年明けの十日えびす大祭「福男選び」で有名な「西宮神社」(にしのみやじんじゃ)に来ました。
全国恵比寿神社の総本社というその背景を訪ね歩いてみます。
西宮神社は兵庫県西宮市にあり、「西宮のえべっさん」と親しまれ、商売繁盛の神様として関西では有名です。
大通りに面した南門が正門のようになっていますが、
側面の「表大門」(赤門)の方が本来の正門のようで、十日えびすの開門神事・福男選びにおけるスタート地点になっています。
表大門は慶長9年(安土桃山時代)に再建されたものであり、国の重要文化財に指定されています。
西宮神社の境内を取り囲む大練塀(おおねりべい)は室町初期に再建されたものであり、日本最古の築地塀として日本三練塀の一つに数えられ、国の重要文化財にも指定されています。
当社は日本に約3500社ある「えびす神社」の総本社であると云います。
そこで「あれ?」っと僕は首をかしげます。
えびすの総本社は島根の「美保神社」ではなかったか?
参道を入るとすぐに、勝負の神とされる「沖恵美酒神社」(あらえびす神社)がありました。
さらに参道を進むと、
廣田神社摂社として、「南宮神社」があります。
西宮の中に南宮??
これは西宮神社は、平安時代には廣田神社の境外摂社であり「浜の南宮」または「南宮社」という名であった、その名残だということです。
かつては某社の摂社であったものが、今ではえびすの総本社?
ますます謎です。
こちらを凝視する、「十日えびすの前夜にえびす様が乗馬して市中を巡回する」という伝承のある神馬を横に進み、
手水舎で身を清めると、
雅で美しい社殿が見えて来ました。
御祭神は第一殿に「西宮大神」(えびすさま)、第二殿に「天照大神」と「大国主大神」、第三殿に「須佐之男大神」を祀ります。
当社の社伝では、主祭神である西宮大神は「蛭児命」(ヒルコノミコト)であるとし、西宮に漂着し「夷三郎殿」と称されて海を司る神として祀られたとしています。
記紀に記されるところでは、蛭児命はイザナギとイザナミの間に生まれた最初の子で、不具であったため葦の舟に入れて流され、子の数には数えられなかったと云います。
僕の疑問の一端は解消されました。
つまり島根の美保神社は恵比寿神=「事代主」系の総本社であるのに対し、当社西宮神社は蛭子神=「ヒルコ」の総本社という立ち位置のようです。
当社、西宮神社創建にも、古代出雲族が関わっていたのかと期待していましたが、状況は微妙に違っているようです。
拝殿の左奥にある式内社「大国主西神社」です。
もとは阿弥陀堂があった場所ですが、延喜式内社の「大國主西神社」が判明するまでの暫定的措置として、その名が認められています。
さらに境内社の「百太夫神社」というものがあります。
ここは、傀儡子の祖「百太夫」を祀っています。
境内の北隣、産所(さんじょ)には、古くから傀儡師(くぐつし)と呼ばれる人形操りの一団が住んでいました。
傀儡師の弟子たちが祖・百太夫を祀ったものが百太夫社であるとされています。
傀儡師は えびす神社の雑用を奉仕しながら、一方でえびす神の人形繰りを演じつつ、諸国を巡り、人々を楽しませると同時に講釈をし、御札を配り、えびす信仰を広めて回りました。
江戸時代には、徳川家綱により本殿が再建され、それに伴って全国に頒布していたえびす神の神像札の版権を当社が幕府から得ることになりました。
傀儡師が全国を渡り歩いたこと、えびす絵の版権を得たこと、これらが相まって、当社が「えびすの総本社」と謳われるようになったということです。
島根の美保神社は、事代主の娘「ミホススミ姫」が非業の死を遂げた父を、その屋敷跡に祀ったのが創建の始まりですが、当社は後世の働きかけでえびす社の体を為したということのよう。
僕としてはえびすの総本社はやはり、美保神社だろうと思うのですが、えびす神=商売繁盛の神という信仰を創設したのは当社が発端であろうと認識します。
それは誠に関西らしい、神に対して親近感ある当地の風情だと感じる次第です。
境内には、神池のほとりに藤棚と感じの良い茶店もあります。
商売の神として信仰されるようになった当社で、もっとも参拝客が賑わうのは、毎年1月10日前後の3日間で行われる「十日えびす」の日です。
この日は800軒を越える屋台が軒を連ね、開催3日間で百万人を超える参拝者で賑わうといいます。
1月9日は「宵えびす」といい、「有馬温泉献湯式」や「宵宮祭」が行われます。
1月10日は「本えびす」といって、「十日えびす大祭」そして有名な「開門神事・福男選び」が行われます。
古来より「1月9日の夜に”えべっさん”が市中を廻られるため、家からの外出を禁ずる」という「忌篭り」の風習があったため、1月10日の朝6時まで神社に入ることができませんでした。
そこで「忌篭りが解かれた後に氏子たちが一斉に家から神社まで駆け抜けた」そうで、これが福男選びのルーツなったと云われています。
以来1月10日午前6時に「十日えびす大祭」が終わると同時に表大門が開かれ、参拝者が本殿までの230mを「走り参り」し、先着の3人がその年の福男と認定されます。
また期間中は、大マグロの奉納も行われ、参拝者がマグロの肌に賽銭をくっつけ、小銭の鱗をまとった大マグロになっていくのだとか。
大にぎわいの十日えびすは、1月11日の「残り福」を経て「シメ」となるのです。
Molto bello! Molto elegante anche, preciso e ordinato. Un posto davvero stupendo. Grazie mille!
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Santuari e chiese,
Lo spazio pulito mi fa sentire tranquillo.
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ここへは行きました!!… てか、またここもいつ行っていたのですくわ〜〜笑笑
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国内なら、いつでも、どこにでも行きますので 笑
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いいな〜 笑笑
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