佐賀県武雄市の見どころの一つ「御船山楽園」(みふねやまらくえん)へ行ってきました。
御船山は、その姿が唐船(とうせん)に似ていることから唐船山とも呼ばれています。
また神功皇后(じんううこうごう)が三韓征伐から帰国後、ここに船を着け、それが山になったとも伝わります。
東山麓の御船ケ丘梅林では、2月中旬~3月上旬にかけて1万本もの梅が、西山麓の御船山楽園では春に5千本の桜が咲きます。
それも圧巻と聞いておりますが、しかし何と言っても御船山での花の見どころは、園内に咲く、5万本の「つつじ」でしょう。
鳥居のような門を進んでいくとすぐに、池に映る中国の山水画のような、切り立った御船山が目に入ります。
桜やもみじの新緑が眩しいです。
御船山楽園は、秋の紅葉もまた大変美しいといいます。
穏やかな坂を上り進むと、次第につつじの咲く姿が見えてきます。
御船山楽園は、武雄藩第二十八代領主・鍋島茂義(しげよし)公が別荘を設けるため、約3年の歳月を費やして造園したと云います。
茂義公はここを、花の楽園にしたかったのでしょうか。
遅咲きの八重桜や、
白や赤の椿もまだ咲いています。
花の香りに誘われてやってきた、野鳥の歌声が響いていました。
武雄と隣の武内は神功皇后の重臣として登場する、「武内宿禰」(たけうちのすくね)の故郷である可能性が高いようです。
そのこともあって、ちょっと僕はわくわくしながら、散策しています。
さて、御船山楽園のつつじ一番の見どころへとやってきました。
「つつじ谷」です。
桃源郷かと見紛う光景です。
しばらくその絶景に見惚れた後、更につつじの中を散策します。
延々と続くつつじの道。
その所々で、それぞれに花を楽しむ人たち。
蜂や蝶も喜んでいます。
だんだん山が迫ってきました。
秘密の小道のようなところを抜けると、
一番奥の高台へたどり着きました。
園内は花ばかりではありません。
「花見台」と書かれた方へ足を向けると、
大きな岩の間に、稲荷社がありました。
そこはとても不思議な感覚がして、ひんやり、風が吹いています。
更に奥へ進むと「五百羅漢」があります。
ここで「行基」は、3年の歳月をかけて五百体の石仏を彫ったと云います。
堂内にはわりと新しそうな石仏が並んでいますが、
壁に数体の仏像が彫られていました。
更に下にも洞があり、
多数の石仏が鎮座します。
再び花の楽園へ戻ってきました。
園内をぐるり一周したことになります。
帰り道、つつじの古木と記された木があります。
鮮やかな色彩は、年月の深さを感じさせます。
森を抜け、
池のところまで戻ってきました。
御船山楽園は、夜のライトアップも幻想的だといいます。
命あふれる花の宴に酔うも、春の醍醐味です。