京都府福知山市の元伊勢巡りも佳境を迎えます。
皇大神社の奥宮とされる元伊勢「天岩戸神社」(あまのいわとじんじゃ)を目指しました。
皇大神社の裏手から境内を出て、しばらく歩くと祭壇が見えてきました。
そこには綺麗な円錐形の山が見えています。
このピラミッド型の山は「岩戸山」(日室岳)と呼ばれる神の降臨を伝える神体山で、今も信仰の対象になっているそうです。
冬至の日には日の出と伊勢の内宮・外宮と元伊勢皇大神社、そして岩戸山が一直線に並ぶそうです。
また夏至の日には岩戸山(日室岳)の山頂に太陽が沈む神秘的な光景も見られると云います。
さて、沢近くまで降りてきました。
階段の先に清流が見えます。
下を覗くと大きな岩がせり出し、
岩戸のようなものも見えます。
先を望めば、小さな社殿がありました。
この先が天照大神が御隠れになったという天岩戸の聖地だそうです。
コケに覆われた手水で身を清めます。
うっかり足を滑らせてしまいそう。
降り立って見ると、そこは大蛇でも出てきそうな、奇岩の溪谷です。
じっとりと湿気を含んだ空気がまとわりつきます。
コンクリートで簡易舗装された参道を進みゆくと、
大きな岩の上に社が乗っています。
この大岩こそ神々が座して天降ったと言い伝えられる御座石です。
この先の山一帯は、足を踏み入れてはならないとされる神域です。
社までは鉄鎖が取り付けられていて、頑張れば社殿前で参拝できます。
御祭神は「櫛御食野命」(クシミケヌノミコト)。
櫛御食野命は熊野系の神として現れることが多く、一般にはスサノオを指していると云います。
しかし紀伊国の熊野本宮大社の大元宮とされる出雲の熊野大社の祭神は、今でこそスサノオであるとされていますが、本来は出雲の8代目副王の「事代主」だったようです。
いつの間にか穂日族の子孫に、祭神を書き換えられてしまいました。
ここに祀られる神がスサノオなのか事代主なのかはわかりませんが、何にせよ幽玄と広がる聖域は、確かにここに存在していました。
天岩戸神社から駐車場へ戻る道すがら、遺跡のような場所を見つけました。
ここに、何かがあった形跡があります。
ふと見ると階段が続いていたので登ってみると、
皇大神社の参道入口付近に繋がっていました。
そばには天岩戸から流れる水が、五十鈴川となって流れていました。