親魏倭王の都、いわゆる「邪馬台国」の本拠地である宇佐神宮から見える「御許山」(おもとさん)は、女王卑弥呼・豊玉姫が眠る聖地と云うので、改めて訪れる決意をしました。
宇佐神宮の奥宮「大元神社」は御許山の9合目付近にあります。
御許山は、西屋敷付近にある林道から車で登れますが、それは途中で必ず来たことを後悔する酷道です。
正式参拝の登山路ルートを選択することを強くお勧めします。
登山口には数台のの駐車スペースもあり、そこから大元神社まで、30分ほどのトレッキングとなります。
登山口から1歩足を進めると、真昼でも薄暗い、鬱蒼とした森に驚きます。
何か出て来て襲われそうな雰囲気。
最初の8分くらいは、急な斜面を登ることになります。
しかし次第に緩やかな坂になってきました。
とはいえ案内板も朽ちていたり、あまり丁寧ではなく、途中不安になったりします。
道幅の細い場所もあり、滑落の危険も皆無ではないので、靴は最低でもトレッキング用のものを用意することを勧めます。
登山道脇には、よく見るとお地蔵さんなんかがあり、
やがて胎内くぐりを思わせる倒木に出会います。
この木があれば、道は間違っていません。
もちろん道は一本道なので迷うことはないと思われます。
ほどなくして杜を抜けました。
神々しい気配がします。
どうやら到着したようです。
参道を抜けたところには、御神木がありました。
大銀杏の大木は台風で折れたらしいのですが、新たな枝芽が茂っています。
新緑の頃は青々と芽吹きます。
ぽっかりと開けた場所に鎮座する拝殿。
ここが、宇佐神宮の奥宮になります。
拝殿のみで本殿はなく、背後の禁足地との間に鳥居のみがあります。
鳥居の足元には有刺鉄線が張りめぐらされており、何人も侵入を許さぬ気負いに満ちています。
この先の山中には3つ磐座があり、それが比賣大神、いわゆる宗像三女神の降臨した御神体であると由緒に伝わります。
つまりここが宇佐神宮の「大元」であると云うわけです。
14世紀初頭に書かれたとされる「八幡宇佐宮御託宣集」の巻十四に「奥宮御許山絵図」というものがあります。
九州国立博物館の「国宝大神社展」でも展示されていました。
「中央の石が最も大きく高さ一丈五尺(約4.5m)の烏帽子型、右の石はこれに次ぐ大きさで形はほぼ同じ、左の石は高さ四尺(約1.2m)余りと小さく、人の手が加えられた痕跡がある」
見ればそこには確かに大きな3つの磐座を中心んに、多数の磐座を巡る参道が描かれています。
往古にはこの先の禁足地にも足を運べたということなのでしょうか。
富家の伝承では比賣大神こそ「親魏和王のヒミコ」であるとしています。
ヒミコ・豊玉姫は宇佐神宮から見える山の中に埋葬されたそうなので、ここがヒミコの陵墓となるのでしょう。
大元神社の境内には、
拝殿を中心に、いくつかの石塔が立ち並びます。
拝殿の反対側に境内社の「大元八坂神社」の立て札がありました。
神秘的な参道を歩くと、小さいながらに威厳に満ちた本殿があります。
祭神は「須佐男命」、物部族の大祖神です。
本殿の裏にも磐座と思しき岩が。
物部族は豊玉姫に大和を攻めるため、連合を持ち掛けたと云います。
豊玉姫の墓所を守るため、物部族も一役買っているということでしょうか。
八坂神社から少し離れたところに祀られる磐座。
境内に戻って右側の道を下ってみます。
そこにも祠が祀られる磐座がありました。
よく見れば、他にもいくつも、磐座や石碑と思しきものが散在しています。
降り立ったところに社務所がありました。
どうやらこちらが表参道のようです。
他にも磐座が存在するようですが、雪が激しくなってきたので散策を諦めました。
拝殿の左手にも道がありました。
少し下ると御神水が流れる場所があります。
「三鉢の水」と呼ばれているようで、一年中枯れることはないとの事です。
しかしこの日はカチカチに凍っていました。
そこに至るまでには努力が必要だが、立てば厳かな空気に感動する。
大元神社は、惹きつけてやまない魅力ある聖地でした。
13日の宇佐神宮のあと、6時にダッシュ参拝してきました
拝殿裏の神域は本当に神秘的でしたね
この後背振山に寝ずにナイトハイク開始でしたw
表参道の道は比較的歩きやすく整備されていてとても気分が良い参道でした
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大元神社、僕の大好きな場所です。
裏の神域から漂ってくる濃厚な気配を、いつも感じています。
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はじめまして(‘-‘*) 「大分への石の旅」で 行きたかったところです。まるで 自分が歩いているような感じになりました。 ありがとうございます♡
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こんにちは、ようこそお越しくださいました。
大元神社は、肝心の磐座は禁足地にあり、あまり見ることができません。
しかしながら、そこに漂う神秘的な雰囲気は、苦労して訪れる甲斐あるものでした。
往古から変わることのない巨石・磐座、ロマンですね。
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お返事 ありがとうございます(^-^)
そうですよね✨石が まさに そこにある、という その場所の 風に吹かれる・・・って やめられません(^-^)v
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