
島根県雲南市加茂町に鎮座する「貴船神社」(きふねじんじゃ)に立ち寄りました。
当社は、平安時代末期元歴(1184~1185年)に京都の貴船神社から勧請したということですが、

『出雲国風土記』の大原郡の条において名前が見える「船林社」(ふなばやしのやしろ/舩林社)に比定されている神社でもあります。

船林社といえば、雲南市大東町の「船林神社」が思い出されます。

出雲らしい、立派なしめ縄。

祭神は水神「高龗神」(たかおかみのかみ)となっていますが、本来は「阿波枳閉委奈佐比古命」(あわきへわなさひこのみこと)なのかもしれません。

通称ワナサの神は、阿波枳(阿波来)と冠しているように阿波国から来た神だと伝えられます。

社号碑に「舩林」と、異体字でこだわりを持って彫っているくらいですから、何か根拠となるようなものが伝わっていると思うのですが、その辺りの情報が見当たりません。

本殿の両脇にあるのは、「稲荷社」と「若宮社」ですが、

こちらの石祠は何社か分かりません。

立派な龍の彫り物がされたこの手の社は、出雲では度々見かけますが、ひょっとすると龍蛇神社で、かつてはセグロウミヘビを収めていたのかもしれません。

最近ではセグロウミヘビは稲佐の浜に打ち上がることもなく、獲ってきてくれる人もいないため、祀るところも減ってしまったようです。
佐太神社でも、セグロウミヘビを獲ってきてくれる方を探しているとか。

境内奥の、鬱蒼とした雰囲気の場所に、何かありました。

巨大な木の根と一体化しつつある、石の鳥居。

ここは「木山天王稲荷八天狗社」といい、通称「木山神社」(木山さん)と呼び親しまれているそうです。

祭神は「素盞鳴尊」と「倉稲魂神」。
本来は農業の守護神として信仰されていますが、特に「下病」(しもやまい/夜尿症、性病など)に霊験があらたかなことから、町内外からの参拝者があるとのこと。

神木は樫ノ木で、根廻り8.1m、胸高周囲4mの「シラガシ」で、島根県林業改良普及協会発刊の「島根の巨木」に掲載されました。

ここからさらに少し登ったところに、県指定天然記念物の「椎の大木」と愛宕神社があったようですが、参拝し損ねました。どんまい。
貴船社は「玉依姫」(常世織姫)に関係する社であり、ワナサとのゆかりが気になる神社でしたが、これといった情報は得られませんでした。
