そういえば8まんさんに教えていただいていた「小野神社」の記事を上げるのを忘れていました。
東京都多摩市の住宅街にある風情ある神社です。
境内は決して広くありませんが、重厚な立派な神門が目を引きます。
もう一つの入り口にも小ぶりな神門。
社殿は雅な朱色です。
8まんさんによれば、関東地方で唯一、一の宮がないのが東京なのだとか。
主祭神は以下の8柱で「天下春命」(あめのしたはるのみこと)、「瀬織津比咩命」「伊弉諾尊」「素盞嗚尊」「大己貴大神」「瓊々杵尊」「彦火火出見尊」「倉稲魂命」。
古くは小野氏祖の「天押帯日子命」を祀っていたという説もあるようです。
数揃えの神はさておき、真の祭神は思金の子孫であるという「天下春命」ということになるのでしょう。この神と「天押帯日子命」は同一神か?!
小野氏には天鈿女命の子孫を称する稗田氏の流れを汲む一面もあり、思金と天鈿女の関係は猿田彦と猿女君豊姫との関係になるのでしょうか、天下春命は出雲系の神ということになるのかもしれません。
天押帯日子命は出雲系大和族・登美家の大君、6代孝安帝・国押人(くにおしひと)のことではないかと思いますが、どうでしょう。
武蔵国一宮を謳う当社ですが、「後ろ盾を失った為に廃れてしまった神社です」というのも8まんさんの情報。
こじんまりとはしていますが、立派な社殿と神門は、地元の方や氏子さんらのお力の成すところ。
小野神社には2躯の「木像随身倚像」が所蔵されています。
非公開ではありますが、古い方の随身倚像挿首内に「元応元年十月二十九日、奉公人権津師丞源」の銘が、もう一方の随身倚像像内に「寛永五戊辰年三月二十五日相州鎌倉仏師大弍宗慶法印作之」の銘が見つかり、貴重な史料となっています。
まあ一宮などというのは人が勝手に言うもので、万象の神に階位や優劣などあろうはずもなく、こうした地元に愛される神社というのもことさら感じが良いものでした。