
日本最東端の世界遺産「知床」。
そこにある「知床五湖」は類稀なる自然を守るため、国立公園として厳重に管理されています。

ヒグマの生息地でもあり、活動期には専門のガイドによる引率と入園前にレクチャーを受ける必要があります。


また園内に入る前は植生保護のため、外来種を持ち込まぬようの靴裏の清掃などを行います。

準備ができたならいよいよ入園です。

ときめきを感じながら、秘境の知床五湖へと向かっていきます。

緑に包まれる森。
と、突然、葉の擦れる音がして、ガイドさんが警戒します。

ヒグマではありませんでした。
ここはエゾ鹿の楽園でもあります。

光が注ぐ森を歩きます。

高い木の幹に深く刻まれた爪痕をガイドさんが教えてくれました。

ヒグマの運動能力は非常に高く、木の上に逃げても命の保証はないそうです。

まずたどり着いたのは「五湖」。
「五湖」から「一湖」へと順を追って歩いていきます。

風がない日は、

湖面が鏡のように、辺りの景色を映し出します。

美しい水鏡が広がっていました。

再び歩き出し、白樺の森の中へ入っていきます。

「四湖」に着きました。
立木や倒木が味を添えます。

まるでモネの世界。

光と影のコントラストがとてもロマンティックです。

岸に沿うように歩きます。

鳥のさえずりが響いています。

中が完全に空洞になった巨木に出会いました。
この木は生きています。

樹木は外側を水分栄養分が行き来するので、外皮が犯されなければ生きていけるのだそうです。

鹿はこの外皮の上下を切断するように、ぐるりと一周食べてしまうので、
木を枯れさせてしまいます。
鹿を害獣とみなすのは、これが原因のようです。

ガイドさんが、ぬかるみやすい土にヒグマの足跡を発見しました。

でかいです。
鋭い爪痕が生々しい。

普段は人を避けるヒグマも、恋の季節には、オスはメスに強さアピールをするために、
人間に攻撃してくるのだそうです。

そして「三湖」に着きました。

そこには息を呑む光景が広がっています。

風はなく、

時も止まったかのようです。

鏡の湖面に映る青い空と知床連山。

あまりに美しい風景です。

名残惜しく先を進むと、

やがて「知床五湖」最大の大きさを誇る「二湖」が見えてきました。

次々と現れる絶景。

「二湖」は広いのでゆっくり半周します。

見えてきたのは広大な湖。

知床連山の全てを見渡せます。

わずかに風が吹いて来ましたが、それでも十分に美しいです。

さらに進んで

最後の「一湖」にたどり着きました。

「一湖」には木道が架かっています。

黄昏始めた湖は優しく、夜を迎える準備にはいります。

ここから高架に上がり、センターへと戻っていきます。

この木道はヒグマに襲われる心配がないため、誰でも自由に散策できます。

木道だけを散策するのも良いですが、知床五湖の美しさを知るには、時間をかけて遊歩道を歩くことを強くおすすめします。
ただし、守るべきルールだけは遵守したいもの。

自然の優しさと厳しさを内包した「知床五湖」。
その優美さは、北海道の忘れられない光景のひとつとなりました。
