世界遺産「知床」
知床半島の全貌を手軽に知るにはクルージングがおすすめです。
船に乗り込むと、約3時間の海の旅に出ます。
陸は夏の暑さでしたが、海の上に出るとすぐに肌寒さを感じました。
沖に出て数分、
「乙女の涙」の愛称で呼ばれる「フレペの滝」が見えます。
さらさらと流れる滝の水は、恋する乙女の涙のようです。
轟々と流れるこちらは「男の涙」。
そばまで寄るとしぶきが降りかかります。
岩の赤肌から滲み出る水。
断崖絶壁が続きます。
「象の鼻」という岩。
数々の奇岩を望みます。
遠くに見える知床連山には雪が残っていました。
雪は真夏のわずかな期間だけ、溶けて見えなくなるそうです。
入り組んだ複雑な形状の岸。
やがて大きな神々しい滝に遭遇します。
この滝、「カムイワッカの滝」という名は「カムイ=神」の「ワッカ=水」を意味します。
また、その水には硫黄分を含み、生物は棲息できないといいます。
知床連山から流れる川は、半島の岸までたどり着き、大小様々な滝となって海へ注ぎます。
こちらは「硫黄の滝」。
ダムから放流する滝のように見えます。
知床半島の中程まで来ると、クマ遭遇ポイントの「ルシャ湾」へ着きます。
暑さのため熊はいませんでした。
知床半島は豊富な雪解け水が生み出す滝がいたるところで見られますが、そのどれもが美しい。
これは「カシュニの滝」。
段々になって水が流れています。
マイナスイオンをたっぷり浴びながら、船は進みます。
「観音岩」と呼ばれる変わった形状の岩が見えます。
窪みのあるこの絶壁は、神の目のように見えます。
穏やかな海に浮かぶ「知床岬」。
その先端は静かに、北の海に伸びていました。
灯台と岬の先端
その先には北方領土の「国後島」があります。
うっすら浮かぶ、国後島。
船は沖へと進み、
ここで大きく迂回して帰路へ向かいます。
ここが、現在渡航が可能な、日本の東端です。
「ルシャ湾」まで戻ると、見送りが来ていました。
羆(ひぐま)です。
「カムイワッカの滝」の遠景。
穏やかな6月の青空でした。