名草厳島神社(名草巨石群)

投稿日:

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栃木県の南端にある足利市、その山間部深くにあるという陸の宮島、「名草厳島神社」を訪ねました。
そこは巨石信仰の痕跡を残す、神秘的な場所でした。

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足利市の郊外、名草川を上流に向かって車を走らせると名草イワナパークという釣り堀に行き着きます。
その手前に大きく聳え立つ朱色の鳥居。

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扁額には「厳島神社」とあります。

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と、左手にも石の鳥居が。
よく見るとこの鳥居、柱の上部に丸石がはめ込まれています。
これは神仏習合の名残を示すもので、丸い石は数珠を表していると伺ったことがあります。

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階段の上に小さな祠が見えますが、どうやらこれは日光神社のようです。

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それではしばし、参道と言う名の山道を登ります。

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途中には東屋もあり、

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巨大な石もちらほら。

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途中、公衆トイレの横に立つ南国系の植物に驚きました。
ビロウでしょうか、自生とは思えませんが、こんな寒いところでも育つものですね。

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道はまだ続きます。

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今度は積み上げた石から流れる水場がありました。
石垣の上の樹木も神々しい。

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滝場となっているのでしょうか。
もう少しこちらまで伸ばして、飲めるようにしれくれたらいいのにと思いましたが。

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歩くこと10分、

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ようやく最初の目的地に着きました。

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名草厳島神社は「空海」が弁財天を祀ったのが始まりで、「名草弁天」とも呼び親しまれています。

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そういえば、広島の厳島神社がある宮島にも、空海の伝承がありました。

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早朝ということもあって、ひと気のない神域。

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身震いします。

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「弁慶の割石」という石があります。

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見事に真ん中で割れた石。
もちろん弁慶が本当に割ったわけではなく、マグマ由来の花崗岩が、節理に沿って自然と割れたもの。

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さらに歩進めると、拝殿と思われる建物が見えてきます。

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が、その手前に現れたのは、巨大な岩。
この岩は名草巨石群の中で最大と言われており、高さ約11m、周囲約30mあるそうです。

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「御供石」(おそなえいし)と呼ばれ、上には高さ3mほどの三角の岩が乗っています。

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この御供石の下部には、安産・子宝にご利益があるという「胎内くぐり」ができる穴がありますが、

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先の台風で土砂崩れの恐れがあり、しばらく立ち入れないようになっています。

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胎内くぐりの出口はこの有様。

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僕は洞窟がやや苦手で、すでに子宝にも恵まれているので問題なしです。
佇む弁天像がとても穏やかで美しい。

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滑りやすい石段を登り、

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巨大な岩の上に建つ社殿に至ります。

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それはこの先にある巨石群を遥拝しているようでした。

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名草厳島神社の拝殿から御供石に向かって、赤い橋が架けられています。

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鉄橋とはいえ心強いものではなく、バランスを崩して落下すればただではすみません。

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こわごわ慎重に足を運びます。

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参道方面から差し込む朝日が眩しい。

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拝殿を後ろに見て、

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さらに奥へ進む道があります。

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こちらは完全に山道。

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水も流れ込んでいて、足場はかなり不安定。
ちゃんとした靴で登拝した方が良いです。

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放置された倒木が、行く手を阻みます。
後で知りましたが、このあたりは熊も出るのだとか。
要注意です。

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7~8分ほど登ると、

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名草厳島神社の「奥之院」と呼ばれる巨石群へ至りました。

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谷のような場所に露呈した巨石群。

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ここは弁天沢と呼ばれる谷間にあたるようです。

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まるで巨岩から生まれるように生えているこの木は「石割楓」(いしわりかえで)と呼ばれています。

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これらの巨石群は、元はひとつの大きな花崗岩の岩体が、風化によって分裂したものといわれています。

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花崗岩は地殻のマグマが地中でゆっくり冷え固まり、地上に押し出されたものと考えられており、節理に沿って割れやすい性質をもっています。

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これらの巨石は、長い年月をかけて水流の侵食で球状に削られ、丸みを帯びています。

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その成り立ちは学術的に貴重とされ、昭和14年に国の天然記念物に指定されました。

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どこからともなく水の流れる音が聴こえますが、これは伏流水の音のようです。

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大きな岩の上を歩く分には大丈夫ですが、下の谷底は陥没の危険があるので立ち入り禁止になっています。

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巨石群の真ん中あたりに船を逆さにしたような形の石があります。

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これは御船石と呼ばれ、奥之院の中心的磐座のようです。

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御船石の奥にある巨石の上には祠も祀られています。

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その艶やかな造形は、まさに神秘的。

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比較的風化しやすい花崗岩がいつからこうしてここにあるのか不明ですが、はるか昔から祭祀の対象だったことに間違いなさそうです。

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名草という地名で思い浮かぶのは、紀伊國(木の国)の戸畔「名草姫」です。

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名草姫は九州・物部族の東征を妨げるべく果敢に挑み、リーダー「五瀬」に毒矢を射たと伝えられます。

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和歌山の女傑が、ここ、栃木の山奥に所縁があるとはあるとは思えませんが、おそらく彼女にも出雲の血は流れており、磐座信仰を受け継いでいたと思われます。

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なんでも出雲と関連付けて考えるのも好ましいとは思いませんが、涸れた谷から巨石が生まれ出でるこの聖域を見て、出雲王家の墓「宿禰岩」を思い浮かべてしまいました。

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蛍が舞うという初夏の巨石群の光景は、さぞ幽玄なものでしょう。

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ところで様々な名称が付けられた個性的な岩々。
僕もひとつ命名させていただきたく存じます。
その名も「いいね岩」。

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いいね!

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9件のコメント 追加

  1. etiliyle より:

    ♥️♥️

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      Thanks!

      いいね

  2. Ciao Chirico!!!
    28番の写真のその壮大な日本の仏塔形の石灯籠の名前は何ですか?愛らしいです!

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      Ciao, Alessia!
      Questa è chiamata “五重石塔”.
      È una torre derivata dal buddismo e la grande “五重の塔” in legno contiene statue di Buddha.

      いいね: 1人

      1. Grazie mille Chirico! Si usano anche nei giardini giapponesi? Più piccole come le lanterne
        rankei?

        いいね: 1人

        1. CHIRICO より:

          C’è anche un giardino giapponese, ma questo è abbastanza grande.
          Ma se lo cerchi, potrebbe essercene uno piccolo.

          いいね: 1人

  3. 8まん より:

    栃木の名草厳島。おほっ。(笑)日本の自然の奥深さを感じさせる。
    静寂さが心に沁みて神様と対話出来そうな素晴らしい環境。CHIRICOさんはアクティビティですね。
    私も気になった名草。日前国懸神宮。ここにもその名。私が名草戸畔の名を知ったのは「神様の御朱印帳」の小説を読んでから。
    名草の名前は書紀で一文あるだけなのに、この小説家は掘り下げて和歌山の首領をロマン溢れる世界観で書いてくれてました。
    きっとその一文にも描かれない神様もきっと多くいるんだろうな。と。それが私の日本各地の神社巡りの始まりです。御朱印帳を傍らに。
    そうやって巡ってみれば日本は面白いことがたくさんある。記紀にはない歴史が伝わっている。これは歴史ミステリーでロマンだ。(笑)
    ルーツは面白い。自分の先祖も神様も、どっかで何かに繋がっている。袖振り合うも多生の縁。
    さてさてCHIRICOさんは今度はどこで何を思うのか。楽しみにしてますよ。
    え?私ですか?私は冬場は冬眠します(笑)暖かくなったら活動。
    ではではCHIRICOさんが息災で旅を続けられますよう。

    いいね: 2人

    1. CHIRICO より:

      僕の旅は、年内あと1回を残すのみとなりました。
      年末は繁忙期になりますので。
      今年も随分あちこちに行かせていただきました。
      これも長くご愛顧くださるお客様と、不在の間頑張ってくれてるスタッフのおかげです。
      来年も楽しい旅ができますよう、願います。

      いいね

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