月山・夏

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出羽三山最大の聖地「月山」。
昨年秋に絶景を見せてくれたその山を忘れられず、再び女神に出会うべく、夏の登山を決行しました。

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ところで、「月山山菜そば」なるものが気になりました。
山菜王国西川町ならではの名物だといいます。

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「出羽屋」さんというお店にお邪魔しましたが、太めのシコシコそばを器に入れ、

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もはや山菜鍋大盛りと呼べる山菜汁をぶっかけていただきます。
山菜はもちろん特盛りですが、鶏肉やキノコ、きくらげなんかがこれでもかって入っています。
田舎料理ではよくあることですが、大盛りにしなくて良かった。
これ、普通盛りです。

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当地ではシメに蕎麦粉を水でといた「ハット」とよばれるものを、直接鍋に入れて煮込みます。
これもつるフワで美味しかったです。

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前回の登山ではリフトを使う「志津口コース」を利用しました。
見事な紅葉を堪能できる、最短登頂コースです。
今回は羽黒山側、月山8合目からスタートする「羽黒山口コース」を選択します。

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長い山道を車を走らせ、月山8合目にある「月山レストハウス」までやってきました。
そこから見える景色も、すでに素晴らしいものでした。

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ここから登山をスタートします。

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すぐに見えて来るのは広い湿地帯「弥陀ヶ原湿原」です。

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湿原といえば、高山植物の宝庫。
「ニッコウキスゲ」が道案内してくれてます。

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群生する「コバイケイソウ」は、まるで白装束を着た行者の群れのようでした。

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歩き始めてすぐに「御田原参篭所」があります。

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御田原参篭所は宿泊と食事をすることができます。

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そこにある「御田原神社」は「月山中之宮」として位置付けられており、祈祷・神礼等も取り扱っています。

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祭神は「奇稲田姫神」(クシイナダヒメノカミ)。

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境内には月神の使い、狛うさも鎮座しています。

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それはどこか霊場を思わせる景色。

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では、心静かに足を進めていきます。

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湿原はまだ続きます。

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可憐な花が目を楽しませます。
これは「イワカガミ」。

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弥陀ヶ原を抜けると、

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勾配のきつい「無量坂」を登ります。

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息を切らせて振り返ると、

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池塘と呼ばれる小さな池が点在する、弥陀ヶ原の全景が一望できます。

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ここからしばらくなだらかな道が続きます。

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下を見ると小さな花が咲き、

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耳をすませば、野鳥の鳴き声があちこちから聴こえてきます。

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「ウサギギク」

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「ガクウラジロヨウラク」

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「シラネアオイ」

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花の名を調べて回るのも楽しい。

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熊の足跡のようにえぐれた石が目につきました。

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やがて道が険しくなり、

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川のように水が流れる道になりました。

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見ればなるほど、

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雪渓です。

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雪の上を歩き、

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岩の道を進んで、

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また雪になる。

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そんな道を進みます。

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おまけにガスって真っ白。

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そこにあるロープが道しるべです。

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月山は7月まで滑れる夏スキーで有名な山。
反対側の姥ヶ岳方面では、今もスキーを楽しむ人たちがいるはずです。

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なんとか雪渓を抜けるとまた、なだらかな道に出ます。

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白骨のような木の枝、

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荒涼とした石の道は、あの世を彷彿とさせます。

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ガスっていた山道でしたが、

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光が差し込み始めました。

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今回の再登山を決意させた目的の一つが、山頂からの展望を期待してのこと。
しかし標高2000m弱の月山山頂は雲に覆われていることも多く、なかなかそれを拝むことは困難であると聞いています。

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が、どうでしょう。

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青空が見えてきましたよ♪

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登山開始から90分ほどしたところで、

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山小屋が見えてきました。

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そこに小さな池が見えます。

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「仏生池」、

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ここには水神八大竜王や三十六童子の伝説が伝わっています。

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周遊20mほどの小さな池ですが、なにやら神聖な感じがします。

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ここが月山の9合目。
今回の登山のちょうど中間地点になります。

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仏生池のそばにある小屋では宿泊・食事ができるようになっています。

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またこの池には、クロサンショウウオが生息しているのだそうです。

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ところで、先ほどから見えているこの山、山頂かと思いきや、

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「オモワシ山」、真の頂を隠して、自らを頂上と「思わし」めることに由来している山です。

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わりと激しい岩の道を登り、オモワシ山を迂回します。

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絶景。

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しかしオモワシ山がオモワシぶり過ぎます。

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喜びの後の絶望ほど辛いものはありません。

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雪が蒸気のように舞い上がっています。

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白装束が続く道。

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なんか見えてきました。

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それは、

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岩の壁。

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「行者返し」です。

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役行者(えんのぎょうじゃ)が山頂を目指した時に、蜂子皇子に使える除魔童子に修行の未熟を悟らされ、羽黒山に返されたと伝わる難所です。

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しかし行者返しの真の難所は下り道にありました。
足震えます。

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そしてこの行者返しには、隠しルートがあります。

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中程から横に分かれる道があり、そのめんどくさそうな岩場を登ると、

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「来名戸神社」がありました。
出雲王国初代王「クナド」を祀っています、おおー。

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行者返しを登りきると、またなだらかな道になります。

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しかし酸素も薄いせいか、疲労感が襲ってきます。

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道はまだまだ続く。

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雪渓。

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そして続く登り坂。

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可憐な花たち。

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ずいぶん高いところまでやってきました。

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矢印の先に進むと、

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広がる絶景。
素晴らしい。

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後ろにオモワシ過ぎのオモワシ山。

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そして前方には、真の目的地、月山山頂。

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風がたまらなく涼しい。
来て良かった。

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ここに来ての木道が嬉しい。

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ここは「大峰」(おみね)と呼ばれる月山の峰。

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ガスが晴れて、太陽が眩しいです。

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ここまで来たら後一息、気持ちが逸ります。

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月山最後の雪渓。
月山神社の建物も見えています。

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滑る足をこらえて、少しずつ進みます。

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しかしなかなか進まない。

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下を見れば、吸い込まれそうな景色。

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上には撮影禁忌の聖域が見えます。

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ようやくたどり着いた懐かしい景色。

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着きました。

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前回は吹雪でホワイトアウトしていた山頂。

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今日は下界が少し見えています。

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月神「月読命」を祀る月山神社本宮。
月読命は謎多き神とされていますが、邪馬台国の卑弥呼とされる宇佐の「豊玉姫」女王が信奉した神です。
その娘にして後継者の「豊姫」(台与・豊鉏入媛)が大和笠縫邑(やまとのかさぬいのむら)で月神を祭祀したので、彼女自身が「月読の巫女」として崇められるようになりました。

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この石の鳥居をくぐると、先は絶対なる神域です。
入り口でお祓いを受け、中に足を踏み入れます。

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堅牢な石垣に囲まれた天空の神殿は、その最奥に本宮本殿があり、社殿を取り囲む石の回廊に小社群が鎮座します。
この石垣は常に吹きすさぶ強風と、20mの高さになるという積雪から神殿を守るために造られています。
背丈以上の高さの石垣内部は、静謐で神秘的な、独特の世界が創り出されていました。

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いっとき微笑んでいた太陽が、瞬く間に閉ざされていきます。

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おにぎりを頬張り終えると下山を開始することにしました。

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霧に霞んでも美しい月山。
月山大好きです。
好き過ぎます。

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ハートの石を見つけました。

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雪渓を超えて、

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ここにもハート。

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僕は下りが苦手なので、気を紛らわせながら降りていきました。

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弥陀ヶ原まで降りて来ました。

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もう無理ってくらい疲れ果てましたが、気を振り絞って弥陀ヶ原を半周してみることにしました。

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弥陀ヶ原は、阿弥陀如来が祀られていたので「弥陀ヶ原」とも、神様が御田植えをされたことから「御田ヶ原」とも云われる湿原です。

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この小さな池は「池塘」(ちとう)と呼ばれます。

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遠くに月山も見えていますが、

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ん?

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カルガモの子供たちが戯れていました。

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「チングルマ」も咲き、そこは命あふれる楽園でした。

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