長野県奥蓼科に、「東山魁夷」が愛した景色「御射鹿池」(みしゃかいけ)があるというので行ってみました。
東山魁夷の代表作の一つ『緑響く』。
九州国立博物館で開催された「東山魁夷展」の作品の中でも、とても印象深く、しばし佇んで眺めていたのを覚えています。
普段は「長野県信濃美術館」に所蔵されていますが、当作品は画伯本人も特にお気に入りだったといわれています。
その『緑響く』の世界がリアルにあるのなら、それは行くしかありません!
そして、、、
きたーーーっ!!!?
あれ?
なんか違う。
なんだこれ。。
ちょっとググってみましょう。
「御射鹿池(みしゃかいけ)は、長野県茅野市豊平にあるため池である。面積は約0.1ha、水深は約7m。
周辺は八ヶ岳中信高原国定公園に指定されており、2010年(平成22年)3月25日には農林水産省のため池百選に選定された。」
と、困った時のWiki先生が仰っています。
御射鹿池は人口の池なんだそうな。
なんだ天然じゃないのか。
期待が大きかっただけに、なんだか残念なロケーションです。
到着が遅すぎて、逆光になってしまってます。
しかし悔しいので、とりあえず撮影して、加工してみました。
試行錯誤の上、なんとかここまで。
でもまあ、なんだか、ね。
どうしても心残りだった僕は、旅の最終日、なんとか時間を作り出して再度、御射鹿池を訪ねてみました。
おや、曇ってて、全く前回と雰囲気が違います。
イケそうだ。
この一帯は、奥蓼科温泉郷に代表されるように、酸性の冷鉱泉の水が湧出していました。
また農地の方は、1,100mの高地に由来する冷害に苦しんできたと言います。
そこで1933年(昭和8年)に、ため池として御射鹿池が造られました。
流れ込む冷たい水を留め、温めることによって農業用水として使用できるようにしたのでした。
しかし水は強い酸性のため、魚などは生息できません。
ただ、それらの理由で水の透明度が保たれ、鏡面のように辺りの景色を映し出すのだそうです。
さて、僕の愛機「PEN-F」は、色を調整しながら撮影する、という特技を持っています。
せっかくなので、少し演出を加えてみます。
【朝霧】
ソフトフォーカスされた世界。
輪郭が溶けて、より水彩画チックな景色に。
絵なのか写真なのか、疑ってしまいます。
【緑淵】
深淵なる時間。
音さえ存在しない『緑響く』の世界。
ファインダーの中に幽玄の森が映し出されていました。
御射鹿池撮影のポイントは、早朝か、もしくは雨が降る前の曇りの日に出かけてみる、といったところでしょうか。
風が強かったり、雨が降っては、池が鏡面にならないのでNGです。
【月光】
ここは誰しもが芸術家になれる場所。
「AQUOS」のCMにも使われた御射鹿池。
近年は観光客に人気があり、外国人も多く訪れるそうです。
この日も、狭い山道を、大きな観光バスがカーブを曲がりきれず立ち往生していました。
人口の池ながら多くの人を魅了するこの場所は、
「諏訪大社に伝わる神に捧げるための鹿を射るという神事、御射山御狩神事にその名前の由来があると云われている。諏訪大明神が狩りをする場所として「神野」と呼ばれ神聖な土地であった。」
とWiki先生も仰っています。
諏訪市内から車で40分ほど、松本から約1時間の場所にある楽園。
撮影時間のタイミングさえ合うなら、誰もが東山魁夷の世界に浸れる御射鹿池へ、出かけてみない手はありません。
やはり早朝なのですね。
私も写真とる時は、早朝を心掛けます(^.^)
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見慣れた景色でも3割増しで魅せてくれるのが早朝です。
ここぞという場所に赴く時は、日の出の頃に目的地に到達するように出かけます。
人気のスポットでも朝イチなら、景色を独り占めできますよ。
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素晴らしい景色ですね(^.^)
芸術家だったら、書きたい!って思うのうでしょうね(^^)/
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今回の長野の旅では、風景を映し出す美しい池が印象的でした。
他にも数箇所、これからアップしますので、ご覧いただけると嬉しいです。
訪問するタイミングや幸運も必要ですが、基本は早朝に訪れることが絶景に出会えるコツだと、改めて思いました。
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