伊予の大三島神社(大山祇神社)、伊豆の三嶋大社と共に「三三島」と称される、摂津の「三島鴨神社」(みしまかもじんじゃ)を訪ねました。
大阪府高槻市にある小さな神社は、大和の風雲児「大彦」に深い関わりのある神社でした。
三島鴨神社は田園広がる住宅地の側に建っています。
大阪のような大都会でも、このようなのどかな日本人の暮らしぶりが見れるとは、不思議な感じです。
当社は「元々淀川の川中島(御島)に祀られていたが、慶長3年(1598年)の淀川堤防修築の際に現在地に移された」そうで、社伝では仁徳天皇が茨田堤を築くにあたって、淀川鎮守の神として百済から遷り祀られたと伝えられています。
三島鴨神社の秋祭りでは、各村から三島鴨神社宮入唄(高槻市三箇牧郷土民謡)を歌いながら、高張提灯を持って練り歩き、五穀豊穣を願って宮入が行われるということで、露店も出て賑わうのだそうです。
冒頭に述べた通り、伊予・伊豆の三嶋大社とともに三三島と呼ばれる当社ですが、三島鴨神社は日本最古の三島社(山祇社)とも云われており、それはあながち間違っていないことを富王家の伝承は伝えていました。
当社の祭神は「鴨事代主神」(かものことしろぬしのかみ)、「大山祇大神」(おおやまつみのおおかみ)、「木花咲耶姫大神」(このはなさくやひめのおおかみ)となっています。
大山祇神は、『伊予国風土記』逸文によれば、またの名を「和多志の大神」といい、仁徳天皇の御世に百済より渡来して津の国の御島に鎮座していたと記していますが、それは誤った伝承です。
大山祇の大山とは、島根の「大山」(だいせん)のことであり、古代そこに祀られた出雲の大祖神「クナト大神」を指し示します。
木花開耶姫は記紀に大山祇神の娘と設定されているので、祭神にされているのだと想定されますが、本来は「三島溝喰姫」が祀られていたのではないかと僕は思います。
そして当社の創建に大きく関わったのが大彦でした。
大彦は長引く物部勢との聖戦大乱に、次第に劣勢となっていきます。
王宮のあった伊賀にも物部の勢力が攻め込んできたので、大彦は息子と別れ、淀川右岸の摂津国三島郡高生郷(高槻市)へと移住しました。
三島は、事代主の后「溝喰姫」(玉櫛姫・活玉依姫)の出身地であり、事代主が亡くなり彼女が里帰りした後は登美家の領地になっていました。
大彦が三島に移住してきたとき、当地に先祖の事代主を祀りました。
それが今の三島鴨神社であるということです。
大彦は磯城・大和王朝の次期大王候補として有力な皇子でした。
彼には事代主と后・三島溝喰姫の子らの血が流れていました。
大彦が三島を拠点としたことは、登美家も大彦に加担した事を示しています。
三島付近は宇治川や鴨川が合流し、淀川となる地形です。
そのため、三島の地は水運による人や物資が集まる重要拠点でした。
三島の地にアベ姓を名乗る大彦たちが住むようになったので、そこから見える神名備山は「阿武山」と名づけられています。
しかしやがて、物部勢の追及の手は、この三島の地にも及ぶのでした。
「三島江の よしあし しげき 昔より この民まもる この神やしろ」- 昭和38年 中秋 高碕達之助 –
昭和20年、2機の艦載機が執拗に、帰宅途中の小学生たちを狙い撃つという非人道的攻撃が行われました。
この時、当社に逃げ込んだ15人ほどの学童たちを、拝殿は自ら焼失させながらも怪我させることなく守り抜いたということです。
なんとも大和を思う、大彦の神徳を感じさせる出来事です。
大彦。とは地位を表す称号で、大王の嗣子/世嗣ぎ。
後の、大兄。太子/皇太子等と同じ意味。
摂津の三島、、、今の大阪府高槻市~茨木市に掛けては犬も歩けば何らかの祠に当たる?ほど。
高槻の駅前などは辻辻、角かどに祠が祀られている程
これは幾らなんでも、ある意味異常です?
今は皆気にも留めても居ませんが、旧摂津国 (大阪府中~北部~神戸市)にはトビ、トミ(十三、飛田、登美、富○、○富、)や向(六甲(ムコウ)、武庫、、、、)等の地名がわんさとあります。
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たぬきさん、お久しぶりです。
先日は淡路島も楽しませていただきました。
岩戸神社が凄かったです。
摂津はやはり、登美家の支配地だったのですね。
それほど祠が多く残されているのは、古代からの伝承を守る人たちもまた、多く残っているということでしょうか。
大彦が地位の称号だとしたら、本名は中曽大根彦となるのでしょうか。
大彦が大和の大王になっていたら、真の万世一系が誕生していたかもしれませんね。
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知りませんでした。とても勉強になります。お参りする時にもそういうことを知っていると違ってきますね(^^)
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神社やお寺、教会もそうですが、そこには日本人が昔から大切にしてきた「心」があると思います。
四国のお遍路巡りは、僕の大きな目標の一つです。
まずはざっくり巡ろうと思っていますが、ひと段落したら、実際に歩いて巡りたいですね。
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大和を思う大彦の、御神徳を感じさせる出来事です。…
すげ〜〜涙が出ます!!
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