由布岳をはじめ、雨乞岳、倉木山、城ヶ岳、高尾山、野稲岳、カルト山、福万山といった山々に囲まれた由布院盆地(ゆふいんぼんち)には、宇奈岐日女神社に関連した神社が他にもありました。
盆地の南西端・川西に、蹴裂権現社(けさきごんげんしゃ)があります。
由布岳の神であるウナグヒメが由布の湖を蹴破らせた、力持ちの大男「道臣命」(みちのおみのみこと)を祀る神社です。
小社と聞いていましたが、こんな階段を登るとは。
磐座っぽい石が鎮座。
登ったー、と思ったらまだ続くんかい!
登り切ると、少し開けた場所があります。
そこをぐるりと回り込んだところに
ありました。
ぽつんと寂しそうに祀られる蹴裂権現社。
しかし由布院盆地がかつて湖だったというのは、考証の結果どうやら違うらしい。
ここに祀られるのは、宇奈岐日女に仕えた重臣のひとり、ということになるのでしょうか。
宇奈岐日女神社から徒歩約15分のところに、境外末社の大杵社(おおごしゃ)があるというので行ってみました。
15分とはいえ、割と急な坂道を登った高台にあります。
するととても厳かな雰囲気の神社がありました。
飲用もできるという手水。
社全体から森の濃厚な氣が漂ってきます。
当社の狛犬は、とても独特です。
なんだか呪術的、
そして地球外生命的です。
祭神は「椎根津彦命」であり、神武東征の際、航路を案内した功臣と伝えられます。
そして社殿の左横には、
樹齢は1000年以上と云われる神木の大杉が聳え立っています。
根元の周囲約14m、幹の高さは約35mあり、国の天然記念物にも指定され、大分県最大の杉の木だという話です。
この大杉に最も近くまで迫れる場所は本殿裏。
そこからは根本に大きな空洞を見ることができます。
中は3畳分ほどあるそうで、神像が安置されているとのこと。
神像の姿を見ることは肉眼では困難で、ライトを差し込むことも憚られました。
というか、怖い。
先ほどから、この大杉が放つ威圧に押し潰されそうです。
誠に畏れ多き存在。
当社創建は弥生時代後期頃にまで遡るそうで、由緒では多賀社と歳神も合祀されているようです。
多賀社と歳神は、どちらも出雲のサイノカミに由来します。
やはりユフと出雲王国は深い繋がりがあったのだと、確信に至りました。