モネの池

投稿日:

4051975-2022-04-8-16-39.jpg

モネの愛した景色を求め、岐阜県関市板取の「名もなき池」へ旅してきました。

4051909-2022-04-8-16-39.jpg

そこはのどかな田園の先にある根道神社の境内にあります。

4051910-2022-04-8-16-39.jpg

「名もなき池」とはそのような名称の池があるわけではなく、単に名すらないただの池という意味で呼ばれます。
もちろんモネが実際にここへ訪れたわけではありませんが、近年SNSで池の写真が投稿されると、それがまるでモネが描いた絵のようだと話題になったのです。

4051911-2022-04-8-16-39.jpg

さあご覧あれ、これが彼の睡蓮の池です!

4051913-2022-04-8-16-39.jpg

分かります、分かります。この「名もなき池」を見てあなたはがっかりするかもしれません。
ここにあるのは、どこにでもあるような小さな溜池。晩年のモネが愛した、壮大な睡蓮の池があるわけではないからです。

4051916-2022-04-8-16-39.jpg

でもじっくりファインダーを覗いてみてください。できれば少し倍率の高いレンズで。
この名もなき池をあなたのカメラのファインダーで切り取れば、あら不思議、確かにモネの睡蓮の池がそこに現れるのです。

4051918-2022-04-8-16-39.jpg

c1d-2022-04-8-16-39.jpg

1024px-claude_monet_-_pond_with_water_lilies_-_google_art_project-2022-04-8-16-39.jpg

「クロード・モネ」(Claude Monet, 1840年11月14日 – 1926年12月5日)は、誰もが知る、印象派を代表するフランスの画家です。
絵画における印象派という名称は、モネの代表作『印象・日の出』(1872年)が由来で呼ばれるようになりました。

4052167-2022-04-8-16-39.jpg

この根道神社の貯水池は1980年頃に灌漑用に整備されたものです。
以前は雑草が生い茂った池でしたが、「フラワーパーク板取」の経営者「小林佐富朗」氏が除草を行い、スイレンやコウホネを植え、地元住民が自宅で飼えなくなった鯉を放流したことによって現在の姿になりました。

4051928-2022-04-8-16-39.jpg

そこに観光を目的とした意図はありませんでしたが、2015年6月頃にSNSでこの池が話題になり、同年秋頃にメディア等で取り上げられたことで一気に観光ブームを引き起こしました。

4052161-2022-04-8-16-39.jpg

その写真がまるでモネの後期の「睡蓮」連作群と似ていたので、いつしか名もなき池は「モネの池」と呼ばれるようになったのです。

4051997-2022-04-8-16-39.jpg

モネの池の撮影ベストシーズンは初夏の新緑の頃と秋の紅葉の頃です。
なぜなら周りに群生する樹木が「もみじ」だからです。
しかし訪れたのがシーズン外だからといってがっかりする必要はありません。

4051974-2022-04-8-16-39.jpg

どのみちここの写真は加工ありきだと思います。

4051991-2022-04-8-16-39.jpg

僕は彩度を少々いじってみましたが、そうする事によってぐっとモネ感が増します。
写真に手を加えることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、アートとして「写真を作る」楽しみもあって良いと思います。

4052192-2022-04-8-16-39.jpg

心配せずとも、実際にSNSに上がってたくさんいいねされているモネの池の写真は、どれもバリバリの加工済みですし(笑)

4052051-2022-04-8-16-39.jpg

このモネの池は観光客のために砂利道にしたことが仇となり、2015年11月8日の大雨で砂利と砂利との間から土が大量に池に流れ込み、池の水を濁らせました。
この時は地元の方の努力で池の水が入れ替えられ、今は水の透明度は以前に近いくらいまで回復しました。

4052081-2022-04-8-16-39.jpg

またベストショットを撮りたい観光客が鯉にえさを与えることで水が濁ってしまう事態も発生しており、現在は立て看板で「えさやり禁止」の注意喚起をしています。
良い写真を撮りたい気持ちはよく分かりますが、やはりマナーは守ってこそ神は宿るのです。

4052109-2022-04-8-16-39.jpg

c1d-2022-04-8-16-39.jpg

4052136-2022-04-8-16-39.jpg

地元の方々の偶然と努力、そして機運が重なって生まれた岐阜の新名所「モネの池」。

mg_8818-2022-04-8-16-39.jpg

そんなモネの池にもさっそく名物が出来ていました。
『笹舟巻』のお餅です。
白とお茶味の餅は、もっちりとして素朴な味。節句のちまきのような食感でした。大好き!

4052160-2022-04-8-16-39.jpg

いやぁ楽しい。いつまでも撮っていられますが、

4052185-2022-04-8-16-39.jpg

せっかくなので根道神社にも参拝していきましょう。

4052189-2022-04-8-16-39.jpg

根道神社(ねみちじんじゃ)の祭神は「根道大神」(ねみちおおかみ)となっていますが、その詳細については不明とされます。

4052190-2022-04-8-16-39.jpg

1876年(明治9年)、 旧称「明神」から根道社に改称されたようですが、江戸時代は「大明神社」「月日神社」の祠が隣接して共有の拝殿が建っており、この両社の総称して明神と呼ばれていたようです。
っておいおい、モネの池のついでにさらっと参拝してきましたが、意外と重要な神社だったんじゃないのこれ⁉︎

4052186-2022-04-8-16-39.jpg

月日神社(つきひじんじゃ)という名前が気になって調べてみれば、奈良市下三条町にある同名社の祭神は「与止日女神」(よどひめのかみ)と「旱珠日神」(かんずひのかみ)、「満珠月神」(まんずつきのかみ)となっています。ビンゴじゃないですか!
つまり豊姫(豊玉姫)と干珠満珠が祭神ってことで、しかもここは白山信仰圏なのでした。ヤバみが尊み深み~♪
月の女神が見守る命の水は、美しい花々と鯉の変若水だったのでした。

4052188-2022-04-8-16-39.jpg

14件のコメント 追加

  1. Nekonekoneko より:

    The carp that lives in the clear water of the pond is as colorful as jewel. Very beautiful pictures.

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      Thank you, but I’m doing some image processing😁

      いいね: 1人

      1. Nekonekoneko より:

        Didn’t the inside of the pond look so bright? When Nishiki-koi are in the “beautiful pond” ,they are as beautiful as shining jewels.

        いいね: 1人

  2. mame58 より:

    アップされたお写真、すっごく綺麗です。
    岐阜に住んでいるので、もちろんこの池の存在は、知っておりましたが、友人が行ったところ「大したことなかった」と言っておりましたので、いかずじまいです😓
    なるほど、皆さん加工されてより美しくなっているのですね!
    とってもいい気分になれました。
    写真のアップ、ありがとうございます😊😊😊

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      ええ、池の前に立ちながら、モネの池ってどこにあるんだろうって探したくらいです😄
      最近人気の映えスポットにはよくあるパターンですね。でもお近くであれば、一度行かれてみてもよいかもしれませんよ。

      いいね: 1人

  3. Obong eno より:

    Beautiful picture, ❣️

    いいね

    1. CHIRICO より:

      Thank you♪

      いいね

      1. Obong eno より:

        Most welcome ❤️

        いいね: 1人

  4. narisawa110 より:

    青く映る鯉
    いいですねー

    オリンパスですか?キャノンですか?

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      僕の愛機はOLYMPUS PEN-Fです♪

      いいね

  5. CoccoCan より:

    カメラが下手な私でも興味津々なので、お好きな方はさぞかし楽しいことでしょう。
    この水の澄み具合も素敵ですねぇー。カメラのいろんな機能を使ったら、色んな画像が「作れる」のですね!!

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      すごく感動的な景色を見ても、写真に撮って帰って見てみたらイマイチだったということは多々あります。なので心の感動分を色調補正やトリミングで調整し、写真を作ることはある意味必要な作業だと思っています。

      いいね: 1人

  6. joshjii より:

    Nice article

    いいね

    1. CHIRICO より:

      Thank you!

      いいね

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください