夕暮れの二見興玉神社を訪ねてみましたが、
今宵の海は荒れております。
この浜は、内宮から流れてくる五十鈴川が二手に分かれて挟むように注いでいることから、「二水」(ふたみ)と呼ばれましたが、それがいつしか大和姫様がその美しさに二度振り返りご覧になったと言われるようになり、今の二見の文字に置き換えられたそうです。
この夫婦岩の先は、晴れた日には遠くに富士山も見えるそうですが、立石浜は古来より常世の国から打ち寄せる波が最初に届く聖なる浜と信じられていました。
それでこの浜の水を浴びて身心を清めるという習わしになったそうですが、今日は立っているだけで、全自動で身清めのサービスを受けられます。
ともかく僕は防水機能のない愛機を死守しつつ、先に進みます。
すると右手に気になる小さな浜がありました。
うむむ、これは良いものだ。
そして見えてきました、
「龍宮社」(りゅうぐうしゃ)です。
今更ですが、こんなんが二見興玉神社にあるって知らんかったー。
思っていた以上に新しい気配の神社です。
案内によると、約200年前の寛政年間(江戸時代)に津波が起こり、残った家はわずか5、6軒という惨状だったということです。
氏子たちは隣人同士助け合い、郷中施しあってこの災害から立ち直りました。
以来、供養、村内安穂と海上安全を祈願して、小船に「きゅうり・みる・まつな」(津波を 急に、見るな、待つな)を供え、海に流す「郷中施」(ごじゅうせ)が行われています。
祭神は「龍神大神」と「綿津見大神」(わたつみのおおかみ)。
元は五十鈴川派川の二見町江河口に祀られていたそうですが、河口の埋立や護岸工事のため昭和13年に当地に遷されたそうです。
さて、宿に戻ってお楽しみの夕食はこれ~っ!キミに決めた!!
っと勇み足で10階に上ってみると、あれ?真っ暗。
フロントに行って尋ねると、
「ああ、今日は10階は定休日ですよ」とのこと。
「え?じゃあこの辺でどこか食事できるところあります?」
「いやぁこの辺りはだいたい6時とかで閉まってしまいますから」
な・ん・で・す・と。。
慌てた僕は、人生の暗闇の中、盗んだレンタカーで走り出しました。
と、一件だけ光を灯す食事どころを発見!
松坂牛 肉処「力也」(りきや)さんです。
だ、大丈夫なんか、この店。
一体いくらボラれるんだ。
そんな不安に駆られた僕は、すかさずネット検索をかけました。
そこで見かけたレビューには、
「こんなにリーズナブルなお値段で松坂牛が食べれるなんて、ラッキー☆」
ってあります。ああ、なら安心だ。
そう思って席に着いたわけですよ。
そしてメニューを開いてみたら
ま、松坂牛、9,800円ですか、、リーズナブルとはいったい。。。
もうここは黒毛和牛(並)でもいいんじゃない、十分旨いだろうし。
そう思い始めた時、僕の中の不屈の僕が問いかけます。
「おいおい、そうじゃないだろう。戦わずに後悔するのと、戦って後悔するの、お前はどっちなんだ。お前の敵は、その心の弱さにあるんだぜ」
「ああ、わかった桐彦。逝く時はお前も一緒だ」
そうして脳内桐彦との対話を終えた僕は、おばちゃんにここ一番の笑顔で告げたのです。
「松坂牛、一丁」
おばちゃんはすぐさま、世にも美しい松坂牛スライス5枚を載せた皿を、僕の前に運びました。
「お客さん、卵を溶いて待っていてください。一枚だけ私が焼きますので、あとはご自分で焼いてお食べください」
こ、この薄い肉片5枚が9,800円。一枚が約2,000円。なんて恐ろしいコ。
表面が薄くヴェージュ色になった肉片を、ゴールドゥ色の卵に漬けて口に運びます。
Kissいきなりヘヴン☆旨くないはずがないよね。
あれ?確か今、肉を口の中に入れたよね。ああそうか、松坂牛って、飲み物だったんだ。
一枚が約2,000円の肉片は、秒で口の中で消えていきました。
松坂牛などの超ブランド牛は、身に均等なサシを入れるため、激しい運動をさせず、ゆったりゆっくりと丁寧に育てられ、ストレスを感じさせないよう音楽を聴かせたりするのだそうです。そうして多くの人の思いと気の遠くなる手間によって育まれ、その貴重な命は今僕のために目の前に並べられているのです。
この肉片5枚を、一枚たりとも無駄にはできない。決して無駄にはできない。僕は背水の陣で鍋に挑みます。
すき焼きのタレに滲み出た松坂牛汁、それも余すところなく堪能しなくては!つまり〆は松坂牛汁をしっかり染み込ませたうどんで。
あとで分かったことですが、リーズナブルというのは力也さんのランチのことだったようです。
まあ、これだけの肉が1万円を切る価格というのも、松坂牛としてはリーズナブルなのかもしれませんが。
大変美味しゅうございました、ご馳走様です。
肉5枚は少ないかと思いましたが、高級肉はこのくらいでちょうど良い。あと一枚多かったら気持ち悪くなってたかもしれません。
僕がお会計を済ませていると大将が出てきて尋ねます。
「お客様は一人旅ですか?」
「はい、私はいつも一人旅です」
「そうですか。だいたいおひとり様の場合、写真に夢中になったり、他の具材に気を取られたりして、せっかくの美味しい肉を焦がして台無しにすることがほとんどなんですよ。でも私くらいになると、残ったつゆを見て分かるものなのですが、お客様は最後の一枚まで美味しく召し上がれたことがよく分かります」
そりゃあ、僕のために美味しく犠牲になった命を粗末になぞできません。死ぬ気で肉加減に全集中の肉の呼吸で頂きました。
でもまあ、そう褒められると嬉しくなってしまいます。財布は空になりましたが、気持ちよく力也さんを後にしたのでした。
「三重県うまいもんメニュー」を見て、ワクワクしたのに、私まで「な・ん・で・す・と」と心の中で叫びました笑
良いお店に出会えてよかったですね。旅先の食事が空振りになるときほど悲しいことはありません。
こういう高級お肉は、少量で満足ですよね。私は5枚もいただけるかどうか、、、美味しく召し上がられたようで何よりです。
それにしても、、、どうしても「三重県うまいもんメニュー」が気になります!!!
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ホテルの朝食はいただいたのですが、地産卵かけごはん食べ放題ってやつでした😄
卵がカゴに山盛りになってて、ふりかけやだし醤油が充実してました。おもわず3杯も食べてしまいましたよ😅
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読んだだけで、胃袋が4つ欲しくなりましたw
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言いたいこと言うぜ、やりたいことやるぜ、これがホタテ(力也)のロケンロー、かと思いましたがギュウニク、🤤
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超絶旨い肉食うぜ、サイフは空っぽだぜ、確かにロケンローでした。。
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羨ましい、、、、
唾液が、、、動画を見てから止まらない😓
でも、高い、、、
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僕もこんな高級肉を口にするのは、最初で最後でしょうね😅
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🐥脂あぶらサシ肉…好みだと思うが私は好きでは無い。確かに美味い肉だとは思う。だが、脂あぶらサシ肉より上質な赤身の肉が好きな私にとって、これはただの⭐︎ったくり…
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赤身がお好きでしたら、阿蘇の赤牛丼が美味しいですよ。ただやたら宣伝しまくっていたので、人が多くて並ばないと食べられなくなってしまいましたが。
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