咲前神社:八雲ニ散ル花 龍宮ノ末裔篇 10

投稿日:

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安閑天皇元年(534)6月、初の申の日に神石「雷斧石」三柱の御出現を仰ぎ、時の朝廷に上奏したところ、奉幣使、磯部朝臣小倉季氏と共に高椅貞長、峯越旧敬を伴い上毛野国に御下向があり、抜鉾(ぬきほこ)大神「健経津主命」をお祀りし、社を建てられた。
それ以後、磯部朝臣が祭司を司った。敏達天皇元年(572)、第3代磯部朝臣小倉邦祝は磯部郷小崎の里に居を構え、以降小崎を名乗る。
白鳳元年(650)、第11代小崎邦平は、神託により抜鉾大神を神楽の郡(甘楽郡)蓬丘菖蒲谷に御遷座する。
供奉の道筋では、七五三原(しめきはら)でまず神事があり、明戸坂で夜明けがあり、宇田で御旅所となり御遷宮された。現在の一之宮貫前神社である。
磯部郷前宮(さきのみや)跡は、先の宮として崇め咲前神社が祀られた。

– 咲前神社由緒 –

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群馬県安中市鷺宮に鎮座する「咲前神社」(さきさきじんじゃ)を訪ねました。
富岡市の「貫前神社」の前宮とされる神社です。

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「登志月の先へまわりぬ初霞」
この歌は先代宮司によるもので嘉永二年に建立されたとのこと。

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境内に入ると、この日は参道の工事中でした。

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祭神は「健経津主命」(たけふつぬしのみこと)、「大己貴命」(おおなむちのみこと)、「保食命」(うけもちのみこと)。

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神代の国譲りにおいて、諏訪に逃げる建御名方神を追って経津主神が宿陣し、当地(鷺宮)に宿陣したと伝えられています。

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安閑天皇元年(534年)6月、初の申の日に、神石「雷斧石」(らいふいし)に神が出現したため朝廷に上奏し、社殿を建てて抜鉾大神(経津主神)を祀ったのが創建の由来。

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経津主といえば秦族・物部が信奉する神です。
その秦族に関連するものとして、社殿の右手に境内社の絹笠神社が蚕の神として祀られています。

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また拝殿の左右には根子石(ねこいし)が置かれており、

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この上にまゆに見立てた小石を乗せると願いが叶うと言い伝えられています。

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根子とは猫のことでしょうか。

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養蚕の大敵がネズミで、それを捕食する猫が神格化しているのかもしれません。

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また当社には白いヘビがいると云われ、白いヘビを拝んで借りて帰ると「蚕が当たる」という信仰があると由緒に記してあります。

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蛇神は出雲族の神を思わせますが、ここでは猫と同じくネズミの天敵としての認識なのかもしれません。

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当社は貫前神社の元宮なので先の宮で「鷺宮」となったと云います。
故に貫前神社の祭神は経津主になったのだと。

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貫前神社の真の祭神は豊玉姫、もしくは豊姫であり、物部イクメに東方に追われた豊彦の子孫が祭祀した聖域です。
であれば、経津主神が追ったのは建御名方神ではなく豊彦だったのではないでしょうか。
そして貫前神社の祭神さえも書き換えてしまったのではないか。

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境内には「大物主命」(おおものぬしのみこと)、「火産霊命」(ほむすびのみこと)、「伊勢三郎義盛公」(いせさぶろうよしもりこう)を主祭神とする鷹巣神社も鎮座位していました。

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伊勢三郎義盛は平安時代末期の武士で、源義経の四天王のひとりとされる人物です。

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それはさておき咲前神社もそうですが、出雲系の神も一緒に祀られているのが気になります。
群馬では豊族にも物部族にも、古い出雲族が尊重されていたのかどうか。
本部から遠く離れた場所では、敵同士も案外よろしくやっていたのかもしれません。

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4件のコメント 追加

  1. asamoyosi より:

    CHIRICO様
    おはようございます。神様の名は健磐龍命だったのですね。カルデラ湖の水を抜くために外輪山の一部を蹴飛ばしたとき、尻餅をついてししまい「うーん、”立”てぬ”の”う」と言ったので「立野」という地名になったと教えてもらいました。別府から三角まで案内してくれたのですが、お別れするのはさびしいので「さようなら」ではなく「またね」と言ってねと、バスから降りるとき握手して「またね」の言葉を交わしたことも印象に残っています。たしか九州産交バスのガイドさんだったと思います。本当につまらないことばかり覚えているものですね。その記憶力をもっと有意義に使えたら、人生、変わっていたかも・・・と、冗談はさておき、CHIRICO様の卓越した豊かで、まさにこぼれ落ちそうと言える知識と記憶力、またそれを縦横に駆使して点や線でなく面で歴史を解明していらっしゃるのには感服の一言に尽きます。緊急事態宣言が解除されるそうですが、ご無理をなさらずご活躍くださいますように。
    それと、私のつまらないコメントに律儀にお返事を頂戴すること、お忙しいのにと申し訳ない気持ちでいっぱいです。見ていただけるだけで嬉しいのです。もしお返事いただけるのでしたら、忙中閑あり的なCHIRICO様の気分転換・息抜きの時ぐらいで結構ですので・・・。
                                                       asamoyosi

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      asamoyosi様、おはようございます。
      ご返信は、楽しくさせていただいております。
      緊急事態宣言は解除されるそうですが、そのまま蔓延防止に移るそうで、結局何も変わらないようです。
      オリンピックのための建前なのでしょう。
      ぼちぼち頑張って今しばらく耐え忍ぶしかありません。

      いいね

  2. asamoyosi より:

    CHIRICO様
    おはようございます。根子石に始まり根子石に終わるブログを拝見し、義母の介護を終え新婚旅行以来初めて九州を旅したときのことを思い出しました。大観峰から阿蘇五岳を眺めながら左から根子岳・高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳。仏様が寝ている姿に似ていることから寝姿山とも言う、と説明する私に、よく知ってるね、いつ覚えたの? 高校の修学旅行の時、とっても可愛らしいガイドさんが教えてくれた。ちなみに阿蘇山(高岳)は1592mなのだ!と言うと感心した様子。ちょっと鼻高々になったものです。半世紀以上も前のことを未だに覚えているのですね。高さは肥後国(ひごくに)と覚えるのですとも教えてもらいました。ちなみに、その時、荷物にならないお土産と言うことで教えてもらった「阿蘇の恋歌」今も歌えるのですよ。当時は今と違い、九州ってとても遠いところ。また来ることもないだろうというほどの気持ちでいたからでしょうね。時代も変わりました。とともに私の記憶力もすごい勢いで衰えているように思います。昔は何につけても良かった・・・。年寄りの繰り言でした。ごめんなさい。
                                                        asamoyosi

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      asamoyosi様、こんばんは。
      ご返信が遅くなってしまいました。

      阿蘇の大観峰、涅槃像であるとか、横たわる女神だとか言われています。
      そしてお尻のあたりからはモクモクと煙を上げております😁
      しかし阿蘇のうんちくは素晴らしい!
      よく覚えていらっしゃるものですね。記憶力の乏しい私には羨ましい限りです。
      阿蘇山は煙をあげている中岳だけが阿蘇山だと思っていたら外輪山を含む全てが阿蘇山だということで驚きました。
      外輪山の中が湖となっていて、開拓のために健磐龍命が一部を蹴破ったという伝承がありますが、そんなのうそやろ、と思ってGoogleマップを見てみたら本当にそんな感じになっていて驚いたものです。
      そういえば熊本大地震で壊れた長陽大橋も再建され、倒壊した阿蘇神社の拝殿も間も無く完成のようです。
      緊急事態が解けたら、行ってみたいです♪

      いいね

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