かの賽銭箱にお金を入れることができれば願いが叶うと言われています。
冬を迎えつつある日本海の海は、また美しい。
さて、鳥居の方へ下って行くと別の祠がありました。
京都伏見稲荷の千本鳥居とは比べるべくもないですが、これはこれで情緒があります。
元乃隅稲成神社は来てみて思いましたが、意外に小さな神社です。
紹介本などは壮大な感じで写真を載せていますので、実際来てみるとちょっとがっかりするかもしれません。
それに長門には、それほど見て回るところもないので、元乃隅稲成神社だけを目的にやってくると、時間を持て余すかもしれないです。
角島と40kmほどの距離にありますので、セットで訪れるとちょうど良さそうです。
先端の岩場にやってきました。
運が良ければ、「龍宮の潮吹き」という波が30mも噴きあげる様子が見られるそうです。
波に削られ、尖った岩肌が見えます。
尼さんのようなお地蔵さんがありました。
元乃隅稲成神社は駐車場から車道を下りて、この岩場からスタートするのが正規の参拝ルートのようです。
なので、もう一度、来た道を登って戻ります。
その道は100m程度ですが、勾配はまあまあのキツさ。
箱庭の千本鳥居、壮大というよりは可愛い、元乃隅稲成神社はそんな場所でした。
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