一は云う。郡の西に川あり。名を佐嘉川と曰う。年魚あり。其の源は北の山より出で、南に流れて海に入る。山の川上に荒ぶる神有り。往来の人、半ば生き半殺にき。ここに県主らが祖大荒田、占問いき。時に土蜘妹の大山田女、狭山田女といふものあり。二の女子の云へらく、下田村の土を取りて、人形、馬形を作りて此の神を祭祀らば、必ず応へ和むことあらむとまをしき、即ちそのことばのままに、此の神を祭りしに、神此の祭を受けて、ついに応へ和みき。ここに大荒田云へらく、此の婦はかく実に賢しき女なり。故れ賢女を以て国の名と為むと欲うといいて、因りて賢女郡(さかしめのごおり)と日う。今佐嘉郡と謂うは訛れるなり。
- 『肥前国風土記』
佐賀県佐賀市にある肥前国一宮の「與止日女神社」(よどひめじんじゃ)を訪ねました。
社名は「与止日女神社」、「淀姫神社」とも表記されることもあり、別称として「河上神社」と呼ばれることもあります。
『肥前国風土記』逸文によれば、欽明天皇25年(564年?)11月1日に與止姫の神が当地に鎮座したと言い伝えられます。
しかし当地の伝承では欽明帝より遡る時代の事として、與止日女命 (よどひめのみこと)は神功皇后の妹とし登場し、武内宿禰の妻となったと云います。
また一説によると、與止日女命の正体は豊玉姫であるとも。
『肥前国風土記』逸文には、「與止姫神」のまたの名を、「豊姫」「淀姫」であるとし、同書佐嘉郡条には「世田姫」の説話が載り、これも同一神であると考えられています。
さらに当社の神宝として、宝珠型の干珠満珠が伝えられているそうです。
これだけ条件が揃えば、もう間違いなく、宇佐・邪馬台国でしょ、これは。
富家伝承が導く、宇佐・豊王国=邪馬台国説をもとに紐とくと、多くのことがすんなりと繋がるのです。
豊族ゆかりの地に伝わる月神信仰の痕跡、波に宝珠の干珠満珠。
豊、淀、世田の名を冠した神社群。
與止日女神社の隣を流れる嘉瀬川について、『肥前国風土記』に次のような話があります。
「この川の川上には荒ぶる神がおり、道を行き交う人々の半数を生かし、半数を殺した。そこで県主らの祖である大荒田(オオアラタ)が占って鎮める方法を問うた」と。
その時に土雲の大山田女(おおやまだめ)と狭山田女(さやまだめ)という2人の女が「下田村の土をで人形と馬形を作ってこの荒ぶる神を祀れば、必ず和らぐことでしょう」と言ったので、大荒田はその通り神々を祀ると、神は歓んで和やかになったということです。
この功績により、二人の土雲は感謝されて「賢女」(さかしめ)と呼ばれ、それが転じて「佐賀」の名の由来となったと伝えています。
この土雲の大山田女と狭山田女は、荒ぶる嘉瀬川の氾濫を治めるために生贄を捧げる代りに人形、馬形を造って祀り鎮めたということです。
これは古墳に従者を生き埋めにしていたのを、埴輪に変えた土師氏と同じ功績です。
土師氏といえば東出雲の当主「野見宿禰=富大田彦」の子孫で、その末には菅原道真もいます。
全国に鎮座する天満宮ですが、元は手間天神として事代主が祀られていたのを、その子孫である道真に祭神を置き換えたところが多いのだと聞いています。
與止日女神社境内には、金精さん(こんせいさん)という男根の石が祀られており、
よく見ると女性の石もちゃんと祀ってあるのでした。
この子孫繁栄の磐座は全国各地に見られるものではありますが、その原型と言えるものが奈良の「飛鳥坐神社」に、陰陽石として多数祀られており、この神社の祭神は東出雲の9代大名持「鳥鳴海」であることからも、出雲的信仰色が強く残されているものであると言えます。
嘉瀬川流域に残る土雲二人の姫巫女は、命を尊び、また出雲的な大らかな性格であったことが偲ばれます。
肥前風土記の川上の神の条に「或は人其の魚を畏むものは殃無く、或は人捕り食へば死ぬこと有り」とあり、魚が與止日女の眷属であると伝え、その魚は当地において、なまずに相当するのでそれを食すことはないと云います。
なまずは豊玉姫の眷属です。
こうしたことからも、豊族と土雲族、さらには出雲族にまで、1本の繋がりが見えてくるのです。
この漢字よどひめと読む。漢字も難しい。川沿いの一の宮。遠かったなあ(笑)
九州一の宮は駆け抜け状態でゆっくりした記憶が無い。佐賀牛が美味しかった印象は残ってるんですが・・・。
また行きたいなあ佐賀。武雄神社付近はつい最近災害があったでしたっけか。腰が重くなりアクティブに動けていた時が懐かしい。コロナでほんとに
動かなくなりました。冬眠(笑)
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佐賀は良かですよ〜、今度は恋、じゃなかった鯉料理はいかがですか?佐賀は魚も旨いし野菜もうまい。地鶏の三瀬鶏もありますし、蕎麦もうまい。
そう、宣言解除になっても、みんな自粛癖がついちゃっているんですよね。僕も四国行きは最初、めっちゃ腰が重かった。でも、もはや行ける時に行かないと後悔するかもよ、8まんさん。いつまでも自由な旅ができる日常とは限らないので。
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