
「山口のクルソンザンに行ってみたらよいよ」
そんな、水中または湿地に生育するアブラナ科の多年草で辛みがあり、肉料理の付け合わせとしてよく知られるオランダガラシの別名のようなものを職場の人から勧められて、行ってきました山口県下関市豊田町へ。

どひぃ~。。

めっちゃ山道やん。

クルソンザンというのは標高616mの「狗留孫山」のことで、別名「御嶽」(おだけ)とも呼ばれる修験道の霊山です。

その山頂付近に、真言宗別格本山の「狗留孫山修禅寺」(くるそんざん しゅぜんじ)がありました。

「行ってみたらよいよ」と言われた日から、かれこれ3年ほど経ちますか。
気にはなりつつもずっと放ったらかしにしておりまして、ついに重い腰を上げてやって来たわけです。

クルソン山なんていうから、山だろうなとは思っていたのですが、実際に来てみると思ってた以上の山でした。

車道は狭く、駐車場に停めてからの道のりも

まあまあ登山。

道は整備されており、険しさはありませんが、勾配はなかなかなもので、聞いてなかったよこんなの。

狗留孫山修禅寺は、御嶽観音として広く知られ、真言宗別格本山、狗留孫山霊場八十八箇所総本寺となります。

奈良時代である天平13年(741年)に東大寺建立の四聖の一人である「行基」が、当山で修行したといわれ、奥の院(聖観音堂)には行基菩薩の御作と伝えられる「聖観世音菩薩」が安置されています。

平安時代の初め、大同元年(806年)に唐より帰朝した真言宗 宗祖「弘法大師」空海は、筑前箱崎沖の船中から当山の霊光を拝し、翌年大同2年(807年)霊光を目指して登山。
そこにある「観音岩」から発する霊光の中から、大悲の「十一面観世音菩薩」の尊容を感得され、当山の本尊として彫刻、奉安したと伝えられます。

以来、狗留孫山は明治の初めまで、女人禁制の山でした。

参道途中には「無明の橋」と呼ばれる石の橋があり、女性はここまでしか参拝できなかったとのことです。

無明の橋が架かる川らしきものは、見たところ石があるばかり。
この石の下を水が流れているのでしょうか。

平安時代後期の仁安3年(1168年)、栄西禅師(臨済宗開祖)は、一度目の入宋から帰朝して当山に登り、同じく「観音岩」より観音の尊容を感得され、「汝、早ク堂宇ヲ建立シ、有縁の衆生ヲ導く可シ」という霊告によって留錫。
弘法大師以来の当山の再興に大いに努められ、二度目の入宋から帰朝の建久2年(1191年)に堂宇を建立し「狗留孫山国護院観世音寺」と命名したということです。
また禅師は、当山に伊勢大神宮(天照皇大神)を勧請したともいい伝えられます。

安土桃山時代から江戸時代にかけて、藩主「毛利輝元」公は当山、観音の篤信者で、天正17年(1589年)に勅願門(仁王門)と本堂の大改修、本堂後ろの参篭所(通夜堂)を建立しました。
以後、霊験あらたかな真言密教寺院として藩政時代には、毛利家、毛利藩の祈願所となったのです。

それにしても、、

どこまで続くの、この道。。

あとで調べてみると、駐車場から本堂までの道程は750mほどもあるようです。
通常の人で、徒歩20~30分だそうで。

老杉古木がうっそうと茂る寺有林は260haに及び、マイナスイオンに溢れています。
すると僕の毛穴からも、これに対抗するように塩っぱいマイナスイオンが溢れてきました。

「南無観世音菩薩」
その言葉が不信心な僕の目に染み始める頃、どうやら本堂にたどり着いたようでした。



宝塔というんですかね、大きな石の塔に見惚れていましたが、その奥、

なんだかこの岩、鷹みたい?

道は、それまでの木と土の階段から、石の階段になりました。

清瀧大権現(せいりゅうだいごんげん)を祀る社。

清瀧大権現は空海の御遺告によると、インド神話に登場する八大竜王の一、沙掲羅(しゃがら、サガーラ)の第三王女「善女龍王」であるとのこと。

この女神は、空海が神泉苑で請雨修法の際に出現。さらに空海が帰国する際に船中に現れて密教を守護することを誓うのですが、その際、海を渡ったので龍の字に「さんずい」を加えて、日本では「清瀧権現」と敬称するようになったといいます。

それにしても、すごい岩。
本堂はこの岩の上に建てられているようです。

この1km先に、奥の院があるようです。

とりあえずさっき見た、鷹の岩を確認してみようと思いますが、

やはり鷹、だよね。

こっちの岩には、ハート、見っけ♪

この先に奥の院があるのですが、、、またな。

改めて本堂に伺ったのですが、

し、城か?!

狗留孫山は別称「御嶽」(おだけ)と呼ばれます。

勅願門の格子から、仁王様が睨みを効かせます。

「オヌシは少々、ウナギを喰い過ぎておるようじゃ。悔い改めよ」

門を通る時は、細長い窓から仁王様の凛々しい横顔が見れる、粋な計らい。

そして石垣の上に建てられた、山城かとおもわんばかりの本堂が、ようやく姿を見せたのです。

古来より修験道の霊山、観音霊場として信仰されてきた狗留孫山 修禅寺。

この山全体が国の名勝に指定され、山口県立自然公園になっています。

本堂の上に見えている巨岩が空海、栄西が「十一面観世音菩薩」の尊容を感得したという御霊石「観音岩」です。

この観音岩は、空海が狗留孫山を登拝したという大同元年(806年)よりも50年ほど前、天平勝宝6年(754年)東大寺の寺基を確立した東大寺二世、実忠(じっちゅう)和尚が諸国遍歴の折、当山を訪ね、その名を付けたと伝えられます。

観音岩はいわゆる陽石であり、あとで知りましたが、この岩の下段に長さ5mの洞穴を持つ重なり合った岩(陰石)があるそうで、古代自然崇拝の遺跡であるとのことです。
先ほどの鷹の岩のあたりに洞穴があったのでしょうか、完全に見落としていました。

本堂の外、観音岩と向かい合うように、「観音岩大師」の像が祀られています。

これは元は、漁師が海から引き上げたものだそうで、海上から山上に登られた、ありがたいお大師様だということです。

本堂にお邪魔させていただいていると、奥から蓮住信慶(はすずみしんけい)ご住職が出てこられ、「お茶を飲んでいってください」と、広間にご案内くださいました。

ご住職にお話を伺うと、この観音岩はマグマが水中で冷えて固まった安山岩であり、学者が調べたところ、およそ1億3200万年前~1億万年前の白亜紀前期後半に形成されたものだということが分かったそうです。
これとほぼ同じ特徴の地層が朝鮮半島南部でも確認されており、かつて日本が大陸と地続きであった頃の名残であるとのこと。

また、山全体が岩盤でできているらしく、観音岩は大地と繋がっている可能性も大いに考えられます。

蓮住ご住職とは30分ほどお話をさせていただきました。
とても穏やかなお人柄を感じます。
ご住職は麓の家と狗留孫山の本堂を徒歩で行き来されているそうで、その健脚に驚きました。

大変なのは修繕の時で、大工さんに道具をここまで運んでもらうのも大ごとであれば、その修繕費用も莫大になるのだそうです。
「狗留孫」(くるそん)とは、サンスクリット語(梵語)の音訳で、「実に妙なる成就」(すばらしく見事な願いの成就)を意味し、当寺は祈祷・祈願を行う寺で、墓を持たず、供養・法要はほとんどなさっておられないとのこと。
つまり、お寺の維持は、祈祷などの浄財で賄っているそうで、大きな修繕にならないよう、細かに少しづづ、ご住職自らが修繕を施してあるそうです。

狗留孫山 修禅寺を後にする時、ご住職が
「来年、21年に1度のご本尊ご開帳がございますので、ぜひその期間にまたお越しください」
とお声掛けくださいました。
日付を確認したら、ちょうど半年後くらいですので、再登拝するには良い頃合いです。
次回はぜひ、陰石の確認と、奥の院まで参拝したいもの。

下山してくると、休憩所と書かれた小屋があり、中に入ると冷蔵庫の中に冷えたドリンクが用意されていました。
「みなさまの浄財でなり立っています」と書かれていましたが、心遣いに改めて頭が下がります。
タダで、というわけにもまいりませんので、ワンコインを浄財箱に収めて、福岡までの帰路のお供に、おひとついただきました。


話題にある高野山と狗留孫山は中国の長安(現在の西安)の「青龍寺」を西方の基点とする「北緯34度13分」で結ばれています。
引用『実は”ある仮説”に・・・〔空海〕は〈太陽の影〉を利用して、かなり正確な緯度を測定する測量方法を承知の上で、真言密教を修得した中国の長安(現在の西安)の「青龍寺」を西方の基点とする「北緯34度13分」の東方へ向かう緯度線上に、〔空海〕の生誕地とされる香川県の「善通寺」(北緯34度13分30秒)や真言密教の聖地「高野山」(北緯34度12分50秒)を意図的に配置したのではないか・・・とあった。』
この軸線に狗留孫山も乗っています。
https://plaza.rakuten.co.jp/
opektal/diary/
202506040000/
再訪の際は麓にある狗留孫山重兵衛茶屋の『美味しいお蕎麦と黒米いりおにぎり』を是非👍
重兵衛茶屋さん、良いらしいですね。
次回はぜひ😋
🐥狗留孫山修禅寺…(クレソン…)立派な寺ですな。観音岩も素晴らしい。さすがクレソン🐣
さすクレですな🙏
五条桐彦様 おはようございます。観音岩大師、五條市上野の仏師と関係があったのですね。昔の宗教的な結びつきというか交流にびっくりしています。それとご住職の清貧に甘んじつつ、お寺を護持されている姿勢に感動しました。昨今、高野山で巨額脱税が発覚し、大騒ぎになっていると言うのに・・・。高野の関係者にご住職の爪の垢でも煎じて飲ませたい気持ちです。asamoyosi
asamoyosi様、こんにちは。
高野山で巨額脱税、ですか💦ただでさえ宗教法人は優遇されているのに、残念ですね。
かつて訪れた高野山の宿坊は楽しかったですが、やや金儲けに走っている感もあって、疑問に思っていました。
最近は神職と巫女が参道で踊る動画がSNSに上げられ、賛否論じられていました。
神社もお寺も、維持することが難しい時代でもありますので、とやかく言えませんが、大切な聖域ですので、誠実にお勤めいただきたいと思います😌