青森の「入内」(にゅうない)という所に、気になる磐座があるので行ってみました。
が、ここはかなり衝撃的です。
僕的R-18なので閲覧注意です。
青森空港からレンタカーを借り、入内を目指します。
空港から車で15分ほどで入内の集落に着くことができます。
まず見えてくるのが「小金山神社」です。
鬱蒼とした杜の中で出迎えてくれるのが「狛犬」と「狛馬」でした。
どちらも愛嬌ある顔をしています。
ここでは軽く参拝して、先を急ぎます。
入内の集落をまっすぐ突き進むと山道に入っていきます。
途中分かれ道もありますが、小さな看板を頼りに進んでいきます。
この道はGoogle mapや一般の地図に載っていません。
砂利の山道を5kmほど進んでいくのですが、道幅は思ったよりも広いものの、
砂利がタイヤを滑らせます。
後輪を何度かスリップさせながら、この道で正しいのか不安になる頃、次の目印が見えてきました。
山の中に忽然と現れる鳥居と国旗。
「御鈴滝」へと下る参道です。
不動像や小さな祠らしきものがちらちらあります。
ぐっと降りていくと、滝が見えました。
なんとも優美な滝です。
鈴のような、大きな岩の横を水が流れ落ちていきます。
少し眺めて、来た道を戻りました。
先ほどの不動像、よく見てみると優しいお顔立ちです。
行きがけはスルーした横長い祠の中を見てみるとびっくり。
天然木なのでしょうが、まるで生きているようです。
さらに車で進むと、ようやくお目当ての場所に着きました。
集会所のような建物があります。
赤い橋を渡ったすぐに小さな鳥居があります。
「水神様」と呼ばれる御神水です。
そしてふたたび赤い橋を渡り、鳥居を登っていきます。
変わった龍の彫刻があります。
狛犬の役割をしているのでしょうか。
隣村の小館村に長内弥十郎というきこりがいたそうです。
目を患った弥十郎は、ある日、駒田山の清水で目を注ぐと、眼病が治るという不思議な夢を見ました。
翌日、杖にすがり駒田山に分け入ると、夢で見たのとまったく同じ風景があります。
そしてそこにある不思議な自然石「石神様」に出会います。
弥十郎は「石神様」の目の窪みから湧き出る清水で目を洗うと、夢のお告げの通りたちどころに治ってしまったと云います。
…その「石神様」がこれです。
絶句。
僕は今まで、いろんな磐座を見てきましたが、こんなのは初めてです。
「磐座」と書きましたが、いやこの岩そのものが神、御神体なのです。
向かって右上の目が「天照皇大神」、
左下が「月読大神」を表しているそうです。
弥十郎の話は、やがて村人に広まり、大勢の人が神水の御利益で病気を癒したそうです。
しかし明治元年に神仏混淆禁止令が出されると、この「天石大神」への参拝も禁止されます。
それでもひそかに神水をくみだす人が絶えなかったため、役人は多数の石工に命じて「石神様」を破壊しようとしました。
ところが石工が石に触れると手がしびれ、氷雨が降るという奇異な現象が起きます。
これに驚いた石工は怖くなって逃げ出し、ついに石神様を壊すことができなかったと云うことです。
天照側の目に深い穴がありましたが、水はありません。
月読側の下まぶたに水が溜まっていますが、湧き水というよりは雨水でしょう。
今は湧き水は枯れてしまったそうです。
しかし下にあった水神様の水が、今同じ霊験をもっているそうです。
自然にできたとは思えない、その外観。
この石は鉄隕石だそうです。
その妖しげな目からは、磁石も狂うほどの強力な磁力を発しているそうです。
石神様の前には拝殿があります。
中ではスーツ姿のおじさんが、見事な鉢さばきで太鼓を奉納してありました。
一見恐ろしげな石神様ですが、あたりの雰囲気は心地よく、怖いという感じは実のところ、あまりありません。
むしろここへ至る山道の方が、物理的な恐怖を感じました。