姫宮神社/荒平天神

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桜島から大隅半島を国道224号線に沿って南下していると、道路下に「姫宮神社」(ひめみやじんじゃ)があったので降りてみました。

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南国の雰囲気と共にひっそりと祀られる神社。
緑の中の赤い社殿が、鮮やかです。

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祭神は「枚聞神社の御女子神」(ひらききじんじゃのみこのかみ)と変わった名前で、開聞の枚聞神社の分社だといいます。

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地元では「姫宮さま」「姫宮さあ」「姫宮どん」などと呼び親しまれている神社ですが、当社の由来は少し悲しいものでした。

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その昔、枚聞神社には何人かの姫宮がいましたが、その中の一人が足に不具があったため、「ここに置くわけにはいかぬ」と丸太をくり抜いた”うつろ舟”(うつぼ舟)で流されることになりました。
旧暦2月6日、海をさまよった姫宮さまは桜島南岸にたどり着きましたが、姫が「寒い」と言うと湯が湧いたので、その場所は「湯之」と呼ばれるようになりました。
ところが湯之の人たちは信心を捨てた人たちだったので、姫宮さまを再び舟に乗せ、海に押し出してしまいました。

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再び海をさまよった後、姫宮さまがたどり着いたのはが、旧暦9月16日の深夜にのことで、当地である野尻でした。
姫宮さまはここで「水を飲みたい、髪を洗いたい」と言うと水が湧き、野尻は水の豊富な場所になりました。
水に困っていた住民は喜び、姫宮さまはこの地で暮らすようになったということです。

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これはいわゆる『貴種流離譚』と呼ばれる説話で、実際に枚聞神社から流された姫巫女がいたと言う話ではないと思います。
当地では姫宮の伝承に合わせて、春・秋の年二回大祭が開かれており、特に秋の旧暦9月16日の午前0時ごろには、男衆が神輿を海へと運ぶ「浜下り」が行われ、そこで姫神は浜千鳥となってやってきた両親神と会えるのだと云われています。
きれいに整えられた境内といい、野尻の方々の信心深さを感じる神社でした。

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桜島の火山を間近に見ると、その勇壮さに圧倒されます。
古代は母系社会(かかあ天下)だったと言いますが、この山や富士山に、やはりコノハナサクヤのような可憐な姫神が祀られたとは思えません。

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国道を220号線に変えて南下を続けていると、これまた見過ごせない景色がありました。

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ビューティフル・アイランド・スガワラシュライン、通称「荒平天神」(あらひらてんじん)です。

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岩山上(天神島)に鎮座する当社は、天文年間(1532~1555年)の創建と伝えられ、大正12年(1923年)に炎上するも木造の御神体は無事だったといいます。

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祭神は「菅原道真」公ですが、なぜ彼がここに祀られるようになったのか。
荒平天神は、もともと高山町(現・肝属町)川上荒平集落に祀ってあったそうですが、祭神から「海の見えるところに行きたい」とのお告げがあり、鎮座地を求めて錦江湾沿いを彷徨うことになったとのことです。

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すると、梅の花弁に似た貝殻が寄せるこの島の前で、御神体が立ち止まって動かすことができなくなったため、そのまま天神島に祀られたとの言い伝えがあるそうです。
以来、神社の浜には、梅の花弁に似た貝殻が一年を通して流れ着くようになったといわれ、波打ち際が白く光り、訪れる人々を神秘的な気持ちにさせてくれるとのことです。

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ぐぬぬ。。

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登りよりも降りの方が絶対に怖いだろうという階段を登った先に、

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雅な社殿がありました。

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菅原道真がここまでやって来たってことはないでしょうから、当社の本来の祭神は手間天神だったのかもしれません。

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ここは「鹿屋八景」(かのやはっけい)にも選ばれている風光明媚な景勝地で、映画『チェスト』のロケ地にもなっていました。

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下の拝殿からは開聞岳が遠く見えていました。
開聞岳は見るからに男神の山ですから、まあ桜島が女神の山にされたとも考えられなくもない気もしてきました。

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2件のコメント 追加

  1. jasonpaulmurray のアバター jasonpaulmurray より:

    素敵な赤い神社ですね!シェアしていただきありがとうございます。いつか日本のこの地域を訪れてみたいです。

    1. 五条 桐彦 のアバター 五条 桐彦 より:

      jasonpaulmurrayさん、コメントありがとうございます♪
      姫宮神社も荒平天神も小さな神社ですが、とても情緒深い所でした。
      鹿児島は日本の南端の県ですが、食べ物も美味しく、ぜひ訪ねていただきたい場所です。

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