2019年の最初の月曜日が1月7日だったこともあり、予てから見てみたかった太宰府の2大神事に出かけてみました。

太宰府の神事は夕刻からということで、お昼は早良区石釜にある、行きつけの蕎麦屋「ひさ屋」さんにお邪魔しました。

暖かい陽射しもれる一室で待っていると、最初に出されたものが「七草粥」。
お蕎麦やさんなので、そばの実を使ったお粥です。
とってもやさしい味わいです。

この日注文したのは、天ぷら付きのざる蕎麦。
天ぷらの盛りがとても美しかったです。

7日の太宰府天満宮は、元旦から１週間になるにも関わらず、大変な賑わいです。
流石に参拝に行列ができるほどではありませんが、多くの人が道真公に参詣しておりました。

「天神」道真公の使いとして有名なのは「牛」です。
牛の銅像は多くの人が触れて、頭を中心にツヤツヤピカピカになっています。

牛ほど有名ではありませんが、「鷽」（うそ）という鳥も天神様の使いとして、境内に像が設けられています。

鷽という鳥は、スズメ目アトリ科、黒い頭に赤い喉が特徴の小さな鳥です。

口笛のような音で鳴くそうで、口笛を意味する古語が名の由来だそうです。

この鷽が天神様の使いとなった由来には諸説あるそうですが、「鷽」という字が「學」という字の形に似ているからとか、道真公がハチの群れに襲われた時に鷽がハチを食べて助けたとか、太宰府天満宮建立の際に材木についた害虫を鷽が食べたから、などと言い伝えられています。

以来、太宰府天満宮では鷽を、「幸運を招く天神さまの守り鳥」としているのだそうです。

天満宮楼門内の授与所では、「鷽鳥みくじ」を求めることができます。
ストラップ状の木うそに、みくじが入った、お土産にもなりそうな逸品です。

さて、1月7日の太宰府天満宮境内、楼門前の広場には、怪しげなやつが立っていました。
巨大な木鷽ですが、その姿は僕にはピグモンのように見えます。

夕刻5時、そこには行列ができるのですが、

それはこの後行われる、「鷽替え神事」に参加するための木鷽を買い求めるためです。

参道土産屋でも似たものは売られていますが、鷽替え神事に参加するためには、この年この日にここで授与される木鷽を手に入れなくてはなりません。

当然数に限りがあるので、こぞって参加希望者は求めるのです。

僕は4時ごろから並んで、無事手に入れました♪

神事は6時からというので、暇つぶしに気になっていた喫茶店に立ち寄りました。

昭和の匂いがする喫茶店です。

中に入ってみると、イメージ通り。
店員さんにお断りして、一枚いただきました。

芳醇なブレンドの香り。
お値段はやや高めですが、まったりと時を過ごすことができました。

さて、日も暮れ始めました。

参道では夜の鬼すべ神事に参加する氏子さんたちが練り歩いています。

夕刻6時になると、鷽替え神事がスタートします。

授与所を覗いてみると、まだ木鷽は残っていました。

そして鷽替え広場にはぎっしり人が集まっています。

僕も木鷽を取り出します。

裏には「息吹」の文字。
そして神事のスタートです！

巫女さんの声に合わせて、「替えましょ、替えましょ」と参加者皆で、手に持った木鷽を交換していきます。
最初は恥ずかしげな小声だった僕も、次第に慣れて大声になっていきます。
「替えましょ！替えましょっ!!」
「終了」の合図があると、手にした木鷽の裏を確認。

僕の最初の鷽替えでは「出会い」とありました。

そこで巫女さんが、太宰府の由来や歴史、時事に関する話題などお話をして、最後にそれにちなんだキーワードを述べます。
それと手にした木鷽の裏ラベルの文字が一致すると、

なんと純金製の「金うそ」がもらえるのです。

一人目の授与が終わると、再び「替えましょ」のスタートです。
これが6回繰り返されるので、神事の中で6名に金うそが当たることになります。

この「鷽替え神事」は、太宰府天満宮で始まり、今では全国の天満宮で行われているそうです。
神事には「知らないうちについてしまった嘘を、天神さまの誠心に替える」、「悪いこと嘘にして吉に替える」という意味があると云われています。

6回目の鷽替が終わって、最終的に手にしたのは「世紀」と書かれた木鷽でした。
残念ながら金うそは当たりませんでしたが、僕の木鷽も、「吉と取り替えた」ありがたい縁起物となりました。

また、この日は「金うそみくじ」も用意され、6体の金うそ他、様々な景品が当たります。
鷽替え神事に参加できなかった人は、こちらにチャレンジするというのもアリなのでした。